梅雨時のせいなのか、さいきんどうも暗めの絵を選んでしまいます。


うう~ン、筆者疲れているのか?


最近、色占いだとか、カラーセラピーとかフツーにいわれてますが、今、気になる絵の色彩傾向を見ると、リアルタイムで心理状態、健康状態が判別できるかもしれませんね。


その法則によると、筆者が今日選んだ絵は、・・・


黒や寒色が中心。


ちょっと暗くて安全なところでひと休みしたい、野生のどうぶつのココロモチ、ってとこでしょうか。



えー、冗談はさておき、これはセザンヌという、20世紀近代絵画の父と称される作家の作。


何が父かって言うと、これは後々またご説明するとして。



この女性、ご機嫌はどうだと思いますか?


笑ってはいません、固い表情。


私が見る限り、不機嫌通り越して、もう、うんざりって感じのような。


今、思い出しましたが、「フキゲン」ってオレンジジュース、ありましたね。



じつはこれはセザンヌの奥さん。


ほかにもたくさん奥さんの肖像は残っています。


妻の像、とくれば愛情あふれた絵、なんて思いがちですが、これは現実のキビシサをしっかりと表しています。


       「まいにちまいにち、笑顔でなんかいられないわよ!」・・・・みたいな。


セザンヌはモデルに対して何度も、何時間でも座ることを要求したといわれます。


それ一生懸命だったんでしょうね。でも、相手は人間。


松の木や、近所の山みたいにはいきません。


たぶん・・たぶんですがセザンヌの奥さんは長時間座らされて、疲れがピークに達していたのでは。


はからずも、自然に忠実なセザンヌの描写力がその制作風景とご夫婦の機微を後世にしっかりと残すことになったのでありました。