Broadwayを突き進むJustice車両の後方に、数台の武装した車の隊列が姿を現した。ローリングしながら先頭を走っていたマックスのバックミラーにも、その後方に迫り来る敵の存在がはっきりと写った。


 マックスがアクセル・ターンで車体の向きを変えようとしたが・・・


 最後尾を張っていたキャサリンのヴェイロンが白煙をあげて既に突撃体制に入っていた。


 逸早く後方に迫り来る敵の存在を認識していたキャサリンは、助手席足元に忍ばせていたマシンガン Bison GAU-7 (Type 2)を右手で拾い上げ銃口をヴェイロンのフロントガラスに突き当て、突き払われたフロントガラス の一部から、Bison GAU-7の長い銃口が、思いっきり外に向かって突き出す。


ヴェイロンがタイヤを唸らせ

真っ白なスモークを巻き上げ
勢いを落とすことなく車体を反転し
後ろの敵にその雄姿を拝ませ
バック進する。


後方の敵が慌てて銃器を構えた時、


左手でハンドルを保持し

バック状態で車を走らせながら
ダッシュボードのメーター横に

ワンタッチで固定されたGAU-7のストックを
右肩に当てて・・・


トリガーに添えた一指し指が
爆風の嵐を引き起こす。



突如反転し
フロントガラス越しに突きつけられたマシンガンに
慌てふためいて乱射した弾丸と
狙い済まして撃ち出される弾丸の
射的の差は歴然で


車体を掠めていく弾丸の濁流の中から
逆流するように飛び出してくるGAU-7の弾丸は
後方車両の駆動部を鋭く撃ち砕き
操縦を失った車両は
次から次へと激突を招き

耳障りなノイズをあげ

路面にスモークを巻き上げて
無慚な残骸と化す。



But some stupid with a flare gun   Burned the place to the ground

どっかのドアホウが銃を撃って     あたりは火の海さ


Smoke on the water, fire in the sky   Smoke on the water
湖上の煙 燃え上がるファイヤー     湖上の煙



 「そこでおとなしく指でもしゃぶってなさい^^」


 キャサリンはニッコリと微笑むと再び白煙を巻き上げながらヴェイロンを前進状態に反転させ、無線でマックスに告げた。


 「後ろは気にしなくていいわよ」


 女王様は手強いんだぞ^^


 マックスはニヤケ顔でそう呟き、何事もなかったかのようにBroadwayを突き進む。


Smoke on the water


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このストーリーは個人の趣味レベルで創作を楽しんでおります。
ストーリーはフィクションであり実在する国家・団体・企業・作品・HP・個人・アーティスト等とは一切関係ありません。