渡邉理佐 × 小林由依
学生パロ






由 )おーはよっ

最寄り駅の改札で
待ちわびた人から肩を叩かれる

理 )おはよ

あからさまに喜びすぎないように、
でも素っ気なくならないように
そっと返事をする

由 )ねぇ理佐今日部活ある?

理 )ないよ

由 )じゃあ一緒に帰れる?

理 )うん

由 )よかった

んふふ、なんてご機嫌に笑って由依は軽やかに歩く
良かったのは私の方だよ
だって可愛い由依を他の人の前に放たなくて済むんだから

いつのまにか腕が組まれていて身体がくっつく
誰にでも距離が近い由依の仕草はすごく愛おしいけど
できれば控えて欲しいな、とも思う
だってそんなことされたら
誰だって由依のこと好きになっちゃう

理 )ねぇ、だめだよ?
   こうやってみんなにくっついちゃ

由 )んー、別にみんなって訳じゃないよ

なんて、普段の自分の行動に気づいていないのか
はたまた知らんぷりをしているのか
由依はだいじょぶだいじょぶ、と笑ってまた話し始める

由 )理佐最近忙しかったから
   一緒に帰れるの久しぶりだね

理 )そうだね

なんにもない風を装ったけど
部活が立て込んだ期間
由依が他の人と帰るのを指を咥えて見ているしかなくて
毎日嫉妬で狂いそうだった

でも、私たちはただの幼なじみで
付き合っているわけじゃないから
変に口出しすることはできない
部活の同期にそれをポロッと零したら
理佐は過保護だね、なんて笑い飛ばされてしまった

由 )私ね、理佐といる時間減って寂しかったよ

理 )なにそれ

由 )へへ、

無自覚でこういうことを言うものだから
たまったもんじゃない
でもニコニコと微笑むその顔が可愛くて
思わず頬をつつけば満足そうに笑うから
今日も私は由依を甘やかしてしまう
本当はその顔が私だけのものになればいいんだけど…







学校に着いて、あっという間にお昼の時間
私はチャイムが鳴るとすぐに
お弁当を持って由依の隣を陣取る
こうでもしないと由依はすぐに声をかけられちゃう
由依はモテる、それもかなり
しかも友達も多い
こんなに可愛いんだから当たり前か

実際、私のカバンの中には
昨日の部活の時に後輩から
由依先輩に渡して欲しいです、と託された手紙が一通
まぁ渡せたら渡すね、と答えておいたし
全く渡すつもりはない
後輩にはちょっと申し訳ないけど
由依が誰かのものになる寂しさを考えたら
こんな小さな罪悪感はなんてことない

由 )理佐、食べないの?

理 )ん、あぁ、食べるよ

気づいたら考え込んでしまっていたようで
目の前では由依が不思議そうに首を傾げている

由 )じゃあ、いただきまーす

理 )…っ

可愛い
こんなに毎日一緒にいるのにそれでも見飽きない
私がこんなに食らっているとも知らず
由依は口いっぱいにご飯を詰め込んで
美味しいね、と微笑みかけてくる
うん、可愛い

小 )あ、由依ちゃーん

由 )ん?

幸せな時間を邪魔するように
クラスの友達が由依に話しかけてきて

小 )昨日のお金、返すわ

由 )はーい

小 )ありがとね

由依の白くて綺麗な手に
数えながら小銭を乗せていく
由依もニコニコで対応しちゃって…
昨日私が部活で目を離している間に
由依は他の子と何をしていたの?

小 )そんな睨まんといてよ
   定期忘れて切符代借りただけだから

美波が私に苦笑いして
小声でボヤく

小 )由依ちゃんもこんな保護者おって大変よな

理 )えっ…ちょっ…

なんてこと言うんだ
当の由依はやっぱりニコニコしたまま
呑気に笑い声を漏らしている

言うだけ言って要件を済ますと
美波はさっさと元いたグループに帰って行って
私はなんだか腑に落ちないままほっぽられた気分

由 )理佐なんか顔こわいよ

理 )あ、ほんと?
   ごめんごめん

いけない
由依に言われて慌てて頭を切り替える
今は目の前の由依が1番大事だからね

由 )ね、飲み物買いに行かない?

理 )行く!

由依に誘われるまま、自販機へと続く廊下を歩く
相変わらず由依はぴったりとくっついて来て
腕も自然と組まれる

学校とは油断のならないもので
歩いている間もチラチラと由依のことを伺っている視線や
話しかけるタイミングを探っている気配を感じる

見知らぬ子が近づいて来たかと思ったら
由依先輩、今時間ありますか、
なんて話しかけてくるから

理 )由依は今ジュース買うのに忙しいの

私が勝手に断る
嫌だったかなと不安になって由依の顔色を伺えば

由 )あーあ、可哀想だよ

なんて、離れていく後ろ姿を見送っているけど
その表情は意外と満更でもなさそう

由 )理佐って私のボディーガードみたい

嬉しそうにそう笑うから
やっぱりそんな由依を独り占めしたくなる

理 )好き

小さく呟いてみた

由 )私も理佐のこと好きだよ

可愛い笑顔
その言葉だけでもう胸がいっぱいになる
でもね、

理 )ううん、私の好きはね、

いや、

理 )…なんでもない

今はこのくらいでいいや
だってこんなに可愛いんだもん
続きはまた、いつか。



fin