こんばんは。


ここのところ忙しくさせて頂き、久々の更新となってしまいました。


皆さまお元気でお過ごしでしょうか。




本日も新作のご紹介と参りましょう。






瀬戸内産ミル貝と伊予市産トマトのサラダ仕立て ジュレ寄せ キャビア添え




今年は、どういうわけかミル貝が出始めるのが遅く、なおかつ流通量が極端に少ないようなので、


なかなかメニュー入りできませんでしたが、ようやく登場です。


トマトは伊予市産の赤、黄のアイコトマト、グリーンクレープトマトを使用しており、


見た目にも美しい、涼やかな前菜となっております。


ミル貝とトマトをビネガーで和え、コンソメジュレ寄せに、キャビアを添えてお出しします。


骨格のしっかりとしたクレマンなどと合わせていかがでしょうか。








奥道後産イノシシバラ肉のカルボナード




少し前のブログで調理工程をご紹介しました、奥道後産イノシシバラ肉のカルボナードの盛り付け写真です。


柔らかく煮込まれたイノシシのバラ肉、大変美味でございます。


写真のガルニチュールは、周桑産グリーンアスパラガスと、アンディーブとグリーンクレープトマトのサラダ、インカの目覚めのポムピューレです。


ビール煮込みですのでビールはもちろん辛口の白ワインにも合いそうです。




※すみません。売り切れました。事後報告でごめんなさい。













こちらは試作です・・・。


スペイン産うさぎ背肉の詰め物なのですが、


2皿あるのはタモギタケ、タプナード、フォアグラを詰めたものとタモギタケとタプナードのみのもの、


2パターン試作したことによります。


ちなみにソースはヴェルモット、ガルニチュールはレンズ豆の煮込みです。


皆で試食し、採用になったのは、フォアグラ入りの方です。


ずっと定番でウサギモモ肉の詰め物をご用意しておりましたが、


モモ肉と比べると背肉は、よりしっとりとキメ細かく、上品な味わいです。


しっかりと味わいの濃いタモギタケと、更にフォアグラが加わることによりリッチな味わいに。


春の肉料理として、試作の段階から、既に非常に完成度の高い仕上がりになっていると思います。


こちらには是非とも辛口の白ワインを合わせて頂きたいです。




数日前よりメニュー入りしておりますので、是非宜しくお願いします。






そして、ワインも春らしい新作が多数入荷しております。


一先ず現段階で入荷しているものが以下のラインナップです。













Mr.Paul


フランス・ガスコーニュ地方のワインです。


ガスコーニュ地方は、ボルドー以南からスペイン国境ピレネー山脈までのエリアです。


マイナー産地のイメージがありますが、ボルドーよりもワイン造りの歴史は長く、有機農法を実践し易いエリアです。




白はフレンチコロンバールとグロマンサンのブレンドで、


白い花や生き生きとした果実の香り、フレッシュな酸味が持ち味です。




赤はメルロとタナのブレンドで、


イチゴなどのチャーミングな果実の香り、滑らかな口当たりで白同様フレッシュなタイプです。




価格もお手頃なので、ハウスワイン的な位置付けでお出ししていこうと考えているワインです。






Philippe&Sylvain Ravier Vin de Savoie Abymes


珍しいサヴォワ地区のワインです。


サヴォワはスイスとの国境、アルプス山脈麓のエリアです。


これまたマイナーな産地ですが、綺麗で特徴ある白ワインが豊富で、


私は非常に好きなエリアです。


食文化もチーズフォンデュがあったりと、どちらかというとスイス寄りです。


100%地品種のジャケールを使用しています。


畑は石灰岩、小石の混じる土壌で、豊富なミネラル感と爽やかな酸味が特徴です。


シュール リー(オリとともに熟成させる)製法なので、同様の作り方をするロワールのミュスカデに近いイメージですが、ロワールのミュスカデよりも酸が豊富です。


また、酸ばかり目立つのではなく、余韻に蜜のようなふくよかさを感じるのが面白いところ。


特に女性に好んで頂けるワインなのでは・・・と思います。






Domaine Grand Roche Saint Bris


こちらも珍しいアペラシオン「サンブリ」です。


ブルゴーニュで唯一ソーヴィニヨンブラン種の生産が認められています。


ブルゴーニュ地方北部、シャブリにほど近い場所に位置します。


位置的にはブルゴーニュ中心地よりも、ロワールのサンセールに近いようで、70年ほど前に試験的に苗木を持ち込み栽培してみたところ、非常に出来が良かったそうで、ピノノワールを引き抜いて転作を行い、少しずつ生産者が増えていったようです。


