家族というワンチーム | NIKKA-BOKKA 

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子育ち講座を修了した母親の実践や気づきを綴っています

9月3日(日)

 

先月の後半、事前に計画をしようとしたわけでもないのに、

たまたま、ほんとうにたまたま、家族全員の休みが重なり、

「ねえ、佐賀ばーちゃんのところに行かない?」となり、

数日間をつかって佐賀に帰省してきました。

 

90歳を過ぎ、持病も進行するなかで、

今年の猛暑続きを母がたったひとりで実家に暮らすことは

やはりそろそろ限界なんじゃないかと・・・

日頃通い介護をする妹がケアマネさんと相談を幾度も重ね、

今月9月からショートステイの施設にしばらくお世話になることになりました。

まずは慣らしでということなんだそう。

母本人も納得しているようでした。

 

私は、母の入所前にこうして一緒に数日過ごせることになった流れを

なんとも不思議に思いながら、でもそれをありがたく思いながら、

母と過ごしてきました。

 

妹から、母が今聴いたこと、やったことをすぐさま忘れる場面が増え、

だいぶ認知が進んでいるようだということは聴いていましたが、

やはり、久しぶりに会う家族がどこのだれかを思い出すのにほんの少し時間がかかりました。

それでも、目の前にいる若い女性(yaya)と男性(roro)が自分の孫だとわかった瞬間に

「お盆はだ~れも来てくれんやったけん寂しかったけど、あらあんた達来てくれたとね~。」と

母は子どものように嬉しそうに言いました。

記憶の中にある幼い孫がどちらもすっかり大人になった姿を観ながら、

「あんたよかやんね~~、こがん立派な子達ば持って。」と母が私に言ったので、

「よかやんね~お母さん、こがん立派な孫達ば持って。」と私が返すと

ああ、そうか!という様子で顔をクシャクシャにしながら笑いました。

一緒に笑う夫と子達。

 

「すまんね、せっかく来てくれたとに、なんもしてやりきらんね・・・。」と

母が、自分の身体がもう以前のようには動かないことを残念がるように言うと、

息子roroが母に向かって優しく言いました。

「だいじょうぶだよ、ばあちゃん。なんもいらないよ。ばあちゃんが居てくれるだけで充分。」

うんうんと隣でyayaが頷きました。

 

普段の母の日課(薬の時間、食事や昼寝の時間、排せつのタイミング等)を熟知している妹が、

私達家族だけで母と過ごすのは、きっとお互いに戸惑うこともあるだろうと心配してくれて、

私達の滞在中、一緒に過ごしてくれました。

母の介助をするだけでも妹は手一杯。

その状況を夫も子達2人も察知して、食事の支度や片付け、洗濯、掃除等、

我が家で暮らす時とおんなじように、いつもの感じで動いてくれました。

 

誰かがご飯を作りはじめれば、誰かが隣で食材を洗ったり、切ったりしてサポート。

誰かが食器を洗い始めれば、誰かが隣で洗い終わった食器を拭き、棚に戻す。

誰かが洗濯機を回せば、誰かが干しはじめ、

誰かが掃除をしはじめれば、家族みんなで散らかったものを片付け、整頓する。

 

それを終始観ていた妹が、目を丸くしながら、

「あんたたち(私達家族)、みんなよう動くねーー。ワンチームやね。

 よかぁ~姉ちゃん、しあわせね~。

うちの家族とか、なーんも動かん、だーれも動かん、いっつも私ひとり・・・。」

とため息をつきました。

 

母は、いつもはひとりぼっちの家を、私達家族がみんなで動き回るので、

キョロキョロと家族の動きを追うように観ながら、

「あら、yayaちゃんがお皿ば洗ってくれるとね~、ありがとね~。」

「あら、roroくんが片付けてくれると?ようしてくれるね~。」

「あら、S男さん(夫)、あなたに焼きそば作らせてよかと?すまんね~。」

やっぱり母にも、私の家族がこうして動くことが珍しいことだと映っているようでした。

 

そっか、そういうふうに見えてしまうのが、世の感覚なのかもしれないとあらためて。

でも、私は子育ち理論の生活場面、

まねと指示(ねぎらい)を我が家の暮らしに取り入れながら、

家事はオンナの仕事などと決めつける必要はどこにもないことや、

むしろ、家族それぞれにそこそこ家事をやれたほうが、

生きることそのものがラクになっていくよね?という感覚を

子が育つなかで、あるいは夫が少しずつ変わっていくなかで

徐々に持つようになったのでした。

 

なにも完璧じゃなくていい、そこそこでいい。(←ここがミソね。(笑))

だからこそ、お互いに助け合う、補い合う嬉しさだって生まれる。

 

自分はやらなくていいんだとか、

どうせやれないんだとか、家族を戦力外にすることこそもったいない。

あなたの手が必要、あなたの支えが必要、あなたが家族だからお願いしてる。

そんな思いで、生活のまねと指示(+ねぎらい)を、

日々の暮らしのなかで淡々と繰り返していく、

そうしていくうちに子は子で、我が家の暮らしの要領を得ていく。

いつしか、家族がお互いをなんとなく気にかけながら、

自分がやれることはないかという心持ちで一緒に暮らしていくようになる。

それがそのまんま、どこへ行っても、どこで暮らしても、結局役に立つ。

 

私がやってきたことは、とっても地味な実践でしかないんだけれど、

妹から言われた「ワンチームやね。」という言葉は、

もしかしてそれほめ言葉?という感じでちょっと嬉しかったのでした。


もちろん、俺たちはワンチームだぁ!なんて思ったことも、言ったことも、

我が家のキャラ的に一度もありませんが…ね。σ(^_^;)