抗日ドラマ | 監督ブログ  wecker

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「時空警察ヴェッカー」シリーズの原作・監督 畑澤和也の個人ブログです。
現在中国広東省で活動中

中国国内で放送しているドラマに特撮(アクション)ドラマがないかと探していたら…


女戦士が空を飛びながら弓を放ち、敵兵を次々に倒していく…というシーンにたどり着きました。

敵兵とはもちろん日本兵です。


現在ゴールデンタイムで放送されている大人向けのドラマの約1/3が「抗日ドラマ」と呼ばれるもので、

毎日毎日日本兵が無残に殺されていく(日本兵は絶対死ぬ)姿が放送されています。


先に書いた空想活劇調?のものからコメディタッチのもの、シリアスなのもと表現は様々ですが、敵は「必ず」日本人。アヘン戦争以来たくさんの夷敵と戦ってきた筈の中国ですが、敵は必ず日本人。そしてだいたいが残虐非道な大悪党として描かれています(たまに寝返るいい日本人もいるらしい)。


ドラマとして見てるとここに出てくる日本人はみんな確かに憎たらしく、これに健気に抗う共産党軍を応援したくもなります。


幸い?アニメには抗日ものは無いんですが、アニメも含めて中国のテレビ番組は必ず政府(光電局)の審査を受け、合格しないと放送できません。

そして「抗日もの」としておけば、内容はどんなんでも(;^_^A審査に通りやすいからというのが実情だそう。敵を日本軍にしておけば、荒唐無稽な話やコメディなんかも出来る訳です。

決して日本軍(日本人)が憎くてこういう番組ばかり作っている訳ではない(らしい)です。


これは「おもちゃを出しておけば何でも出来る」という我が国の(少し前の)実情にも似て、スポンサー(中国の場合は国)至上主義…である事に変わりないでしょう。


視聴者も史実や現実に隣にいる(生真面目で大人しい)日本人とは別のものとして、ドラマに登場する(馬鹿で乱暴な)日本兵を観ているようです。


番組を観ていて、自分の祖父も戦死しているので実は穏やかならん気分になる事もあるんですが…

どこまで(いつまで)続くんでしょうか?愛国(抗日)政策…。


件の番組は日本からはユーチューブなどでも観れないようです。

こういう批判ぽい記事も当局がチェックして削除して回っているそうですから(;^_^A後日、この記事が消えていたら驚いてください。


しばらく中国(の女の子?)大好き記事ばかり書いてたので、たまにはこういう「現実」もお知らせしておきます。