一般に参拝者はお賽銭箱の置いてある「拝殿」の前で祈る事が多いと存じますが、その拝殿の形式には、縦拝殿・横拝殿・割拝殿などがあります。
縦拝殿
妻入りで、縦長の建物。本殿への通路的な役割を果たしている。
本殿と一体となった構造を成すものも多い。
その場合は神饌を供える幣殿としての機能も果たしているので、幣殿と拝殿が同一の場合もある。
例)尾張大國霊神社(愛知県) 拝殿
横拝殿
平入りで、横長の建物。本殿と平行して並ぶ。
拝殿内で着席した人々が、そのまま本殿の方を向く形になるため、数多くある。
例)宇治上神社(京都府) 拝殿
この他に珍しい拝殿としては…
割拝殿
横拝殿の中央が土間で馬道(ばどう)と呼ばれる通路になっており前後に通り抜けられる。
例)櫻井神社(大阪府堺市)割拝殿は鎌倉時代に造営されたもので国宝
切妻造で瓦葺、祭礼時には通路の両脇にある、しとみ戸と言う建具の格子戸を降ろして床に出来る。
楼門拝殿
二階建ての楼門(ろうもん)拝殿。楼拝殿造
例)今八幡宮(山口県山口市)
大國魂神社の拝殿は
それから、東京の府中にある大國魂神社の由緒や御祭神・境内案内などが載っているパンフレットの表紙には拝殿が写っていますが、この拝殿は「切妻造」だそうです。
しかし屋根というか、ひさしが湾曲した感じで真ん中に出てますよね。
どうやら、これが千鳥破風(ちどりはふ)というようです。銅板葺素木とも記してありました。
こちらは横拝殿になるかな。境内配置図を見ると本殿と平行して並んでいるので。