先頭を走るマックス・デニーロは黒のジェットヘルに、Barracudaの刺繍が入った革ジャン、鈍く光沢を発するタイトな革パンの黒一色で身を染め上げ、モントーク1200 を意気に転がしていた。


 ジェットヘルに埋め込まれたヘッドフォンから後ろを走るスピード・キングの声が飛び込んできた。


 「やけに警察が多くないか?」


 マックスは周りを見渡しハンズフリーマイクで答えた。


 「のようだな。10m先にも白バイが待機してるぜ」


 と、その時


 待機していた白バイがけたたましいサイレンと共に走り出した。後方からも数台の白バイが一斉に追い上げてくる。


 「何のまねだろね」


 マックスは余裕声でキングに無線で話しかけた。


 すると、


 後方から追い上げて来た白バイの隊列は、Justice車両を抜き去り前方車両を悉くBroadwayから排除しにかかった。付近に間隔を置いて待機していた相当数の警察官が慌しく動きはじめ、通行車両、歩行者をBroadwayから一斉に排除する交通整理を行い始めた。あっという間に20kmに渡る道路区間から、車と人の往来が消えた。


 「タンバー長官、交通整理は完了しました!」


 付近に待機していたFBI長官、タンバーの車の車載無線が伝達した。


 「悪く思うな、上層部には逆らえん・・・」


 タンバーは、そう独り言を呟いて無線に出た。


 スピード・キングの後ろからは、グランド・ハマーが運転するFORD-F650が今日は別バージョン で付いてくる。


 その馬鹿でかいハマーの車の2列目セカンド・シートにワイマール博士が落ち着きの無い素振りで座っている。3列目以降は、リヤハッチゲートまで1つの大きな部屋に成っており、そこには様々な機材が備え付けられていて、まるで走るコンピュータ・ルームの様でもある。そこで複数のモニターを集中管理している、コンバット・デェイ・ジーが先ほどのタンバーへの無線を傍受していた。


 「タンバーのおやじが、何か企んでいやがるぜぇ~~」


 隊列を組むそれぞれのJusticeメンバーに無線で知らせた。

 ブガッティ・ヴェイロン のハンドルを握って最後尾を張るのはキャサリン・ローズ。


 「どっからでも掛かってらっしゃい」


 ヴェイロンの助手席足元には、黒光りする相棒が身を潜めている。



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このストーリーは個人の趣味レベルで創作を楽しんでおります。
ストーリーはフィクションであり実在する国家・団体・企業・作品・HP・個人・アーティスト等とは一切関係ありません。