水を司る龍神/元祖は紅色で青色へ | 心の鏡

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天の霊妙不可思議な法則、神道について書いているブログ。心の鏡とは内在神を表し、神社のおみくじの神の教に「神様の御光が我が心の鏡に映るその時、凡ての心の曇り、心の闇は晴れゆきて、広き明き御恵みを授かる事が叶う」とあったところから命名しました。

 

水を司る龍神

日本の神社仏閣に行くと、龍神が祀られていたり、特に御祭神として祀られていなくても、よく手水舎や屋根瓦、建築物の柱の上部、天井画などの場所でも龍の彫刻や絵画が見られますよね。

 

龍(竜)は霊獣で、その起源は古代中国やメソポタミアだったとも言われています。

日本には弥生時代に中国から伝えられたと言われます。

(大阪市和泉市の池上・曽根遺跡から弥生式土器には蛇のような胴体にいくつものトゲがついた龍に似た動物が描かれていることから)

また仏教を守護する存在とも言われています。

【追記】Youtubeでその大阪府立弥生文化博物館の龍の絵の動画がありましたので、ここにリンクいたします。

 

 

 

龍そして龍は水から生まれ、普段は湖や池、海の底の竜宮などに住むといわれます。

春分に天に上り、秋分に淵に潜るとされ、これはそのまま雨季と乾季に当てはまるのだそうです。

 

日本では龍神は水脈や水源を司る神で、

海神(わたつみ)、高龗神(たかおかみのかみ)、それから弁才天と習合した市杵島姫命の化身などと考えられました。

ですから、そうした水を司る龍神様を建物に装飾したのも、火災に弱かった日本の木造建築物に火難除けの守護を得ようとしての意味もあったんでしょうね。

また日本では龍神は水の神として雨ごいの祈願が行われてきました。

 

↓これは2022年の蛇窪神社の手水舎の龍口と花手水です。

花手水2022年1月

 

日本では龍が伝来する前に蛇神信仰がありましたから、

目に見えない「龍」が人々の目の前に現れる時には、

「蛇」の姿になって現れると考えられ、やがて外来の龍信仰と習合しました。このような神を龍蛇神と呼びます。

 

【参考書籍】日本の神様 起源と物語

 

 

 

元祖は紅色で青色へ

それから東京都田無市にある田無神社では、(私はまだ参詣した事がないのですが)金・黒・青・白・赤色の五龍神が祀られているとか。

五行思想に基づく方位をそれぞれ守護しているんですってね。

 

四聖獣だと龍は東方位で青龍で、他の方位は別の聖獣が守護していて西は白虎、北は玄武、南は朱雀ですけどね。

 

で、竜の体の色についてなんですが

『神社のどうぶつ図鑑』茂木貞純 監修には…

 

龍(竜)は元々、中国東北部の畑作地帯で信仰され紅色をしていたという。 

それが中国南部の稲作地帯に伝播した際、川や池を司った蛇と形が似ていた事から蛇にとって代わり、水神として崇められるようになったといわれる。

それに伴い、体色も水に近い青色へと変化した。

その龍が稲作文化と共に日本へ伝播した為、日本では水神として信仰している。

 

と、ありました。

そうすると田無神社の赤龍は元祖の畑作地帯での紅龍に近いという訳ですね。

ちなみに五行で水を司る色は黒です。そして方位は北。