彼はいろんな名前で呼ばれる
ある人は愛称で呼び
ある人はニックネームで呼ぶ
それだけ彼は皆から
愛されているのかもしれない
名前で呼ぶ人はほとんどいないけれど
彼を名前で呼ぶ人達もいる
家族と、そして彼女
彼女が彼の名前を呼ぶ時
それは一種の催眠術の様
彼は自分の名前を呼ぶ彼女の声を聞くだけで
とても愛しい気持ちになる
ある薬の半分が
優しさでできているように
彼女が呼ぶ彼の名前の半分も
優しさでできている
でも薬と違うところは
もう半分が
愛でできていること
彼女が怒って呼ぶ時も
泣いて呼ぶ時も
その優しさと
そこに込められた愛は
彼にだけ魔法をかける
そうやって彼は今日も
催眠術にかかっていく
大滝詠一 幸せな結末
その店ではたくさんの蝶が
売られていました
彼はその店に行って
持っていたお金で
蝶をたくさん買い
彼らを解き放ちました
しかし、そんな彼の様子を見ていた
店主が言いました
「あなたは良い事を
しているように
思っているかもしれませんが
飛んで行った彼らの何割かは
また捕まってここに来ます
そして何割かは
自分で戻ってきます
何割かは外敵に襲われて
死んでしまいます
ここにいるのが
彼らの幸せかもしれません
あなたが彼らに与える一瞬の幸せは
後に不幸となるかもしれません
それでもあなたは蝶達を
解き放ちますか?」
彼はそれを聞いて
ただ一言、笑顔で
「また来ます」と言って
帰って行った
そして数日後
また店を訪ねると
店主の言った通り
たくさんの蝶が戻っていた
捕まったり
自分で戻ってきたり
理由はそれぞれだった
残りの蝶達は
自由に羽ばたいたのか
外敵に襲われてしまったのか
それすらも分からない
彼は店の中を歩き回って
蝶を一匹一匹眺め
そして彼らに聞いた
「僕は君たちを解き放つことができる
しかし、外の世界は危険がいっぱいだ
僕が与える一瞬の幸せは
後に大きな不幸に変わるかもしれない
それでも君たちは自由になりたいかい?」
すると、どの蝶も羽をばたつかせるのをやめた
でもただ1匹
彼の方をじっと見ている蝶がいた
彼はその蝶に
もう一度、同じことを尋ねた
するとその蝶は
一度だけ羽を振って「うん」と言った
だから彼はその蝶を買って
外の世界に放った
するとその蝶は彼の周りを飛んで
「どうしてあなたは私を助けたの?」と
彼に聞いた
「気まぐれさ、そう
ただの気まぐれ」
そうして蝶は
近くの花を目指して
羽ばたいていきました
彼はその帰り道
道端に咲いていた花を摘むと
それを持ち帰って
彼女にプレゼントしました
すると彼女は笑って
だけど少し困った顔をして
それを受け取りました
「気持ちは嬉しいんだけど
すごくすごく嬉しいんだけど
花も生きているんだから
一生懸命、生きているんだから
なんかちょっと可哀そうな気がする」
「うん。そうだね」
彼は小さく頷きました
だからかな
僕が蝶を放つのは
彼らが花粉を運んで
どこかでまた新たな花を
咲かせてくれることを
望んでいるんだ
僕が花を摘んでしまった分
その分の罪滅ぼしかな
助けたいのは蝶じゃなくて
僕なのさ
彼女はその花を
水の入ったコップに入れて
日の当たる窓のそばに置きました
その時、窓の外で
蝶が1匹、羽をばたつかせて
飛んで行きました
「いいな、私もあんな風に
外の世界で自由に羽ばたいてみたい」
彼女は羨ましそうに
そう言いました
「もう少しで退院できるんだろ?」
彼が彼女にそう聞くと
彼女はまた、ちょっと困ったような顔をして
窓の外を見たまま答えました
「ううん。検査の結果が
あまり良くなかったみたい・・・」
「そう・・・」
彼は小さく言いました
でも、すぐに笑顔を
作り直して言いました
「じゃあ、また花を持ってくるよ
外の世界の香りを君に届けるよ」
すると彼女は彼の方を見て
笑顔で「うん」と頷きました
だから彼も笑顔で
「うん」と頷きました
僕には蝶を解き放てても
君を自由にしてあげられる力はないんだ
だからかな
僕が蝶を放つのは
そうして彼は彼女の病室を後にしました
福井舞 アイのうた
売られていました
彼はその店に行って
持っていたお金で
蝶をたくさん買い
彼らを解き放ちました
しかし、そんな彼の様子を見ていた
店主が言いました
「あなたは良い事を
しているように
思っているかもしれませんが
飛んで行った彼らの何割かは
また捕まってここに来ます
そして何割かは
自分で戻ってきます
何割かは外敵に襲われて
死んでしまいます
ここにいるのが
彼らの幸せかもしれません
あなたが彼らに与える一瞬の幸せは
後に不幸となるかもしれません
それでもあなたは蝶達を
解き放ちますか?」
彼はそれを聞いて
ただ一言、笑顔で
「また来ます」と言って
帰って行った
そして数日後
また店を訪ねると
店主の言った通り
たくさんの蝶が戻っていた
捕まったり
自分で戻ってきたり
理由はそれぞれだった
残りの蝶達は
自由に羽ばたいたのか
外敵に襲われてしまったのか
それすらも分からない
彼は店の中を歩き回って
蝶を一匹一匹眺め
そして彼らに聞いた
「僕は君たちを解き放つことができる
しかし、外の世界は危険がいっぱいだ
僕が与える一瞬の幸せは
後に大きな不幸に変わるかもしれない
それでも君たちは自由になりたいかい?」
すると、どの蝶も羽をばたつかせるのをやめた
