MSN産経ニュースで衝撃的な記事があった。


「鬱病と類似する双極性障害 「躁状態」見逃さないで」

http://http://sankei.jp.msn.com/life/photos/120326/bdy12032607480000-p1.htm


張教授(帝京大学溝口病院)は「よく『鬱病の原因は遺伝3割、環境7割』といわれるが、双極性障害は7~8割が遺伝的要因。

極めて生物学的な脳の病気であり、現時点では根治できない」と解説する。


と記事を締めくくっている。


大方の躁状態の内容は、平易で読みやいものの遺伝が8割?。

一瞬、遺伝病なのかと勘違いをした。


残念ながら趙先生は、日本うつ病学会双極性委員会のメンバーではなっかった。

オフィシャルな見解でもないことがわかった。

ゴッホ、ゲーテ、ビビアン・リーなどの子孫の8割が双極性障害なのだろうか。


一生に1回うつ病にかかるリスクは10~20%。男性1人に対し女性2人の比率。

双極性障害は昔は0.8%、最近では2%や4%位といわれています。男女比は同じ。


さて、遺伝病かどうか。

一卵性双生児の場合、一方が双極性障害(躁うつ病)になった場合、もう一方も双極性障害(躁うつ病)になる一致率は40~70%と比較的高い。、

二卵性双生児の一致率は5~30%。

遺伝による影響があるともいえるのか・・・?

しかし、うつ病は30~40%程度の一致率なので、本当に双極性障害は遺伝する病気なのだろうか。


一致率からみたら鬱病の原因は遺伝3割かもしれない。。


双極性障害は7割~遺伝8割?


じゃ、うつ病や双極性障害の家族歴で問題が生じているか。

さきほどの有名人の子孫の多くはそのような病気を発症しているかは謎。


本当に遺伝要因でこの病気が説明できるのだろうか・・・?

身長、血圧、知能などは多数の遺伝子の相乗作用と、さらに環境因子が加わって決定されると考えられてる。


病気の原因には大きくわけて環境要因と遺伝要因がある。

加齢とともに発症している虚血性心疾患,本態性高血圧,糖尿病,骨粗鬆症,神経変性疾患,老年期痴呆などは成人病あるいは生活習慣病。

これらの病気は生活習慣だけではなく遺伝要因も深く関与することが明らかにされている。

多因子遺伝疾患とよばれる。



遺伝疾患は健康な人たちには関係ないという印象が根強い。

しかし、25歳ぐらいで5%、死ぬまでには60%は遺伝性疾患にかかる。


また、単に遺伝子異常が病気として現れるだけでない。

環境への反応の違いがその人の遺伝子の性質によって違う結果病気が発生する。


うつ病の7割・双極性障害の8割は遺伝で決まるとは遺伝子レベルからはまだいえない。

ヒトは生活習慣病と同じく「双極性障害遺伝子ホルダー」であることを信じたい。


理化学研究所の加藤先生が作った双極性障害のようなマウスはどうなったのだろう・・・・。

マウスからいつかはヒト。

遺伝子疾患なのだろうと明らかになるときも近いのかもしれない。