前回のページではダリの胸像をご紹介しましたが、
今回は、エドゥアール・マネ。
この絵は「草上の昼食」
パリの、印象派コレクションで有名なオルセー美術館にある、これまたかなり有名すぎるほど有名な作品です。
タイトルにあるように、芝生の上で男女が楽しくピクニックしていますね、ピクニック・・・ん?!!
ちょっとまってください、男の方はしっかり着衣ですが、女の人の方は何も着てません。パンツすらはいていません。
近所の公園でこんな格好でピクニックをしたらお巡りさんが飛んでくるでしょう。
もちろんこれが描かれた19世紀フランスはもっと公共の道徳が厳しかった時代、
ギリシャ神話の世界では半裸の神様の絵はアリなのですが、この絵では男の装束は当時のものです。
今だったらTシャツにジーンズとか、背広といったところでしょうか。
この絵は発表当時かなり顰蹙を買い、物議をかもしたといわれています。
“神様の舞台仕立てを生身の人間にさせたらこんなになっちゃったー”、という確信犯的な感じもします。
それまで神様や宗教的世界のものだった絵が社会や価値観の変化とともに動いた時代、
雲の上だった世界をいきなり地上にひきずりおろし、新たな展開を導いた画家の一人が
この作者、マネといわれています。