国譲りと天孫の天下り/天孫降臨章 第九段 一書(第二)第一話 | 心の鏡

心の鏡

天の霊妙不可思議な法則、神道について書いているブログ。心の鏡とは内在神を表し、神社のおみくじの神の教に「神様の御光が我が心の鏡に映るその時、凡ての心の曇り、心の闇は晴れゆきて、広き明き御恵みを授かる事が叶う」とあったところから命名しました。

この一書(第二)も少し長いので何話かに分けて書きます。

 

天津(あまつ)神は、経津主神(ふつぬしのかみ)と武甕槌神(たけみかづちのかみ)とを遣わして葦原中つ国を平定させられました。

二神は、

「天に悪しき神がいて、名を天津甕星(あまつみかぼし)またの名を天香香背男(あめのかかせお)と言います。まずこの神を征伐してから葦原中つ国に降ります。」と申し上げました。

この時、斎主として祭りをされた神を斎之大人(いわいのうし)と申し、

この神は今、東国の「か取」の地にいらっしゃいます。

 

※出陣の時に祭祀を司ったのが経津主神自らで、「いわいのうし」は、その別名となったと解釈されています。また、か取の「か」の漢字が変換できないのですみませんが、たぶん、今の香取神宮のことです。

 

その後、二神は出雲の五十田狭(いたさ)の小汀(おばま)に降り立ち、大己貴神に

「そなたはこの国を天津神に奉るかどうか」と問われました。

大己貴神は、

「あなたたちが私の所に来たのは、どうも疑わしい。承知できません」と答えられたので、

経津主神は、帰って報告されました。

 

高皇産霊尊は、二神を再び遣わして、大己貴神に

「そなたの申し分を聞くと、まことにもっともである。そこで一つ一つ取り決めよう。まず、そなたが今、治めている現世の政(まつりごと)は、皇孫が治め、そなたは神事(かみのこと)を治める事としよう。また、そなたが住む天日隅宮(あめのひすみのみや)を、今、造営しよう。長い楮(こうぞ)の縄を用い、多くの結び目でしっかりと組み、その宮の規格は柱は高く太く、板は広く厚くしよう。また、田を造り、海に行って遊べるように、高橋(高い橋)や浮橋(水上に浮かぶ橋)、天鳥船(速い船)を造ろう。また、天安河(あめのやすかわ・天上の河)に打橋(簡単に取り外しのできる橋)も造るであろう。さらに、何度も縫い合わせた白い?も造り、そなたの祭祀を司る斎王を天穂日命としよう」とおっしゃいました。

(つづく)

※白い「?」は木へんに盾の漢字ですが、読み方・意味をしらべておきます。縫い合わせたとあるので布製品と思われますが。

この天日隅宮こそ、出雲大社の事です。