なぜ北山杉の抗菌性が高いのかという疑問のヒントを得るために、昨年末、屋久島に行きました。
自分なりの結論として、自然と人工との差は、あるものの厳しい生育環境によるという共通項を見出しました。
屋久杉の、苔むした杉の大木に大いなる知恵を感じました。
害虫やバクテリアに耐えうる知恵。
腐食に打ち勝つ知恵。
動けぬ植物の環境に対する動物にはない順応性。
他者のものを加工し、利便性と豊かさを獲得するのでなく、自らの細胞内で変化しうる力。
何十年、何百年も前の屋久杉土埋木は、表層を外すと、ほとんど腐植はないという。
木に蓄えられたテルペン類の量が、普通の杉とは、全く違うらしい・・・内的成分の変化
自分の利便性に合わせ、環境を変えることも大切ですが、環境に順応できる力・生命力は、もっと大切なのかもしれません。
その晩、宿泊したホテルで、夜停電がありました。部屋の中で、テレビも消え、真っ暗闇。
明りがないと何もできない。不便と不安感。
停電なんて、ほとんど経験がなく、あったとしてもすぐ復旧すると、思っている泊り客が、ほとんどだったと思います。
結局一晩停電状態が続きました。
翌朝、ホテルの人は、平常心で、驚き慌てた様子もなく、全くの日常。不便さも感じられていない様子。
大いに感覚の相違を感じました。
薄暗い所での朝食・・・・
ホテルの人に聞くと、停電は、度々起こっているらしく、屋久島では、特別なことではなかったようです。
生活環境が、変わると、同じ経験をしても、全く感じ方が違ってしまうようです。
地元の人は、停電があっても、その対処方法を身につけ、受け入れた上で、生活をされているので、特別に異常な事象と感じられないのかもしれません。
異常と感じて豊かな生活を送っている私どもとの感覚の差は、その土地の生活環境により生じたのですね。
私どもが植物であれば、そのような事態も、慌てず、対応できたのかもしれません・・・・
北山は、京都市内にも近く、杉も建材用に、美しく、しなやかで、強靭な木材とするため、人工成長抑制の管理育林されていることより、こうした巨木になる前に建材として利用されます。また土埋木もありません。
人工と自然の差はありますが、木にとって厳しい環境で、育つという点では、同じですので、・・・
北山杉も、伐採しなければ、一般的な杉よりも、遥かに長生きをするのではないかと思うのですが・・・