でもただ1匹
彼の方をじっと見ている蝶がいた
彼はその蝶に
もう一度、同じことを尋ねた
するとその蝶は
一度だけ羽を振って「うん」と言った
だから彼はその蝶を買って
外の世界に放った
するとその蝶は彼の周りを飛んで
「どうしてあなたは私を助けたの?」と
彼に聞いた
「気まぐれさ、そう
ただの気まぐれ」
そうして蝶は
近くの花を目指して
羽ばたいていきました
彼はその帰り道
道端に咲いていた花を摘むと
それを持ち帰って
彼女にプレゼントしました
すると彼女は笑って
だけど少し困った顔をして
それを受け取りました
「気持ちは嬉しいんだけど
すごくすごく嬉しいんだけど
花も生きているんだから
一生懸命、生きているんだから
なんかちょっと可哀そうな気がする」
「うん。そうだね」
彼は小さく頷きました
だからかな
僕が蝶を放つのは
彼らが花粉を運んで
どこかでまた新たな花を
咲かせてくれることを
望んでいるんだ
僕が花を摘んでしまった分
その分の罪滅ぼしかな
助けたいのは蝶じゃなくて
僕なのさ
彼女はその花を
水の入ったコップに入れて
日の当たる窓のそばに置きました
その時、窓の外で
蝶が1匹、羽をばたつかせて
飛んで行きました
「いいな、私もあんな風に
外の世界で自由に羽ばたいてみたい」
彼女は羨ましそうに
そう言いました
「もう少しで退院できるんだろ?」
彼が彼女にそう聞くと
彼女はまた、ちょっと困ったような顔をして
窓の外を見たまま答えました
「ううん。検査の結果が
あまり良くなかったみたい・・・」
「そう・・・」
彼は小さく言いました
でも、すぐに笑顔を
作り直して言いました
「じゃあ、また花を持ってくるよ
外の世界の香りを君に届けるよ」
すると彼女は彼の方を見て
笑顔で「うん」と頷きました
だから彼も笑顔で
「うん」と頷きました
僕には蝶を解き放てても
君を自由にしてあげられる力はないんだ
だからかな
僕が蝶を放つのは
そうして彼は彼女の病室を後にしました
福井舞 アイのうた
僕はその日、ズル休みをすることにしました
ズル休みをしたい理由なんて
誰にでもあること
特に何かあったわけではないけれど
授業に出なくても良かったので
休むことにしました
すると、しばらくして
友達が電話してきて
学校に来てない理由を聞きました
僕は理由を説明するのが面倒だったので
寝坊したことにしました
友達は僕に学校に来るかどうか尋ね
僕が「行かない」と言うと
「後で遊びに行くから家で待ってろ」
と言いました
しばらくして
別の友達が来ました
「事故って骨折したらしいじゃないか」
そう言って僕の家に来ました
僕はすぐに友達のいたずらだと気付いて
そう説明して謝りました
それからまたしばらくすると
クラスメイトが来て
「盲腸になったって聞いたから」
そう言って僕の家に来ました
僕はまた友達のいたずらであることを
説明して謝りました
それからも何人も僕の家に来ては
「彼女に振られて落ち込んでいると聞いて」とか
「バイトをくびになったらしいな」とか
そういう話をしていきました
僕がすぐに友達に文句の電話をかけると
彼は一言「ズル休みはいかんよ」と
笑いながら言いました
どうしてばれたのかは分かりませんが
その後も何人も僕の家に来ては
ありもしない話をしていきました
彼女にその話をすると
「いつも顔に答えが書いてある」
と笑いながら言いました
電話だと顔は分からないはずなのになぁ
僕はそう思いながら
明日、学校に行った時に
皆から聞かれるであろう
ズル休みしたいい訳を考えて
それが30個ぐらいになったところで
またズル休みしたくなりました
松任谷由美 やさしさに包まれたなら
ズル休みをしたい理由なんて
誰にでもあること
特に何かあったわけではないけれど
授業に出なくても良かったので
休むことにしました
すると、しばらくして
友達が電話してきて
学校に来てない理由を聞きました
僕は理由を説明するのが面倒だったので
寝坊したことにしました
友達は僕に学校に来るかどうか尋ね
僕が「行かない」と言うと
「後で遊びに行くから家で待ってろ」
と言いました
しばらくして
別の友達が来ました
「事故って骨折したらしいじゃないか」
そう言って僕の家に来ました
僕はすぐに友達のいたずらだと気付いて
そう説明して謝りました
それからまたしばらくすると
クラスメイトが来て
「盲腸になったって聞いたから」
そう言って僕の家に来ました
僕はまた友達のいたずらであることを
説明して謝りました
それからも何人も僕の家に来ては
「彼女に振られて落ち込んでいると聞いて」とか
「バイトをくびになったらしいな」とか
そういう話をしていきました
僕がすぐに友達に文句の電話をかけると
彼は一言「ズル休みはいかんよ」と
笑いながら言いました
どうしてばれたのかは分かりませんが
その後も何人も僕の家に来ては
ありもしない話をしていきました
彼女にその話をすると
「いつも顔に答えが書いてある」
と笑いながら言いました
電話だと顔は分からないはずなのになぁ
僕はそう思いながら
明日、学校に行った時に
皆から聞かれるであろう
ズル休みしたいい訳を考えて
それが30個ぐらいになったところで
またズル休みしたくなりました
松任谷由美 やさしさに包まれたなら