日曜の朝、


テレビでぴあフィルムフェスティバル入賞の映画をしていました。

若手の才能のある監督の登龍門のような映画祭だそうです。



今日見たのは「はっこう」という30分のショートフィルム。


ストーリーは


地方都市の長屋(借家)に住む若い主婦。


こどもは2歳すぎ。


こどものことばが遅いんじゃないの?とダンナさんのお母さんにちょこっと指摘されて、ダンナさんに相談するが、「育児ビデオでも買うー?」とあんまりわかってくれない様子。


会社ノリのダンナさんと、ずっと家にこどもと居た彼女とはイマイチ温度差が。


そんなストレスたまりまくりの彼女は、近所のスーパーで買った食材を、実際はいたんでないのに、郵便で「腐ってます」とクレームをつけたり、被害妄想に悩まされる日々。


暑さもピーク、そんなに広くない長屋に赤ちゃんと二人きり。


知育玩具も買ってあげてるし、オシメのチェックもおこたらないけど、ある日綿棒を部屋中に散らかした赤ちゃんにブチ切れてしまい思わず叩いてしまって、我にかえる。


そのとき、彼女は気がつきます。


スーパーの食材が腐っていたんじゃなくて、くさっているのは私、って。


物語は「水がとどこおり、澱んだところから腐敗、発酵が始まる、しかし発酵は浄化のはじまり」とナレーションで終わるのですが、この映画の監督は名前からすると女性監督。

ふとした台所の視点に、女性から見た視点や息づかいをリアルに再現してあり、社会批判とか、教訓的なところがない感じが大変好感もてました。


主人公が感じている、ことばにならないことばにしにくい感覚…
主婦をしたことある人ならわかるかも。


経済的には困ってないし、子宝には恵まれて、何の不足がある?って声が聞こえてくるのは、真面目な主人公にはわかっているのでがまんしていますが、自己実現の機会がない状況下では我慢も限界。

そう、イマのお母さんは高学歴の人も多く、自分だけの表現(自己実現)をするちからは男性にまけない程度にあるはずです。


しかし、どうすればよいのか分からない状況があるのも事実。


芸術はまさにそんな時、たすけてくれるツールとして現れます。


「何か作ってる」


「誰かに見てもらう」

「注目される」


これらは決して恥ずかしい欲求ではありません。


アートゼミでは今月末のピカソ展鑑賞も含め、ご家族ぐるみで積極的にアートに携わる機会を提供しています。


お子様だけでなく、ご家族にもより深くアートを理解していただくことで、単なる絵や工作のトレーニングだけでなく、みんなの自己実現のツールに使っていただきたいと思うからです。


役に立つアート。


健康にいいアート!?

めざしてマス。