トラウマの解消とは?
トラウマの解消、ソマティックエクスペリエンス(神経系のみ)の観点
まずは神経系のみの観点から。(神経系だけではなく人の全体から見たボディワークとしての観点は後ほど別の項目で説明します。)
(※ソマティックエクスペリエンスは私の現段階での理解ですので、詳しくはセラピストさんに確認してくださいね。わたしはソマティックエクスペリエンスのセッションは提供していません。)
トラウマの衝撃を受けたとき、、。たとえば、川の流れに例えてみると。
川の堤防が破られる、、。すると、渦が現れる。
トラウマの渦、そして、健全の渦。

「トラウマの渦」ができたときには、必ず「健全の渦」が現れる。
大きなトラウマの渦と、小さな小さな健全の渦。
神経系から見たトラウマワークの一つの側面は、このトラウマの渦に対する健全の渦を少しずつ少しずつ育て、トラウマの解消に必要な健全のうずを回復していくこと。
トラウマ自体にアプローチするより、まずは健全を育てること。

トラウマワークで大切なこと、絶対の原則。
少しずつ少しずつ。
トラウマそのものより、器である健全を育てる。
大きすぎるトラウマは、扱えない。
まずは、扱えるだけの器を育てる。
健全の渦を育てる。
器が育ってきたら、十分に小さなトラウマを、少しだけ、一滴だけ、、扱う。
(※大きすぎるトラウマを見てしまうと、再トラウマ化され、逆にトラウマの渦にエネルギーを注ぎ込み拡大してしまう。逆効果!!!←多くのセラピーがこれやってますねえ。)

トラウマ解消の具体的な方法は、、。身体感覚を使う。思考や感情ではない、身体感覚へのアプローチ。
少しのトラウマも扱えないうちは、器を育てる段階があり、、。
少しだけの、一滴だけ、トラウマを扱うとき、、
十分に健全の”いい感覚”に着目して注意を向ける、、すると、そのいい感じは拡大していく、、十分に育ったら、
悪い感覚、嫌な感覚を見つけ、注意を少しだけ向ける。すぐ注意を逸らす、、。
その小さな嫌な感覚は、、いい感覚の中で溶けて消えていく、、そのとき、カラダに蓄えられていたエネルギーが
放出される、、。熱として、涙として、、ため息として、、などなど。
すこしずつ、すこしずつ。
振り子のように、行ったり来たり、、。
一瞬だけ、ちょっと解放が起こる。
少しであればあるほどいい。ちょっとだけ。

ただし、トラウマのエネルギーの解放は、一つの側面であり、もっと大切な目標がある。
解放ではなく、統合。
統合とは?
ここでいうところの、
神経系の安定。
たとえば、カフェでお茶してた。
物音がした!
ハッとする、、カップが床に落ちただけ、、。

物音の内容を確認すると、、。カップが落ちただけ、、大丈夫。ハッとして焦ったけど、、自然と落ち着きを取り戻す。
柔軟な神経系、健全。

一方、不健全な神経系は、
物音がした!ハッとした、、。。神経系が急に活性化。。
コーヒーカップが落ちただけ、、確認しても、、。活性化した神経系が落ち着かない、、。
高い活性化状態をウロウロ。。帰ってこない。
神経系が活性化している、、つまり、、たとえばイライラ、、不安、、落ち着かない。。
常に危機モード。
安心安全モードに帰ってこられない、、。
あるいは、物音がした!ハッとした、、。。神経系が急に活性化。。以上に活性化して閾値をぶっとぶ、、乖離状態。。この世にいない、ぼーっとしている。人の社会活動として機能しない。
危機モードよりさらに振り切れた状態、
安心安全モードに帰ってこられない、、。
トラウマ化した神経系を
柔軟な神経系、、つまり、何かあって活性化状態が高くなっても、自然と脱活性化してエネルギーを解放し、、安心安全の通常モードに帰ってこられる、、そんな神経系を取り戻すことこそ、トラウマワークの真の目的です。
解放は、手段にすぎず、、解放は目的ではない。
解放目的のワークには注意。

ここまで見てきてなんとなくわかったかもしれませんが、トラウマとは出来事にはありません。
神経系を巡る未解放のエネルギーのこと、というのが体の神経系からのアプローチであるソマティックエクスペリエンスの考え方です。
では、トラウマを見る、、という一般的にありがちなワークの場合、何が起こっているのでしょうか?
トラウマの出来事を思い出す。。見つめると、、?
これは何をしているでしょうか?
トラウマと健全の渦を思い出してみると、、何を育てている?
十分な器(健全の渦)なしでトラウマを扱うとは、
トラウマの渦を育てていること。
解放ワークしようとして、トラウマを育ててしまってる。。
そうなっていないか、確認した方がいいかもですね。
トラウマを見つめるためには、十分な器が必須です。
まずは、健全を広げること。

では、いい感覚、を広げるとよいのか?というと、そうではありません。
いい感覚を広げ続け深みに入ると、、
ひょいって
逆のトラウマの渦に引き込まれてしまいます。
それほどトラウマの渦の力は強い。
ですので、SE(ソマティックエクスペリエンス)では
少しずつ、少しずつ、、が鉄則です。
そして、十分な準備ができるまで
決してトラウマ自体を見つめない。
ここまで慎重にやっている。
トラウマを扱うとは、それほどのことなのですね。
わたしがソマティックエクスペリエンス(略してSE)の初球トレーニングを受けていたのは、2015年くらい。そのころは心理の業界ではSEは「早くて安全」、ということで非常に注目を集めていました。たぶん、今ではもっと盛んになっているようですね。
では、ボディワークの世界から、、神経系だけではなく人間の存在全体を扱う地点から見たトラウマの解消とはなんなのか。ちょっとだけお話できたらと思います。