誓約/瑞珠盟約章 第六段 一書(第一) | 心の鏡

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このブログは主に神道について書いています。ブログタイトルの心の鏡とは内在神を表し、神社のおみくじの神の教に「神様の御光が我が心の鏡に映るその時、凡ての心の曇り、心の闇は晴れゆきて、広き明き御恵みを授かる事が叶う」とあったところから命名しました。

誓約(うけい)/瑞珠盟約章 第六段の本文(正伝)では、

天照大御神に「乱暴者の弟が高天原に攻め入ってきた!」と警戒・武装されたため、

素戔嗚尊の申し出で「誓約(うけい)」が提案されます。

※誓約と言うのは占いの一種で、予め条件を設定し、その行動の結果により神さまのお考えを伺うものです・・・と、神社検定初級テキストのマンガならわかる!「日本書紀」の注釈に書いてありましたが、この場合、天照大神も素戔嗚尊も神様だから、考えを伺った神様は、もっと原初の方の神様でしょうかね?

そこで、「女神が生まれたら清い心」と設定し、お互いの持ち物を交換して食べて口から吹いた息で生まれた神々が、

天照大御神=三女神で、素戔嗚尊=五柱の男神でした。

が、天照大御神はお互い交換する前の自分の持ち物基準で判断し、素戔嗚尊が三女神を生んだと解釈したという話でした。

そのほかに諸説である一書(あるふみには)という別パターンの話は3つありまして、持ち物や生んだ神の性別などが少しづつ違い混乱しますが、

ただ、どの話でも素戔嗚尊は根の国に行く前に「姉上にお会いしたい」と言ってはいるけど、

月読尊は?と私は声を大にして言いたい次第です。それでは、一書のご紹介を。

 

【一書 第一】

日神は、元々素戔嗚尊が乱暴であることをご存じであったので、

「弟が来るのは、きっと我が高天原を奪うつもりなのでしょう」と考えられて武装し、

十握剣(とつかのつるぎ)・九握剣(ここのつかのつるぎ)・八握剣(やつかのつるぎ)を帯び、

背には矢入れのゆきを負い、腕にはいかめしい高鞆をつけ、手には弓矢をお持ちになり、

自ら防ごうとされました。

 素戔嗚尊は「私はもともと悪意など持っておりません。ただ姉上に会いたいと思って、少しだけ参っただけです」と申されました。

 

そこで日神は、素戔嗚尊と向かい合って立たれ、誓いを立てて

「もしあなたの心が清らかで、この国を奪おうとする心が無いのであれば、あなたが生む子は必ず男でしょう」とおっしゃいました。

 

そして、帯びていた十握剣を食べて生まれた御子を沖津島姫と申します。

また九握剣を食べて生まれた御子を端津姫、

八握剣を食べて生まれた御子を田心姫と申し、三柱の女神です。

 

次に素戔嗚尊が、その首にかけていた五百筒御統の珠を天ぬ名井(あめのぬない)(又は去来之真名井(いざのまない)ともいいます)の水で濯いで食べて生まれた御子は、

正哉吾勝勝速日天忍骨尊(まさかあかつかちはやひあまのおしほねのみこと)

天津彦根命 

活津彦根命

天穂日命(あめのほひのみこと)

熊野忍ほみ命(くまののおしほみのみこと)

と、すべて五柱の男神でした。

 

こうして素戔嗚尊が誓いに勝ったと証明されたので、日神は素戔嗚尊に悪意が無い事がお分かりになり、三柱の女神を筑紫の国に降(くだ)されました

この時、「あなたたち三柱の神は海路の途中に降りて、天孫をお助け申し上げ、また天孫の為に祭られなさい。」と教えられました。