小4のKいち君が筆者に声をかけてきました。
(Kくん)先生、去年作った船の工作、いつ水に浮かべるんですか?
そうなんです。浸水しないお舟工作を作ってもらったのですが、みんなでお池にうかべにいくタイミングがなかなかなくて、アトリエにずっとそのままで気になっていたのです。
(Kくん)いったん持ってかえってもいいですか?
(筆者)いいですよ、名前がないようだけど自分のわかる?
(Kくん)わかります!ぼくはこれを赤い色で塗ったんだ。
意気揚々と彼一人、棚から船を選び出し持ち帰りました。
翌週
また筆者にKくんか声をかけてきました。
(Kくん)先生、外の壁画なんですが、どうしてぼくの描いた木は消されたんですか?
そうなんです。アートゼミ円山アトリエには大きなブロック塀があり、二年に一度新しい絵に更新しているのですが
三年前にKくんたちに一人一本木を描いてもらいました。
二年後、今度は一人一羽の鳥を描いてもらいましたが、鳥の留まる木も少し塗り残していたのです。
(筆者)《彼にそれまでの経緯を説明し》鳥さんを去年は描いたんだけど、鳥さんが留まる木も要るでしょ?だからバランスを見てランダムに消したんよ。Kくんのだから消したわけじゃないんですよ。
(Kくん)わかりました!
(筆者)《わかったんだ!》
またまた翌週、Kくんが筆者に声をかけてきました。
(Kくん)先生、初めてぼくに会った時のこと覚えてますか?
(筆者)《いささかドキッとしながら》覚えてますよ…たしか体験教室ですよね。ロケットとか作ったかな?
(Kくん)そうです。たしか先生は三角と丸い筒を作っていました。
(筆者)じゃあ、ロケットだ。
(Kくん)でも、先生はぼくのことほったらかしでなにもしてませんでした。
(筆者)Kくんがひとりでもできる子だと思ったからですよ。最初から手伝ったらできない子になっちゃいますよね。
(Kくん)そうですか、わかりました!
男の子の小3~小4は哲学に目覚める時期のようです。
講談社から「子どものための哲学対話」永井均 著
が出版されていますが
マンガ「ロダンのココロ」などの内田かずひろさんのイラストも付いて読みやすい本でした。
いろいろなことを考え始める時期ですが、絵のテクニックは女の子に比べると、それを具現化するまで追い付いていません。
そんな、年齢の特性を知っておいて見守るとよいのでは。
