流れる景色の中でキャサリンは、
 マイバッハのステアリングを握るスピード・キングと目が合った時
 ニッコリ笑みを飛ばし
 キングもしかめ笑顔を返す。


 ゆっくりとした流れの中で方向を転換する間
 キャサリンはギヤをニュートラルに入れ
 アクセルを吹かしあげ
 エンジンの回転数をトルクバンドまで引き上げ
 後方より迫り来るアパッチ戦闘ヘリに
 フロントマスクが向き合わせた瞬間、


 ギヤを繋いでヴァイロンを一気に加速させていく。


 フロントガラスから突き出た
 マシンガンが目に飛び込んだ
 アパッチヘリの操縦者は、
 その加速して向かってくるヴァイロンに

 ヘリコクピット下に武装したM230 30mm自動式機関砲を照準せんが為に
 必死で操縦桿を操作する。


 時速300kmを超える猛スピードで突っ込んでくる標的を
 戦闘ヘリのそれが容易に捉えられる訳もなく
 あっという間にヴァイロンは、アパッチの下を駆け抜けていった。

 

 そのヴァイロンの姿を追うように
 機首を旋回させ
 逃げさる獲物に照準を合わようとした時、


 ヴァイロンがサイドブレーキでターンして止まった。

 

 キャサリンがヘリのパイロットに向かってニッコリ微笑んで投げキッスを送ると
 パイロットの身に衝撃が走った。


 ヘリの後部で爆発が起き
 機体は完全に操作不能に陥った。


 パイロットは何が自身の機体に起きたのか知る間もなく
 緊急脱出するしか術はなかった。


 脱出レバーを引き、上空に舞い上がったパイロットは、そこで初めて事態の成り行きを悟りえた。


 前方を走っていたハマーのFORDのルーフにBMW R1200C モントークが乗っかり、両足を開いてシートから立ち上がり銃を構えたマックスの姿がそこにあった。




116

 マックスは、スピンターンで後ろ向きで突っ込んで来るマイバッハをジャンプ台にして、その後ろを走っていたハマーのFORDのルーフに飛び乗っていた。


 左手で支えるフォアブリップも
 右手で握っている独特の形状をしたグリップも
 真っ黒のそれは、
 ライフルスコープが取り付けられライフル射撃のように
 両腕で狙い撃つスタイルの
 リボルト・カイザー、マックス・デニーロモデル。


 立てにダブルで並んだステンレスバレルの下段バレルから撃ち出されたロケットランチャーがアパッチの交尾を破壊していた。


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このストーリーは個人の趣味レベルで創作を楽しんでおります。
ストーリーはフィクションであり実在する国家・団体・企業・作品・HP・個人・アーティスト等とは一切関係ありません。