芸大受験を目指して先生について木炭デッサンを習っていた私だったが、私は画家になる気は無かった。実は中学校の美術の先生になりたかったのである。中学のあの美術の先生が実は凄く個性的な方で授業中、美術とはまるっきし関係の無い話を良く熱弁してくれた。
中学生という時期は、子供が精神的に大きく成長変化していく時期で、私自身この時期に色んな事を多く学んだ気がする。だからこそ、私も教師という立場で子供達と深く関わりあっていきたと思っていた。しかし、ある日父親がある事が気になって教員採用試験の内容を調べ私に告げた。
君には問題点があると
実は、私は片目が生まれつき強度の弱視でどんなに度の強いレンズで強制しても全く強制が効かないのである。その為生まれて今日まで片目だけでしか視界が捉えきれない。それはどういう事かというと遠近感が全く分からないのである。おまけに色弱まで入ってて微妙な黄色と緑の識別が付かない。それは美術科の教師にとっては致命傷のようなもので、教員採用試験の段階で振り落とされてしまうと。
それを聞かされた時、多少のショックはあったものの、もう勉強しなくてすむと思えば少し気が楽になったようでもあった。それに私にはそれが駄目なら他に進みたい道もあった。それは
ストリート・チューニングの世界