いま、殺りにゆきます | ∴EROGLOG---鬼畜・グロ・エログロblog∴

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よく来たな者ども。くつろいでゆけ。

▼通勤・通学の短い時間、逃避するには持って来いのもの。
それが小説の、中でも短編集であろう。今日はその中でも、嫌でも違う世界へぶっ飛ばされる本を紹介する。


いま、殺りにゆきます/平山 夢明

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いま、殺りにゆきます

著者/平山 夢明

▼その筋(どの筋というツッコミはいらぬ)では有名な著者が書いた、実話短編集。(と言われているが…)
36編入ったその話の数々は、題名から察せられる通り、意味不明で常軌を逸しているものが多い。アマゾンでの紹介は、以下のようになっている。

精神に異常をきたす恐怖がここにある…衝撃の実話恐怖短編集。

深夜の路上で凶徒に遭遇したカップルの恐怖を描く「峠で壊れて」。

愛犬の足が何者かにより一本ずつ折られていく「だんだん少なくなっていく」。

常軌を逸したイタズラ電話が母子を追いつめる「謎電」。

電車内で理由もなく乗客を殴りつける男、「おら男」。

日本ホラー界の第一人者が、徹底した取材を元に日常に潜む恐怖を描いた36話を収録。

狂気が支配する、逃げ場のない世界が幕を開ける。


以上のように、もう紹介文の時点でちょっと投げ出したくなる。
しかし小説を一旦めくってしまえば、もうその手は嫌でたまらないのに、それでも止まらないのである。

▼この小説は、「実話」だと銘打たれている。
すなわち、オチはない。あってもそれは生理的嫌悪感を嫌が応にも刺激する、痛々しいものだけだ。
意味が不明で、混乱する。
あまりの行為に、吐き気がする。
同じ人間がやったのかと思うと、人を信じられなくなる。

36話を読み終わる頃には、純粋に生きることが怖くなる。

そんな話が詰っているのである。

▼上記に上がっている以外の話も、少し紹介しよう。

胸から腹にかけて、麻酔無しで糸で刺繍をされる「M」 。

自由を奪われた挙句、あるモノをを身体中に放置される「蟲」 。

恋人に飲ますため、自分の腕をミキサーにかける「みっくちゅじゅうちゅ」。


他にも理不尽で理解の出来ない恐怖、暴力がたくさん描かれている。

最後の「みっくちゅ~」など、確実に理解できる範疇を超えている。ただポカーンと口が開き、次に得体の知れぬものに対しての恐怖が競りあがってくる。あの読後感は、他ではなかなか味わえない。
これを書くために手にとってはみたが、わらわは出来ることならもう読み返したくは無い。そんな気力も起きない。
とか言って、最近でた「2」も買っちゃったけど…。

▼しかし少ない時間で、非現実に飛べることは確かである。
一話一話が短いので、切り替えも比較的簡単に出来よう。少しだけでもこの世界を覗いてみたいのなら、挑戦してみても損はない。


いま、殺りにゆきます/平山 夢明

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トラウマになっても、わらわは知らないけど…☆