前回の記事では、ギターにセンサーをつけることで表現の幅が広がるのではないかという話をしました。

 

 

 距離センサーや圧力センサーを使って手の動きや力のかけ方を測定し、それをスイッチのオン/オフやボリュームの変更に利用するのです。しかし、これは複雑な改造が必要です。デジタル信号を使う回路には電源が必要です。電源が必要となればアクティブピックアップのように電池を装着できるようにするため、ボディを削って電池ボックスを設置しなければなりません。

 

 また、センサーで検出した値を音色に反映させられなければ意味がありません。ボリュームは音量、トーンは高音域の音量、ワウペダルは強調する周波数帯域を変化させることで音色を変化させます。同様にセンサーで検出した状態を音色に反映させる仕組みが必要です。例えば、オーバードライブのゲインの大きさを変化させる場合、エフェクターのゲインのボリュームをギターに持ってくるような改造が必要です。つまり、エフェクターをギターに内蔵するような改造も必要となります。

 しかし、GKピックアップを内蔵しているギターにはアドバンテージがあります。電源が供給されるため、電池は不要であり、GK-VOLをエフェクターのつまみに割り当てることができます。GKピックアップがセンサーをギターに組み込むための準備をしてくれているかのようです。

電源の供給

 電源の供給は13ピンコネクタの12番ピンと13番ピンから行われます。どれくらいの電力が利用できるかはわかりませんが、GKピックアップの内蔵の際にフェルナンデスのサステナーを取り付ける改造を見たことがあります。サステナーを駆動できるぐらいの電力が得られるということだと思います。

 

音色変化のための仕組み

 音色変化のための仕組みとして、GKピックアップにはGK-VOLという可変抵抗器がついており、これを操作することでパラメータ値をギターシンセ本体に返し、エフェクターのつまみに割り当てることができます。ワウペダルに割り当てれば、手元でワウワウできます。センサーが感知した値を可変抵抗器のように抵抗値で表す仕組みをGK-VOLにつなげることで音色を操作できます。

 写真はGKピックアップからとり外したGK-VOLで、50KΩのBカーブの可変抵抗器です。Bカーブは回転角度によって比例して抵抗値が変わり、ツマミが真ん中のときに真ん中の端子と端の端子との抵抗値がどちらも25KΩになります。

 

 

 

 この可変抵抗器の3本の脚と同じ意味をもつ電子回路をセンサーで作成すれば、抵抗値を読み取ってGR-55などのギターシンセが音色を変更してくれるわけです。

 

 以上の2点の利点から、GKピックアップを内蔵しているギターにセンサーを組み込むことができるはずです。電気回路の知識が足りず実現できていないので、今はまだ「できるはず」としか言えませんが、今後のトライをご紹介できればと思います。

 

 ところで、GKピックアップのギター内蔵はリペアショップに依頼すると8万円くらいかかると思います。作業時間がかかるので妥当な金額ですが、そんな大金は工面できないという方はDIYという手もあります。手間はかかりますが、DIYでできる改造だと思います。本ブログのテーマ#2がご参考になれば幸いです。