少し前会社で健康診断を受けた。
ひとりで子どもを育てているので、とにかく健康でいなくてはいけない。


しかし私にはどうしても受けたくない検査があった。


ある年齢を越えると受けるように言われる、バリウム検査だ。



受けたことのある人みんなが良い印象を持っていないバリウム検査。
医学が進歩してもなお、バリウムは美味しくないと聞く。
美味しいと胃が反応するからダメらしい。
その全く美味しくない飲み物を飲み胃を膨らませるため炭酸ガスを発生させるのにゲップは厳禁。
もししてしまえば、またまずいものを飲み直しだ。


さらに右へ左へ検査技師さんの指示の元ぐるぐる回らなければいけないという。
これは私の問題なのだが、私は左右が瞬時に判断できない。
考えればわかるのだが、すぐに動くことができないのだ。多分反対に動いたりする。

たまにこういう人がいるらしく、例えるならエスカレーターとエレベーターがどっちがどっちかすぐ答えられない感じに似ていると聞き、まさにそんな感じだと思った。


そして検査を受けた後にも、体に吸収されないバリウムを体外に強制的に排出しなくてはならない。
下剤を飲んでも出ないこともあり、苦しむうえ最悪腸閉塞などの命の危険もあると聞いた。


こんな苦行のような検査にも関わらず、検査結果はそこまで精密に出ないと聞けば、もう私にバリウム検査を受けるという選択肢はなかった。
(あくまでも私個人の見解です。)


かと言って勝手に検査項目を削ることはできないので、検査の担当の方に相談して胃カメラ検査を受けるならとバリウム検査をパスすることに成功した。


胃カメラだって大変な検査だと言うことはもちろん知っていたが、私は鼻から検査できる病院を知っていた。
母のかかりつけの病院だ。

母の

鼻からの胃カメラなんて何にも辛くない


と言う言葉を信じていた。


私は自分が歯医者さんの治療でもえずくような人間だということを忘れていた。
(あ、えずくって関西弁ですね。吐きそうになるって感じです。)


鼻からの胃カメラ検査ははっきり言って地獄だった。

涙と鼻水が終始出続けていた。
誰にも見られたくない顔だが、お医者さんにも看護師さんにも見られていた。



検査中先生が何か言っていたが、私にそれを聞き取る余裕はなかった。
多分適当に返事をしたんだと思う。
このやり取りがとても重要だったことには後で気づいた。


ようやく検査が終わり、魂抜けているような私から看護師さんが採血をした。

何で採血?と思ったような気もするが、あまり気にしていなかった。


その後診察室で先生から自分の胃の映像を見せられながら検査結果を聞いた。

診たところ問題ありません
胃潰瘍の後がいくつかありますが、今症状がなければ大丈夫だと思います。
ストレスなどいかがですか?


今はありません
痛みや不快感もありません


では問題ないですね
検査結果は後日聞きに来てください


え?問題ないんじゃないんですか?


採血の結果はすぐはでないので


すみません、何のために採血したんですか?


検査中にピロリ菌がいるかどうかの検査をしますかと聞きたのですが
やめておきますか?


そうなんですね!
すみません意識が朦朧としてたので
わかりましたお願いします


私が適当にでも受けると返事をしたおかげでピロリ菌の検査をすることができた。
提案してくれた先生にはとても感謝している。

なぜなら検査結果が陽性だったからだ。
私は胃にピロリ菌を飼っていた。
ピロリ菌は胃ガンの原因になる菌だ。
私の母方の祖母は胃がんで亡くなった。


すぐに除菌するために、その日から忘れずに毎日服薬している。
期間は一週間だが、薬を飲み終えて1ヶ月後に除菌できたかどうかの検査がある。
今の薬で除菌できるのは7割ほどの人らしい。
ダメでもまた別の薬がある。



私は絶対に倒れるわけにはいかないのだ。




と言うわけで、ただ今絶賛除菌中です。
絶対に飲み忘れるわけにはいかないのでドキドキです。忘れたらはじめからやり直しですからね。

気になる方はこれでもできるようです。病院に行くよりお手軽ですね。
1ヶ月後の検査は私もこの検査だと思います。