こんばんは。
本日は、新作のテリーヌをご紹介します。
Langue de chatでは、今まで、
媛っ子地鶏
ホロホロ鳥
パテ・ド・カンパーニュ
鹿
フロマージュ・ド・テット
猪
ブーダン・ア・ラ・カンパーニュ テリーヌ仕立て
と、様々な肉のテリーヌを作って参りましたが、第8弾となりますのは、
フランス産バルバリー鴨のテリーヌです。
鴨のテリーヌ製作を、先月前から考えていたシェフ。
レシピを構築、材料を集め、製作となりました。
材料となるフランス産バルバリー鴨について、少し書かせて頂きます。
まず、フランス産の鴨は、
カナール・ソバージュ(野鴨)と、
カナール・ドメスティック(飼育鴨)の、大きく2種に分かれます。
カナール・ソバージュには、
コルヴェール(青首鴨)や、サルセル・ディヴェール(小鴨)があり、
ジビエシーズンになると、狩猟・食されます。
カナール・ドメスティックには、
有名なシャラン鴨を始め、カナール・ルアネ(ルーアン産鴨)、
カナール・クロワゼ、ミュラール種、そしてバルバリー種が挙げられます。
中でもバルバリー種は、鴨の中で、最も大型で、脂肪分が少なく、肉付きが良い種です。
そして、フランス産鴨の中では、最もポピュラーな鴨種です。
胸肉とモモ肉は、日本でも広く流通しているのですが、
今回のテリーヌ製作に必要不可欠である、内臓類は、なかなか地元で探すのが難しく、
探した末、わざわざ青森県から取り寄せる形となりました・・・。
地元の2業者から、バルバリー鴨胸肉、カネット(バルバリー種メス)モモ肉、
バルバリー手羽元を仕入れました。
この胸、モモ、手羽をデネルヴェ(掃除)し、メランジェしたものを、ミンチにして、テリーヌのベースとします。
内臓類の一部は、お酒と共にピューレにし、ベースに混ぜ込み、
残りは、アンチエ(塊)のまま、アセゾネ(塩・コショウ)して、ソテー、ポルト酒でフランべしたものを、
ベースに混ぜ込みます。
その他、フォアグラ、香辛料、数種類の酒をマリネ、もしくは混ぜ込み、
全てをあわせた物を火入れします。
その他、細かい作業もあるのですが、簡略します。
そして、大事な火入れの役割は、スーシェフKさんが担います。
スーシェフKさんのテリーヌの火入れは、真空調理にも勝る、見事で、完璧な火入れなのです。
毎週、毎週テリーヌを3本~4本、火入れしているKさんのテクは、人間業を超えています!!
Kさんは、この鴨のテリーヌの火入れの際も、金串を下唇に当てながら、
微妙な温度差を感じ取り、火入れを調節していました。
横からシェフが、「これ、もう大丈夫だろ?」と言いますが、
「あと、3分だけ、入れさせてください!!」と、
「あぁん?」と言うシェフを横目に、火入れを行うのでした。
そして、焼きあがった鴨のテリーヌ、熟成2日目です。
見事な断面図です・・・!
アクセントの青胡椒が、美しい断面を作っています。
もちろん火入れは完璧です。
いざ!皆で試食です。
ほぼ同時に皆が口に放り込み、しばらく沈黙が続きます。
シェフ、スーシェフKさん、ワイン担当Y・Y、アルバイトNくん、4人が目を合わせます。
シェフが、「いいね!コレ!」と言った後に、他の3人が、笑顔で「おいしい!」と、ほぼ同時発言。
熟成3日目、明日より、メニューにオンリストです。
是非、お召し上がりください♪
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以前にも、ブログでお伝えしたことがあるのですが、
半年ほど前に、Langue de chatのコンセプトが変わりました。
以前からブログをご覧頂いているお客様の中には、
Langue de chatの料理が、少しずつ変化していることにお気づきの方もいらっしゃるかと思います。
猪・鹿・鴨などのジビエ料理や、自家製生ハム製作などのシャルキュトリーや、
豚血料理といった、ビストロの定番料理を追求するスタイルへ、変化して参りました。
オープン当初のメニューと比べると、かなり雰囲気が変わっているため、
以前のイメージでご来店された場合、良い意味でも悪い意味でも、「あれ!?」と感じられることがあるかもしれません。
円安の影響や、使用食材の変化に伴い、平均的にお料理の価格は上がっています。
その中でも、できるだけ、価格を抑えた形でご提供できるよう、努力しております。
松山で受け入れられがたい、料理分野であるかもしれませんが、
徐々に、お客様にご理解頂き、喜びを提供できるよう、日々の営業にて、邁進していきます。
ちなみに、ランチに関しては、シェフ曰く、
「Langue de chatのオッサンシェフは、松山のオバサマのアイドルでいたいから、コンセプトは変えねえ!」
とのことで、相変わらずオバサマ方で賑わう、Langue de chatのランチタイムです。
今後とも、Langue de chatを宜しくお願いいたします。
ワイン担当Y・Y


