貴船信仰/雨乞い、夫婦仲直り、縁結び | 心の鏡

心の鏡

天の霊妙不可思議な法則、神道について書いているブログ。心の鏡とは内在神を表し、神社のおみくじの神の教に「神様の御光が我が心の鏡に映るその時、凡ての心の曇り、心の闇は晴れゆきて、広き明き御恵みを授かる事が叶う」とあったところから命名しました。

 

貴船信仰

京都の北の貴船神社を本社とする貴船信仰の主祭神は高龗神(たかおかみのかみ)

貴船神社は「貴布禰神社」「貴布祢神社」「木船神社」とも書きます。

また黄色い船=黄船の伝承もあり「黄舟神社」とか、御祭神の名から「意賀美(おかみ)神社」「雄神(おかみ)神社」などもあります。

 

主祭神の高龗神は水を司る神様で雨を降らせたり止ませたりします。

日本神話のどの辺で登場したかというと、日本書紀によると、伊弉冉尊(いざなみのみこと)が火の神・加具土命(かぐつち)の出産で亡くなられ、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)は、加具土命を3つに斬ったという段です。

そこで現れたのが雷の神と山の神=大山祇神(おおやまつみのかみ)と、この高龗神でした。

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黄船と玉依姫

 ある時、浪花(なにわ)の津(=大阪湾)に黄色い船が現れ、

そこに乗っていた玉依姫が「船の留まる場所に神を祀れば国土を潤し、民に福運を授ける」と告げたという。

そして黄色い船は賀茂川を上り、水源近くにとどまった為、現在の地に黄船にちなんだ貴船神社が創建された・・・・という伝承があります。

 

奈良時代は丹生川上神社

 

 奈良時代には吉野山中の丹生川上(にうかわかみ)神社が雨乞いの神とされていましたが、平安遷都後は丹生川上神社と並んで貴船神社が祈雨・止雨の神として朝廷から崇敬を受けました。

 

黒馬と白馬又は赤馬、絵馬の発祥

雨が降るように祈る時には黒馬を、止むように祈る時には白馬か赤馬を献上するのが常だったそうですが、時には生き馬の代わりに馬形の板に色を付けた「板立馬(いたたてうま)」を奉納することがあったといい、これが絵馬の原型といわれています。

 

女流歌人・和泉式部の夫婦不和

 平安時代の女流作家・女流歌人として有名な和泉式部(いずみしきぶ)は、夫との関係が不和となった時に貴船神社を参詣して次のような和歌を詠んでいます。

 ものおもへば 沢の蛍も わが身より あくがれいづる 魂かとぞみる

《訳》あれこれと悩んで貴船神社にお参りしてみると、蛍が乱舞していて、その蛍は自分の魂が抜けだしたものではないか 

 

で、それに対して貴船の神から返歌があったそうなんです。

 おく山に たぎりて落つる 滝つ瀬の 玉ちるばかり 物なおもひそ

《超訳》あまり思い悩んではいけない

現実には、貴船神社で奉仕する神職や巫女のうち、どなたかの口を借りて歌を詠んだということでしょう。

その後、夫婦仲は元に戻ったということです。

 

丑の刻詣り

 

 その一方で、室町時代の謡曲『鉄輪(かなわ)』では、神託を得て頭に鉄の輪をのせ、ロウソクをつけて貴船神社に丑の刻詣りをする女が出てきます。

 

縁結びの神様

江戸時代には、貴船神社は縁結びの神様としても信仰されていました。

 

 

 

余談ですが

以前、私が引いたおみくじには、女性を桂の木に例えて「いつ妻にできるかと待っていたが、待ちかねてため息が出てしまった」とつぶやいている和歌を出して、

目標をしっかりと定めて事を起こさないと叶わぬ夢に終わります。

夢を楽しんでいるうちはいいのですが、やがて取り返しのつかないことになります。

と、書いてありました。

神様に祈願するだけでなく、自ら願い事を叶えるための目標と行動が大事なんでしょうね。