naobisの建築デザインブログ -3ページ目

Low Carbon Life-design Award2009

Design Association(NPO)と環境省で開催されたアワードの表彰式&シンポジウムに行って来た。

DA会長の浅葉克己さんによれば、「鳩山首相が2020年までにCO2を25%減らすと言っちゃった!」から、デザイナーはそれに向けて、デザインの宿題として取り組まなければならない。デザインの宿題がまた増えました、とのこと。同審査員の、国立環境研究センターの藤野純一さんは、実は鳩山首相はオバマ大統領に対して2050年までに80%減らします、とも言ってます、そのための10年後の25%削減なんですよ、なんていうエピソードもお話しされていた。

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現在、日本国内で家庭に於けるCO2排出は、全体の約14%ほどだそうだ。大して占めていない気もするが、問題は1990年頃から比べると40%も排出量が増えていること。

家庭では消費エネルギーが給湯や冷暖房、家電がかなりの割合で占めているようで、ガス、石油、電気とも消費量は増えているのだが、中でも電気の消費量がぐーんと増えている。90年代後半頃から一般家庭に普及し始めたパソコンや、大型テレビの影響だろうと思う。以外に多いのが待機電力で、ウォーム便座の待機電力がばかにならないようだ。(→こまめに蓋を閉めればかなり電力節約!)エアコンに使う電力も大きい。

これらのエネルギー、特に冷暖房に関わる部分については、今後新築される建物も、中古リノベーションでも、壁の中の性能を十分に上げて冷暖房効率を良くする努力が必要だ。今日のアワードでは単純に間取りを変えるだけでもエネルギー消費が抑えられた実績が準グランプリとなって証明されていた。冷暖房を使用する部屋を家の中心に持って来た上で、部屋の仕切り上部を欄間でつないだのである。ただそれだけではエネルギー消費が上がってしまうが、ここでは窓ガラスをペアガラスに交換し、外壁周りに本棚を作り付けて断熱効果を上げていた。

壁の断熱は、性能としては外断熱が一番だが、リノベーションで特にマンションの個別の改修だとそうもいかないので、内断熱で対処することになる。内断熱は、結露の中でも特に怖い壁内結露が発生しやすいが、最近はこれをカバーできる方法もいくつかある。

壁の性能を上げる目的は、なんと言っても空調にかかるランニングコストを下げて、家全体に暖かさ、涼しさが行き渡るようににし、寒さや暑さが溜まる部屋を作らないことだ。寒い部屋は着込んで我慢すれば良い!という人もいそうだが、問題はそこでカビが発生しやすいことである。人間の体や台所、浴室などから発生する水蒸気はその家の寒い部屋へ流れ、冷たい壁や窓にくっついて結露となる。壁の中にしっかり湿気対策ができていないと、湿気は壁の中にも入り込んで、外壁のとてもとても冷たいところにぶつかり、壁の中で結露が起こる。これは見えないからとても怖い。

というわけで、大昔のすきま風びゅんびゅんの家でも囲炉裏で暖をとるぐらいで、十分暖かい!という我慢強く、鍛えられた体の持ち主でない場合には、家の中に寒い部屋を作らないことが、健康の面からも、家を長生きさせる点からも重要だ。寒いトイレがなくなれば、ウォーム便座もいらなくなるのだから。

ヨーロッパクラシックスタイル片田舎風

本厚木に12月からオープンする女性限定エステサロンの店舗デザインをさせていただいた。住宅と違い、かなり作り込んだデザインになった。モールディング(幅木や廻り縁、家具に使われる装飾用パーツ)を使った物件としては3件目である。

