供養の対象は故人にあらず、あくまで仏・法・僧 | 心の鏡

心の鏡

天の霊妙不可思議な法則、神道について書いているブログ。心の鏡とは内在神を表し、神社のおみくじの神の教に「神様の御光が我が心の鏡に映るその時、凡ての心の曇り、心の闇は晴れゆきて、広き明き御恵みを授かる事が叶う」とあったところから命名しました。

当ブログで2番目くらいにワードの検索やアクセスが続いているのが、

「先祖供養は嫁ぎ先と実家どちらを優先すべきか?」

2022年3月18日の記事です。

 

そこで読者の方々が興味を持ってらっしゃると思われる

「供養」について書きたいと思います。

 

そもそも「供養」とは、サンスクリット語の「プージャー」の訳語で仏様などにお供えを捧げる事。

供物を捧げる相手に対して何らかの形で尽くすことも含まれます。

例えばお経を読む事も供養。

歌や踊りを捧げるのも供養。

以下にまとめてみますと…

 

様々な供養 

 

二種供養

利供養(財施)=仏前にお線香やお花、飲み物、提灯などを供える

法供養(法施)=お釈迦様の教えを説いたり、修行するなど利他的な行い

 

三種供養

利供養=仏前にお線香やお花、飲み物、提灯などを供える

敬供養=心から尊敬の念を捧げて礼拝する

行供養=教えを実行に移す。お経を唱えたり、六波羅蜜を暮らしの中で実行する。

 

四事供養

飲食、衣服、臥具、湯薬の供養。お釈迦様の時代から定められていた。

 

五供

塗香(体に塗るお香)、花、焼香、飲食、灯明(ろうそく)

 

六種供養

閼伽水(あかすい/仏様に供える神聖な水)、塗香、花、焼香、飲食、灯明

 

十種供養

花、お香、瓔珞(ようらく/装身具)、抹香、塗香、焼香、そうがい(仏殿を飾る絹の天蓋)、幢幡(どうばん/仏殿を飾る幟)、衣服、伎楽

あるいは、そうがいと幢幡を一つに数え合掌を加えて10種とすることもある。

 

目的別の供養 

故人の往生を祈る「追善供養」

新しいお墓や仏壇、仏像に魂を入れるとされている「開眼供養」

故人の為に卒塔婆を立てる「卒塔婆供養」

餓鬼道で苦しんでいる餓鬼たちに施しをする「施餓鬼供養」など

 

 

供養の対象、間違ってませんか? 

 

ニコニコ故人の為に法要をする時も、

供養の対象はご位牌ではなく、あくまで仏・法・僧の三宝。

仏はお釈迦様、法は教え、僧は僧侶・教団のことです。

 

この辺、回りくどいのですが、

現世に生きる私たちが三宝を対象に供養することによって功徳を得ることができる。

→その功徳を故人に振り向けていただく。これを回向(えこう)という。

→さらにはすべての人々の為に役立てていただくよう考える

 

…ということで、

婚家にしろ実家にしろ、供養したところで、

自分に功徳が得られたか実証できない。

回向もあの世に逝った故人に対して確かめようもない。

思うに、これは作り話で、そういう死後の世界と法要システムをでっちあげてお布施を得る機会をもうけている。

三宝のうち仏・法は実際のところ、お供えしようがお布施をしようが物言わず、ただ、仏像はこちらの気持ち次第で、何となくお供えすると喜んで微笑んでいるように見える事があるくらい。

法要は残る僧の為の集金行事に過ぎない。

 

ただ、江戸時代の寺請け制度があったので、

人によっては先祖代々の眠る菩提寺と墓に仏壇・位牌の継承者もいらっしゃるでしょうし、

自分は不要と思っても周囲の親戚が、これまでの慣習で法要もするのが当然と考えていたり、

供養しないと罰が当たるとか畏れていたり、

「嫁はもう生家のことは二の次で良いから」と、

婚家の先祖供養を優先することを押し付けてくるなら、

表面的・一時的に出来る範囲でやってあげたらいいんじゃないですかね。

どうせみんな諸行無常で、そのうち足腰弱ったりして人の供養どころじゃない、今度は自分の番になっていくんですから。

 

それに今時はお葬式も宗教者なしで、少ない人数で行う事も増えているようです。

お墓も次世代の非婚化や子供を持たない主義の夫婦も増えているので、もう何々家の墓という「家」ごとの墓だと、

先行き継承者がいなくなるから、墓じまいや永代供養とか海洋散骨とか樹木葬に合祀墓などに移行する時代に変わっていっているところだと思います。

 

これからの時代は回忌法要の為に親戚を呼ぼうとしても、

人が集まらなくなるでしょう。

そりゃ昔の人達は兄弟姉妹の人数が多かったし、

結婚はするのが当たり前で子供も孫も複数人いたかもしれないけれど、そうした世代も高齢になればなるほど次々に親戚・知人に自分が他界していくのは避けられません。

また、元々自分の他に兄弟姉妹は一人だけ、あるいは一人っ子という家庭が多かった世代も年老いてきて最期を迎えることになるのは目に見えています。

まさに生老病死は避けられない4つの苦しみ。

 

各地の市区町村が庁舎内などで引き取り手のない無縁遺骨を計約6万柱保管しているとか。

庁舎外の納骨堂などに遺骨を移した後は保管数に数えてない自治体もあり、実際はもっと多い可能性もあるそうで。

それで親族ら引き渡し先が見つからない場合は、一定期間保管後、海洋散骨や合葬するというニュースも読みました。

 

それに外国人を含む15歳未満の子供の人口(2023年4月1日時点)は過去最低の1435万人で、42年連続で減っているとニュースにありました。

 

時代と共に仏教式の葬儀とその後の供養も減っていきますね。

 

参考書籍