サンブリには現在25件の生産者が居ますが、こちらのドメーヌは一代で築かれた中規模生産者です。


ビオ表記はありませんが、有機肥料を使用、樹の状態次第で農薬を使用する場合もあるそうなので、リュットレゾネ(減農薬農法)だと思います。


ソーヴィニヨンブラン種の綺麗な果実感と芳香を引き出すよう、発酵期間を長めに取っています。


青々としたソーヴィニヨンブラン種特有の香りはどちらかというと穏やかながら品良く存在し、グレープフルーツなどの果実の香りとバランス良く共存しています。


味わいも酸とミネラルを基調とした味わい深い辛口で、非常に美味しいワインです。


ソーヴィニヨンブラン好きな方でも意外にトライしていないこのアペラシオン。


この機会に是非飲まれてみてください。








Maison des Princes


こちらはロワールのソーヴィニヨンブラン100%です。


エリアの説明は不要と言って良いほどメジャーなエリアですね。


春になると、1本は新しいものを入れたくなります。


上のサンブリよりも、多くの方がイメージするソーヴィニヨンブランはこちらだと思います。


青々茂る芝のような新鮮な香りが魅力的で、味わいも割とハッキリとした辛口です。


サンブリよりもお手頃な価格ですので、「飲んだことないけど、挑戦してみようかな。」という方にもトライしやすい1本です。








Henry Fessy Coteau du Lyonnais


またまたマイナーアペラシオンです。


コトーデュリヨネ。品種はガメイ100%です。


コトーデュリヨネは美食の都、リヨン近郊のガメイ主体で作られているアペラシオンです。


某ビストロに感化され、仕入れました。笑


ガメイはボージョレヌーヴォーのイメージが強く、薄い軟弱なワインだとお思いの方が多いのですが、


実は力強い品種だと私は勝手に思っています。


力強いと言っても、カベルネソーヴィニヨン種のようなタンニンの強い力強さではありません。


きちんと手をかけて栽培されたブドウは、フレッシュながらもブドウを丸かじりしているような味わいの濃さがあります。


このワインはそいれで居て本当に素朴。価格もお手頃なので、ガメイ普及大使として、色々な方に勧めてみようと思っています。






Terrs D'Ardoise Grolleau,VDF


マイナーシリーズはここで最後です。笑


ロワール地方の生産者名「テール・ダルドワーズ」はスレート土壌という意味を持ちます。


この生産者の持つ土壌は粘板岩から成るスレート土壌で、ミネラル感に裏打ちされた味わい深さがワインに現れます。


品種はグロロ100%


VDF(Vin de Franceの略)表記なので、フランス広域で生産されたブドウを使用することが認められているのですが、グロロは確かロワールでしか作られていなかったような気がするので、ロワール産ワインと思って問題無いと思うのですが・・・、今度詳しく調べておきます。


詳しい方、もし良かったら教えてください。


このワインはシェフのお気に入りで、赤果実やグミのようなチャーミングな香りに上述したミネラル感。


大らかで陽気ささえ感じるワインです。












jean claude mas vinus Pinot Noir


こちらはメジャーな生産者でメジャーな産地でメジャーな品種です。


ラングドックの大手生産者で、品種はピノノワール100%です。


ブルゴーニュ地方の美味しいピノノワールは全体的に価格が張るので、


手頃に楽しめるピノノワール探しは、オープン当初からの課題でありましたが、なかなか見つからず、


イタリア産のピノノワールを長く使っていました。


しかしようやく試飲会にて、フランス産でお手頃なピノノワールを見つけました。


樽を効かせた造りで、ややはっきりとした香りと味わい。


複雑で繊細な・・・というよりかは、誰もが美味しく楽しめる、というような造りです。






Lou Dumon Lea selecttion Bourgogne rouge 1990


ラストはこちらです。


上のピノノワールが気軽に楽しめるフレンドリータイプだとすると、こちらは真逆のタイプと言って良いかもしれません。


仲田晃司氏が立ちあげたネゴシアン(外部から購入したブドウからワイン造りを行う造り手)です。


エチケットに大きく描かれている「天地人」は「日本人であるということ」、「自然と人間に対する真摯な尊敬の念」の象徴とされています。


Bourgogne Rougeというブルゴーニュワインの中では最も広域のアペラシオンです。




1本のワインを語る際、赤ワインの場合は「早飲みタイプ」もしくは「長期熟成タイプ」に大別されます。


ブルゴーニュルージュクラスのワインは、基本的には「早飲みタイプ」が多いなか、


こちらのワインは24年の熟成を経て、今まさに最後の飲み頃なのでは・・・と推測しています。




Langue de chatはビストロという形態ですので、このヴィンテージを扱うことはほぼ無いのですが、


たまたま試飲会でこのワインに出会い、ブルゴーニュルージュのポテンシャルの高さにシェフ共々感動し、入荷に至りました。


抜栓して10分ほどで、全開の華やかなベリー系の香り、熟成したブルゴーニュワインならではの革や紅茶やクローブの香りに包まれます。


抜栓直後にはやや味わいに硬さを感じますがそれも香りが開く頃にはすんなりと過ぎ去っています。


ですので食前酒をお召し上がり頂いている間に抜栓をお申し付け頂ければ、ベストなタイミングで召し上がって頂けるかな、と思います。




お好みやお考えは分かれるかもしれませんが、是非飲んで頂き、ご意見をお聞きしてみたいと思うワインです。






長々とお書きしました。


本日はこの辺りで止めさせて頂きます。




良い1週間をお過ごしくださいませ。






ソムリエールY・Y