Ben E. King の Stand By Me のリズムに流されて
音もなく水面を滑るように進むカヌー。
川の流れは自由気まま。
そんな川の流れのラインを読みながら
そよ風と相談しながら進んでいく。
静かに湿原の中を進んでいくと
愉快な湿原の生き物たちが
踊りながら挨拶を交わしてくる。
地上とはまるで別世界。
見るもの聞くもの感じるもの
すべての感動に包まれて
小さなカヌーは体の一部となって進んでいく。
アメリカ合衆国中央部の10の州を通って流れるアメリカで一番長い川、ミシシッピ。
「マリー、ここらでコーヒータイムとしよう」
その10の州の中に、観光で栄える緑豊かな土地、ミズーリ州がある。
「そうね。でもおじさんは、コーヒーじゃなくてビールでしょ^^」
マリー・ガーランドは、ミズーリ州最大の州立大学、ミズーリ大学コロンビア校(UMC)に通う学生で、大学の寮で生活を通っている。今、大学はサマー・バケーションで、今日はグランド・ハマー と二人で水面のお散歩中。マリーには沢山の優しくて逞しいおじさんがいる。ハマーもその中の一人で、ケイクの次に一番遊んでくれたツルツル頭の黒い肌のおじさん。歳はケイクよりも若干若い。
彼女は3歳の時にテロ事件によって孤児となってしまったが、ケイクに引き取られ、一杯の楽しいおじさん達に囲まれて、今ではその不幸な過去を全く感じさせない元気一杯の明るい女性へと成長している。
このマリーが20年後に、女性として初めてのアメリカ大統領に就任する、など今は知り得る者は無い。そう、彼女自身も、、、。
ただ彼女は、
今を誰よりも真剣に一生懸命生きている。
そして、彼女は知る。
真の人間らしさ、真の優しさ、真の男らしさ、
そして、真の正義が何たるかを。
それを彼女に教えてくれたのが、彼女を取り巻くおじさん達であり、それを知りえた彼女だからこそ、彼女は自身の人生に、大きな大きな意味を見出し、そして今だ嘗て誰もなし得なかった、銃社会アメリカから「一般市民の銃所有撤廃」という大偉業を2027年4月2日に成し遂げる。
マリー・ガーランド、21歳。