あしたの為に | 監督ブログ  wecker

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「時空警察ヴェッカー」シリーズの原作・監督 畑澤和也の個人ブログです。
現在中国広東省で活動中

今回は久し振りにアニメの話。
去年から深夜(早朝)断続的に再放送している「あしたのジョー2」にちょっとハマってます。
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本放送は「ガンダム」等のアニメブームの最中に「今なぜ?」というタイミングでのアニメ化だったと思います。

今の眼で改めて観ると、作画、演出共に驚くべきクオリティー!
出崎統&杉山昭夫コンビの最高傑作!と言われるのにも、今さらながら納得。(もう少し後の「お兄さまへ」好きだったんですが、やり過ぎ感も…)


ちばてつや先生が述懐されているのを読むと、当時好きだった乾物屋の紀子
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…は原作にないちば先生のオリジナルだそうですね。
紀子が「矢吹くんの青春はどこに?」と聞くシーン(普通?の若者は青春を謳歌しているのにジョーは血みどろになってボクシングばかり!って言うシーンですね)も原作にないシーンなんだとか。
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アニメのそのシーン監督ブログ  hyper-orion-100108_2157~01.jpg
…死ぬまで闘うのが殺してしまったライバル、力石徹への贖罪であり、何より拳を打ちあっている瞬間が一番幸せだから、と答えるジョー。

そして、完全燃焼し「真っ白な灰になるんだ」と。

そんな(原作にない)シーンが、ラストの、あまりにも有名な「真っ白に燃え尽きたジョー」へと結実する訳ですね。



紀子が「わたし…もうついていけない」と、別の男(しかもジョーの親友)と結婚しちゃう……のも、今観るとヤケに現実的です。(”そんな”事が自分にもあったなぁ(^_^;)と)


もう「青春」は遠い昔だけど…「完全燃焼」出来る瞬間、そんな仕事をしたいと今も思っています。


最後に、熱烈な「あしたのジョー」ファンで、力石徹の葬式も企画した劇作家、故 寺山修司氏の名言を。

「明日になれば、思いがけないことが起こるかもしれない」だから「明日何が起こるかわかってしまったら、明日まで生きる愉しみがなくなってしまう」のである。


付け加えるなら「明日のために出来る努力を今日、めいっぱいしよう」

…そのまま「ヴェッカー」の(特に「ヴェッカーシグナ」の)テーマでした。