武士の生活と起請文 | 心の鏡

心の鏡

天の霊妙不可思議な法則、神道について書いているブログ。心の鏡とは内在神を表し、神社のおみくじの神の教に「神様の御光が我が心の鏡に映るその時、凡ての心の曇り、心の闇は晴れゆきて、広き明き御恵みを授かる事が叶う」とあったところから命名しました。

 

 武士の生活

 

 武士の生活は簡素で、地位を守るためにも武芸の鍛錬が重視されました。

武士の日常生活から生まれた「武家のならい」「兵(つわもの)の道」「弓馬(きゅうば)の道」などと呼ばれる道徳は、武芸を重んじ、主人に対する献身と、一門、一家の誉れを尊ぶ精神、恥を知る態度など、のちに武士道と呼ばれることになる精神の起源ともなりました。

 

※そう言えば現代の鶴岡八幡宮の仕事守りは流鏑馬をしている姿の切り絵でしたね。

流鏑馬で的を射るがごとく、よい仕事・就職に恵まれますよう祈願をした御守とのこと。

 

 

 約束には起請文(きしょうもん)

 

また、鎌倉時代から戦国時代にかけては、約束を交わす際に虚偽や違反が無い事を

神仏に誓い、違反した場合は神仏の罰を受けることを記した文書を交わすことが流行しました。

これを起請文と言い、御成敗式目の末文には、もし違反があれば

「梵天帝釈四天王惣じては日本国六十余州大小神祇、別しては伊豆箱根両権現、三島大明神、八幡大菩薩、天満大自在天神部類眷属神罰冥罰各々罷(まか)り蒙(こうむ)るべきなり。仍(よ)って起請件(くだん)の如し」とあり、起請文の例となるようなことが記されています。

 

※この文は引用させていただいた「神社のいろは・続」95ページに使われていた漢字とは所々違っています。

六十余州の「よ」は変換しても候補に無かったり、箱根の「はこ」も「筥」ですが、現代漢字で表したほうが今の箱根神社だと分かりやすいと思い、箱根にしています。あしからず。

 

 

 起請文の料紙には

鎌倉時代後期からは、起請文の料紙として牛王宝印(ごおうほういん)という護符の一種が用いられ、その裏面に書くのが一般的でした。

 

牛王宝印は各地の社寺から発行されましたが、特に熊野三山の者が多く使用されました。

※現代でも熊野本宮大社の公式サイトで、熊野コラムで熊野牛王神符(牛王宝印)について詳しく知る事ができました。

俗に「オカラスさん」と呼ばれていて、カラス文字で書かれた熊野三山特有の神符だとか。

災難除け・病気平癒・火難除け・盗難除けなどあらゆる災いからお守りくださる神符ですが、鎌倉時代に誓約書ともなり、江戸時代には起誓文の代わりとしても用いられたことも書いてあり、これは古くから

「熊野権現への誓約を破ると、熊野大神の使いであるカラスが一羽なくなり、本人も血を吐き地獄に落ちる」と信じられてきた事が背景にありますと説明されていました。

それで現代でも熊野本宮大社で行われる婚礼の誓詞の裏にご神符を貼付しているのもこのような由縁によりますって。

今でも授与品にあるんですよね~ 小が800円で大3000円 

「日本第一」という文字が真ん中に刷られています。

牛王宝印が文献上に初めて見られるのも今からおよそ千三百年前の天武帝白鳳11年だと言いますから、ずいぶん長い歴史があるんですね。