前回の記事の最後のように「人工肛門」にNoは言えないと思い知らされた後、合併症の説明があって、「病状・手術説明書」にサインした。前にも書いたように、この私の署名は相当乱れている。寝たまま書いたのと、気持ちがとても動揺していたからだ。あと、麻酔の同意書、輸血の同意書にもサインしている。エホバの人たちはこれにサインしないわけか、とはその時はさすがに思ったりしなかった。

そして、私は、大事な事を聞いたはずなのに、その後の沢山の説明や同意書やいろんな事でそれを聞いたか聞かなかったかあやふやになり、数日間、今後の人生どうしよう、あれもこれも出来ない。。そんな事ばかり考えていた。

後でよくよく思い出せば、T先生は「ムンテラ」の最後の方に
「数ヶ月で閉鎖するけれど」
と言っていた。

ただ、私の中の録画機能では、その言葉の上にノイズが乗ってしまい、再生するとき聞こえないようになっていた。その後の怒濤のような情報が上書きしてしまっていた。

数日後に他の先生が回診ではっきり言ってくれるまで
「閉鎖ってどういう事?あれは本当に自分の耳で聞いたの?自分に都合がいいように聞いたつもりになっているだけじゃない?」からはじまり、少ししっかりしてきた後も、
「朦朧としてる中でiPhoneで調べた誰かのブログと自分の事が一緒になっているんじゃないの?私の場合は適用になるの?」

もとより、人工肛門が閉鎖できるという知識すらない。自分の知らない事は専門用語で説明されても記憶に残らない、という事を身を以て知ったのである。

サインした後、次にT先生の顔を見たのがいつだったか覚えていない。いろんな説明と署名に一人で立ち向かっていた。

緊急手術(7) 家族を呼んでくださいにつづく)

にほんブログ村 病気ブログ 人工肛門・人工膀胱へ
にほんブログ村


人工肛門・人工膀胱 ブログランキングへ