ミサイルを発射した2機のファイティング・ファルコンは上空に舞い上がり、大きく旋回して再び攻撃体制に移ろうとしていたが、パイロットに管制塔から支持が促された。
「何の為にFBIに根回して一般車両を取り払ってもらっていると思うんだ?
市民を被害に巻き込むとあとあと厄介な事になる。ミサイルは撃つな!」
「了解!」
ビルにミサイルを撃ち込んだパイロットが、気まずそうに呟やいた。
(仕方ない、機関砲で始末するか・・・)
もう一方の敵、アパッチ戦闘ヘリはハマーの車の後方2kmまで迫っていた。
敵の動きを監視しているデェイ・ジーが無線を飛ばす。
「あと少しでアパッチのM230 30mm自動式機関砲の有効射距離に入ぜぇ~」
「・・・にしても、何でヴァイロンとモントークがこっちに突っ込んでくるんだ?」
不思議顔でデェイ・ジーがハマーに無線で問いかけた。本来このハマーの車の今デェイ・ジーがスタンバってる指令室の席は、クレージー・ドッグの指定席である。しかし、今日は訓練も兼ねてデェイ・ジーがその役を任されている訳で、デェイ・ジーは、マックスやキャサリンの戦いっぷりを知らない。
「まぁ、見てな。お前の先輩達の腕前をな」
ハマーが笑顔で返答した。
マックスやキャサリン、ロンもそうだが、Justiceの特殊部隊あがりのツワモノ達は、その場の状況から即興的に独創性に飛んだ変幻自在のプレイを生み出す。そういったプレイが出来なものはJusticeの特殊部隊では容易には生き残れない。個々人の持つ戦闘能力、それを極限まで鍛え上げるのがJusticeに於ける特殊部隊の役割でもある。
前方からバックで突っ込んでくるキャサリンのヴァイロンと、向きを変えて一緒に突っ込んで来るマックスのモントーク。
運転する二人の顔がニッコリ微笑んでアイ・コンタクトを交わす。
2台が突っ込む先にはスピード・キングがハンドルを握るアドバンのマイバッハが突き進んでくる。
マックスのモントークが
一瞬減速した次の瞬間、
すれ違う形で
横に並んだヴァイロンとマイバッハが
タイヤを唸らせ2台同時にスピンターンした。
2台のモンスターマシンのダブル・スピンターン。
明るい華やかな色彩のヴァイロン
と
不気味な程に逞しいブラックボディーのマイバッハ
。
まるで男女のスケーターが氷上で
華麗にツインスピンを演じているように見えた。
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このストーリーは個人の趣味レベルで創作を楽しんでおります。
ストーリーはフィクションであり実在する国家・団体・企業・作品・HP・個人・アーティスト等とは一切関係ありません。