私がなぜそんなにまでしてアンソロポゾフィー(シュタイナーの思想)に惹かれるのか

その理由をよく聞かれることがあります。

それは一言では言えなくて

自分でもまだ語れない何かがあるのかなぁって思っていたんだけれど

最近おぼろげながらに分かってきたことがあります。

 

子育てをしてよく分かってきたという方がいいのかな。

 

アンソロポゾフィーに出会って

導かれるように歩いてきた道は

自分の魂の傷を癒すための道でした。

そして道はまだ続いています。

 

子育てをしていると

自分が育ってきた環境を

今度は自分が造り上げてしまうことってよくありますよね。

 

分かりやすい例でいうと

親から言われて心の底から傷ついて

絶対に自分の子どもには言わないでおこうって決めていた言葉であればあるほど

何度も子どもに言ってしまうとか

そういうことって、どんな人も経験していることだと思うんです。

 

でも、子ども時代に

そんな悲しい思いをしないで

幸せでやさしさに満ちた時間の中で育つことができたなら

子どもは大人になって

自分の魂の傷をいやすことに

自分の貴重な人生の時間を費やすことはなくなるのかもしれないと思うんです。

 

シュタイナー教育はまさに

そのことを目指しているものなんだと

とてもおおざっぱな言い方になるかもしれませんが

そう言えると思います。

 

シュタイナー教育の目的は

子どもを自由な人間にすることだと言います。

 

自由な人間とは

「私」というかけがえのない個が歩むこの生において

「私」という人間が自由に発揮されることをさします。

 

もし「私」がいつまでも

子ども時代の傷の手入れをし続けなければならないとしたら

「私」はいつまでも発揮されず

もしかするとそのまま人生を終えてしまうかもしれないのです。

 

シュタイナー幼稚園や

シュタイナー学校などに

一歩入ってみると

そこは本当に安らぎに満ちた環境が整っています。

そして

子どもたちと出会う大人は

常に自己教育の中で

自分の思考と感情と意思を省みます。

それは子どもたちの健全な発達を阻害しないためです。

そこには常に喜びに満ち

安らぎに満ちた空間があり

美しい歌があり

花が飾られ

すてきな素話や

色とりどりで描く絵や

愛すべき先生がいてくれる

「しあわせな空間」なのです

そこで子どもたちの魂は守られ育つのです。

 

私もたくさんの傷を負ってきて

子どもにもその傷を沢山負わせてきたのかもしれません。

そのことをこどもは承知して生まれてきてくれたのでしょう。

けれど、私は自分を教育することで

子どもに負わせるはずだった傷を少なくしていくことは可能なのです。

そしてその傷をなくすことも可能なのです。

もちろんそれは、うまくいくことばかりではない

骨の折れる道かもしれませんが。

 

私たち大人が

かつて子どもだったころ

教育で与えられなかったものを自分に与えることで

私たちは同じ失敗を繰り返さないことができます。

 

子ども時代は

あたたかさが必要です。

そしてやさしさが必要です。

時間と空間が必要です。

いつもそばにいてくれる誰かが必要です。

 

初めて私がシュタイナー幼稚園に足を踏み入れた時

そこには

魂を守ってくれる空間がありました。

そしてこのような人と環境が魂を守ってくれるということを

私の魂の傷が教えてくれたのだと思います。

それは、初めて心が安らぐような場所でした。

そして、現代、様々な要因で魂の覆いを失ってしまっている子供たちにこそ必要なのが

このような環境であり、シュタイナー教育なのだと思えてなりません。

 

それから私は

遠回りをしながらも

アンソロポゾフィーのこの道を

小さい歩幅ながら歩き続けているのだと思うのです。

 

これからの子どもたちへ

私たち大人は約束することができます。

「もう二度と繰り返さない」

 

それは、5歳だった娘が私に言ってくれたことばでした。

「お母さんは決めてきたんだよ。

 もう繰り返さないって。

 私を傷つけたら、ずーっと繰り返すことになるんだよ。」

 

すべてのおかあさんに

やさしさとあたたかさが贈られますように。

自分の中にうずくまっている

ちいさな自分が解き放たれますように。

 

わたしも娘と共に

自分の魂を癒しながら

歩いていきます。

小さなこの道を。

 

そしてそれが

私と娘の人生をよくしていくことになると思うから。

そしてそれが

子育てを終えるとき

沢山の子どもたちや障がいをもつ人たちのためになることだと思うから。