K看護師さん:「家族を呼んでください」
一人で心細く入院の説明などを受けている間に、どの時点でだったか忘れたが、看護師さんがこう言った。

あまり平和な言葉ではない。ドラマなどでは、もう死ぬかも、という時に言われる言葉?と思ったのは、数日経過して落ち着いてからだった。


bionda:「今向かっています。」

この間、「抑制」の同意書や「自己負担」(私はこの後、退院までオムツでした汗、またストマパウチの取り替えの時にはフラットタイプのおむつをひいてやってました)についての説明を受け、同意書にサインした。それは、回復室という、通常は手術後に入るお部屋で、自分の手術を待つ間に全部自分でやった。

K看護師さん:「ご家族は。。。」
bionda:「親は遠いので今日は来られません。今向かっているのは、入籍していない配偶者です。
K看護師さん:「それは。。では、先生からの説明は聞いてもらう事が出来ません。来られたら先生から聞いた事を自分で説明してください。」

え。一緒に住んで18年なら事実婚なんじゃないの??

これまで別に不自由は無かった。子供もいないし。私はずっと働いているので、会計的にも別だし。それが、この、人生の一大事で、相方は「家族じゃない」なんて。別のところでショックを受けていた。

ちなみに、入籍しなかった理由は:
1) 私が以前に一度名前を変えて戻しているので二度といや。その頃に比べて社会人として今の名前で通っている事も多いし。
2) 入籍してもいいかな、と思っていた初期段階で、選択的夫婦別姓法案が出てきたので、待っている間にタイミングを失った。
3) ちょっと変わった下の名前なので、相方の苗字ではバランスがあまり良く無い。
4) 相方が私の苗字になっても同じ。
5) 苗字が変わるとアイデンティティの危機が来そう。
6) 海外出張が多いので、本名、飛行機の予約名、ホテルの予約名、会社の名刺やIDカードが違っているとトラブルの元。アメリカ人は平気で間違う。

なので、特に主義主張があったわけではない。


この間、相方は必死で病院に向かっていたそうだ。もう二度とbiondaに会えないかもしれない、と思って電車の中で泣いていたそうだ。走りたいけど、電車の中では走れない。駅からの道は確か走っていたと思う、とこの間言っていた。かわいそうな事をしてしまった。


後になって、いろいろな資料を読んでいて、「家族を呼んでください」に深い意味があるケースもあるのだな、と思った。普通は同意書にサインしてもらうために呼ぶらしい。(私のケースがそんなに重篤だったかどうかはわからない。というか、年齢的に若い方に入るのでリスクは少ないと思うし、術後の説明で伯母のように「今夜がヤマです」とか無かったみたいだし)

大腸穿孔してしまうと、死亡率が高い。それも半日とか一日であっという間に死んでしまう事があるそうで、家族とのトラブルの元になるようだ。


後になっていろいろ読んだりしたものはこういうの。これだけでは無くて、Google先生の検索結果、片っ端から読んだ。

1) http://www.myschedule.jp/70jsgs/search/detail_session/id:381
こっちは概要しか読めないし、内容も専門的すぎてなんとなくしかわらかない。でもSSIなど新しい言葉を覚えたので、これは仕事でもサンプルデータで使えるかもしれないので、読んで良かった。

2) http://plaza.umin.ac.jp/jaem/thesis/pdf/4c_thesis_09_29_5.pdf
特に2)で言及されている「家族とのトラブルを避ける」あたりが関連するのかな。

指標や統計の詳細は専門的なのでわからないのだが、一応元理系(大学の二回生までは生化学系)だし、卒業時にやっていたのは心理学と言っても被験者を使って実験する(あれ、どっかで聞いた言葉だ!)ような心理学なので、卒論ではSPSSを使って多変量解析とかやった。

なので、「統計学的有意差」が懐かしい。統計学の授業は必須単位だったので、卒業しているという事は単位は取ったはず、絶対「良」だけど。(うちの学校で「優」とか取るのは私のような間違って入った凡人には無理なのだ。。。)


それはさておき。

さきほどのK看護師さんの、ある意味冷たい現実的発言はあったものの、手術後の説明は相方が聞いてくれた。「ん?術前と術後では違うの?」この私の疑問は永遠の謎である。

もっとも一連の出来事には、これだけではなく、「永遠の謎」が沢山あるのだが。

手術(1) 眠くなるお薬を入れますよにつづく)

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