普段のbis designとはかなり違うスタイルだが、この物件で、慣れないスタイルでも、設計を行う時の私の基本は同じなのだということを認識できた。

→ 経年変化を楽しめること

経年変化を楽しむためには、本物の材料を使うことが大前提。~風、~模様のハリボテ建材は決して経年変化は楽しめない。本物の材料であれば、多少傷が付こうが汚れようが、良い方向に風化してくれる。今の日本では、残念ながら、傷は許さない、ゆがみは許さない、仕上がりにムラがあったら許さない、など、均一なきれいさを求められるあまり、初めはぴっちりきれいなハリボテ建材が横行しているのだが、古くなった時の表情の良さ、メンテナンスにより更に表情をつける楽しさを使い手に味わってもらいたくて、本物の材料をできるかぎり使うようにしている。

→ 「引く」デザインをすること

ヨーロッパのデザインの考え方は往来は「足す」デザインで、色々な要素を足して行きながら調和をつける。一方日本では古くから「引く」ことで、本来の美しさを導きだす習慣がある。私は日本人なので(?)引くデザインの方に共感するし、自分にとって心地が良い。というわけで、ヨーロッパ風の空間を求められたものの、限られた「日本」サイズの空間の魅力をどうすれば最大限に引き出せるのか、けっこう考えた。これも店舗とは言え、既存建築物のリノベーション。紙の上で描いたものが形になり、既に存在するものを無理なく生かすことができ、オーナーの喜ぶ顔を見ることが何より嬉しい。

完成前の写真だが、いくつか・・・

光廊下

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レセプション

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築35年マンション

先日、築約35年マンションのリノベーションを少し前に終えた。中古マンションの仲介、デザイン、工事を一手に行っている会社との共同設計物件だ。かなり古いが立地抜群の物件。大きなテラスがL字型になっている。最上階なので空も抜けて気持がよい。

リノベーションは毎回良くも悪くも驚きが多いのだけれど、この物件も例に漏れなかった。床下にガラがたくさん詰まっていたり、レンジフードに鳩が住んでいたり、作り付食器棚の扉が全て無垢の木材なのに感激したり。古い設備や壁を壊しながら、そこかしこに、建物が誕生した頃の「カルチャー」を発見できる。

工事前は相当な物件だったので、施主の審美眼?には驚くばかり。たいていの人は、あの状態を見たら引いてしまうはず。オーナー曰く、大きなテラスに魅せられて、購入を決めました、とのことだったが、リノベーション後はもちろん、そのテラスを、またその雰囲気をも十分に満喫できる、気持の良い空間になった。

照明は、やはりオーナーのこだわりで、基本的には全て間接ライティング。ここまで徹底的に間接照明のみの住居を設計したのは初めてだったのだが、出来上がってみて、いかにそれが落ち着くものか、また、住居としてであれば、明るさも十分であることを再認識した。

中古マンションや中古戸建の改修は、開けてびっくり、ということが多い。購入前には構造体やメンテナンス状況などのチェックが必要だ。その上で更に、改修費用をびっくり事項に備えて余裕を持って用意しておく。びっくり事項が幸いにしてなければ、その分を仕上のグレードアップに利用したり、家具の購入にまわしたりすれば良い。

リフォーム済の中古物件は、既にできているものを購入するのでびっくりしないし、価格も事前に見えているから安心な気がする。でも別の見方をすれば、表面をきれいにカバーしてしまったことで、建物の本来のコンディションが化粧されて見えなくなり、リフォーム工事代金も見えなくなっているのだから、割が良いか悪いかを考えると、悪いのではないか、と想像できる。

というわけで、このお化け屋敷のようだった物件に隠された魅力を見いだし、見事に変身させたオーナーに拍手喝采を送りたい。

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テラス側から部屋側をみたところ。写真には写っていないが、左に開口がもうひとつあって、トイレの入り口になっている。リビングへワンステップ入れるために、目隠しとして設けた壁がギャラリーにもなる、ポイントの壁。
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この床は、ラワン合板(ベニヤ)にオイル塗装したもの。いずれ床材を貼りたいとのことだが、しばらくは十分雰囲気のあるこの床で。

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キッチンダイニングの天井照明。この家ではどこもかしこも間接照明。