保腎養腎8 | 微照堂のブログ

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あんま、マッサージ、指圧、鍼、灸の技術を中心とし、さらに幅広く医療、健康、介護の問題まで私見を語ります。

 水分、塩分、たんぱく質の摂取については色々懸案がありました。未解決の点は継続調査して行きましょう。

 次はいくつかのややマイナーな問題を調べましょう。食事内容に関し、「脂肪は控えめにする」と言われたりまた「野菜を多めに摂る」と言われたりしますが、これらはどうなんでしょうか。食事については、元気なうちはバランス良く食べる、と当たり前のことが言われています。全く異論ありませんが、それは食生活の一般論であり、食事のバランスを欠くと即腎臓を害するということではないと思いますので、ことさら腎臓と絡めて語られることには少々抵抗感があります。

 その上でまず脂肪です。脂肪を過剰に食べれば血中脂質が上がりいずれ動脈硬化を起こします。動脈硬化が起これば血管の塊である腎臓は大きな被害を受けることでしょう。腎臓に限らず、動脈硬化は全身に悪影響を与えますから、「脂肪を控える」は健康のための一般論と言っていいでしょう。ただし一定量の脂肪は必要ですし、不飽和脂肪酸の比率を考慮する必要もあります(拙稿「脂質栄養」参照)。ところで脂肪は糸球体濾過されるんでしょうか、脂肪尿という言葉は聞かないので通らないんでしょうかね。

 次に野菜ですが、腎臓にとって野菜を多く摂る理由はよくわかりません。一般論として野菜は体にいいと言われますが、野菜の健康イメージが独り歩きして摂取推奨になっていないでしょうか。野菜の主成分は食物繊維であり、これは直接には腎臓に無関係です。関係するのはビタミンとミネラルだと思いますが、野菜に含まれる程度の量ではあまり大きな効果は出せないように感じます。一方野菜にはカリウムが比較的多く含まれ、腎臓が弱ってくると問題となる可能性があります。

 カリウム以外にもカルシウムはどうなんだ?リン(リン酸)はどうなんだ?と、次々気になりますね。これらはNa+と同様に糸球体で濾過され尿細管で再吸収されるもので(「標準生理学・第5版」2000年)、腎臓が正常であれば問題ないものです。濾過が悪くなってくるとホメオスタシスが害され、これらの成分が蓄積して問題を発生してくると考えます。