さーーて、これはなーんだ。


たぶん子供たちが見たらげらげら大笑いしてくれそうなこの胸像。


大人の方が見たら、さて、どうでしょう。


頭には日本でも有名なミレーの「晩鐘」のブロンズ像。あれ?ペンたてにも見えますね。



帽子の代わりにフランスパン、



首にはおさるさんのリボン、



お下げ髪の代わりにとうもろこし、



そして顔にはアリがたかっています。



                  ヒトを馬鹿にするにも程があります。



もし、高校生が文化祭でこれを出品するといったら先生が許してくれるか、微妙なところです。




種明かしいたしますと、これは世界的に有名なサルバドール・ダリの作品。



彼は20世紀にフランス美術界を中心に起こった、超現実主義(シュールレアリズム)にかかわった作家、



現実の用途とは違った使い方で、ものの価値をひっくり返したり、おおまじめに笑い飛ばしたり。



それまでの絵画の役割を一気に塗り替えた、

それはちょうど、歴史的には世界が戦争に巻き込まれ、価値観が揺らいだときと重なるのですが。



くっだらなーい、なにこれヘンなのーーーって作品には必ず理由があります。



特に、世界で“巨匠”といわれている作家では。



みんなが「わからない」とよくいうピカソの作品も必ず何らかの理由があるはずです。



「変なの。おっかしいんじゃなーい」と笑う前にちょっと考えて見ましょう。



          私たちの方がダリやピカソに笑われているのかもしれません。