京都市左京区・吉田山 3寺社参詣桜巡り。
京都市 北東部・左京区の吉田山にある 真如堂、宗忠神社、竹中稲荷神社 を参拝し、桜の花を見物してきました。
(1)
天台宗 鈴聲山 真正極楽寺 (真如堂)
京都市左京区浄土寺真如町 82 に所在。
本尊 : 阿弥陀如来(重文)
比叡山延暦寺の僧 開算 が永観2年(984)延暦寺常行堂の本尊 阿弥陀如来 を神楽岡にあった 一条天皇の生母 東三条院詮子 の離宮に安置したのがこの寺の始り。
正暦3年(992) 第66代 一条天皇(在位 986~1011)の勅許を得て本堂が創建され、不断念仏の道場として念仏行者や庶民、特に女性の信仰を集めた。 応仁の乱(1467)や何度かの火災に遭うなど 変遷を経て 元禄6年(1693) 現在地に移転して再建された。
三井家の菩提寺で 三井高利 他三井一族の墓石が並ぶ。
近年は、桜や紅葉の名所として人気が高い。
主要建造物
〔総門〕 元禄8年(1695)再建。 朱色が褪せているが赤門とも呼ばれ、敷居がないので車の出入りが出来る。
〔本堂 真如堂〕 (重文) 享保2年(1717)再建。 7間4面総欅造。
〔鐘楼堂〕 元禄年間(1688~1704)に建造。 宝暦9年(1759)鋳造された梵鐘は太平洋戦争中の 金属類回収令 で供出され 小さい穴が4か所あけられたが潰されず、戦後寺に戻された。穴があけられたままだが鐘の音には影響ないと言われる。
〔万霊堂〕 昭和9年(1934)三井家の寄進で建立。
〔薬師堂〕 昭和41年(1966)東山五条の金光院からの寄進で移築。病気平癒の御利益があると言われる薬師如来を祀る。
〔元三大師堂〕 元禄9年(1696)建立。 京洛十八大師巡り 第三番札所。霊験あらたかな高僧 元三大師 良源 を祀る。おみくじの創始者。
〔縣井観音堂〕 縣井(あがたい)は御所三名水の一つ、御所の縣井に現れた 如意輪観音 を祀る。 病気平癒や難産を救う御利益があるとされる。
〔三重塔〕 文化14年(1817)再建。
本堂を囲む庭を中心に桜が咲いている。秋には紅葉の名所ともなる。
〔たてかわ桜〕 徳川3代将軍 家光 の乳母 春日局 が父 斎藤利光(明智光秀の重臣) を弔うために植えたと伝わる。 残念ながら花は咲いていなかった。
(2)
宗忠神社(むねただじんじゃ)
京都市左京区吉田下大路町 63 に鎮座。
祭神 : 宗忠大明神
黒住教の教祖 黒住宗忠 を祀る神社。 黒住宗忠 は嘉永3年(1850)に歿し、安永3年(1856)朝廷から 「宗忠大明神」 の 神号 が与えられた。 宗忠の門人らが吉田神社の社地の一部を譲り受けて、 文久2年(1862)この神社を創建した。 慶応元年(1865)に朝廷の勅願所とされ 皇室や公家から篤い崇敬を受けた。
〔鳥居〕 鳥居を潜った境内参道石段の両側に咲く桜のトンネルが続く。
上ってきた石段の参道を振り返ってみたら、両側に桜が並んでいた。
〔拝殿・本殿〕 明治45年(1912)改築の流造。
尚、黒住宗忠の生誕地 岡山県岡山市北区にも明治18年(1885)宗忠神社が創建され、教祖生誕地であることから「大元神社」とも呼ばれている。
(3)
竹中稲荷神社
京都市左京区吉田神楽岡町 に鎮座。
祭神 : 宇賀御霊神、猿田彦神、天鈿女神
貞観元年(859) 中納言 藤原山蔭 卿 が平安京の鎮守社として吉田山に 奈良の春日社の祭神を勧請して創建された 吉田神社 の末社とされ、創建は不詳。吉田神社よりも早くから存在していたとも言われる。
標高105mの吉田山の山頂近くに続く 参道にソメイヨシノが植えられ、連なる朱の鳥居と桜の花が重なる合わせ技の景観が見もの。
おまけの追記
拝殿・本殿が建つ社域付近の吉田山登山道に 三等三角点 の表示がある。 標高105.12m。
< 完 >
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