現在、サイバーエージェントは、旧代理店部門やAmebaを中心に新サービスの開発ラッシュですが、かつてのTMNのようなBtoBの子会社でも新規事業に挑戦しようという機運が盛んでよく話しを聞いたり相談されたりします。


TMNは業態変更から10ヶ月が経ちましたが、これからの新規事業を成功させるための子会社経営の在り方というのが、少しづつ実感を持って自分の中でも出てきました。


各社の代表や役員は、お世話になった上司や同期が多く、同じ子会社を経営する立場としても共に成功したいと思う気持ちは強く、少しでも参考になれば嬉しいです。


強みを活かすという固定概念

→既存事業の強みを活かした新規事業というのは企業経営のセオリーですが、時に強みを活かすという固定概念に囚われ過ぎて、何をやるべきか袋小路に入ってしまうケースがあるように思います。

その結果、アイデアがこじつけになったり、メインストリームから外れて、ニッチな分野が多くなったりします。

まずは、スマホのような成長ドメインでニーズが顕在化しているテーマを研究して、新規事業のヒントをフラットに探してみることも大事だと思います。

強みにこだわるよりゼロからチャレンジした方が早いこともあると思います。


担当者は経営者

→よく社長直轄という言葉がありますが、社員が数十名のベンチャー企業なら、新規事業は、社長か少なくとも役員レベルの経営陣が「直接見る」のではなく『直接やる』べきだと考えます。

成功確率も上がるはずですし、自分に成功体験がないとメンバーのアウトプットの良し悪しを判断したり、リーダーシップを発揮して組織を導くのは難しいと思うからです。

新しいことへの挑戦ですから、仮に失敗してもそれは次につながる経験になります。

しかし、自分が直接やってないとその勘所も得られません。

また、経営陣が自らやれば「失敗できない」という思いも強くなり危機感やコミットが高まると思います。


CTO(候補)を見つける

→ TMNもそうでしたが営業出身者を中心にBtoBの事業からスタートした会社には技術分野の責任者がいないケースが多いです。

これからのネットビジネスはいうまでもなく技術力が競争力です。

採用活動から組織編成、企画立案から仕様設計、開発実装からリリース、まさに企業活動の川上から川下まで技術領域と一蓮托生です。

経営者には自分と同じ視点で事業や組織を考えられる技術分野のパートナーが必要不可欠であり、CTO(候補)となる人材の採用や育成は経営者が最もコミットすべきことの一つだと思います。

これも事業の担当と同じく経営者が最前線に出てコミットする以外にありません。


先行指標を明確にする

→ 新規事業の最終目的は収益貢献ですが、サービスとしての先行指標は、売上・PV数・MAU・DAUと様々です。

この指標が明確に決まっていないと、状況に応じてアクセルを踏めば良いのか、ブレーキをかけなければいけないのか、素早い経営判断が出来ません。

何において突き抜けたサービスを作るのかを明確にして、宣言して、退路を絶って取り組むことが大事だと思います。


兼務ではなく専任

→ 人手不足のベンチャー企業では新しいことを始める時に兼務という状態がよくありますが、新規事業や新サービスの立ち上げは必ず専任メンバーでやるべきです。

寝ても覚めてもそのことばかり考えている、という状態で専門性を高めていかなければ、他社に打ち勝つ優れたサービスは作れないからです。


以上の5点を現在のTMNが完璧に出来ているとは言えませんが、少なくとも矛盾していることはないと思います。


それは経験から学習し修正を繰り返してきたからです。


目指しているのはTMNが子会社というポジションで何度も新しい分野にチャレンジして最終的に大きな成果を出したと言われる結果です。


結果を伴いより有意義な情報や知見を発信していけるように頑張っていきたいと思います。