例えば、
なでしこジャパンが世界一になったとき、
ずっとベンチを暖めていた選手のこと。
「おめでとうすごいね!」
と声をかけてもらう度に、
嬉しい反面、
自分は何も貢献できなかったという思いと、
大変な葛藤があったというお話。
例えば、
長身選手が主流のゴールキーパーで、
174センチで頑張っていた少年のお話。
彼の原動力は、
もし自分が日本代表になったら、
日本中の背が小さい子に夢を持ってもらえるから。
そして女手一つで自分を支えてくれたお母さんのため。
頑張ったけど、頑張ったけど、頑張ったけど、
あともう少しだったけど、
結局、夢は叶わなかったジュニアたち。
タイトルは、
育もう!子供たちの夢 「夢を持つって・・・」
PTAの研究大会で、
日本サッカー協会 ナショナルトレセンコーチ
尾形行亮さんのお話を伺ってきました。
日本代表になりたい!
世界一になりたい!
本気ジュニアをサポートされている方です。
世界を目指すコーチって、一体どんな方なんだろう?
と思っていましたら、
ご自分のことを
「ゆるキャラみたいのが出てきてスミマセン」
と笑っていらっしゃいまして。
ギラギラは全然していないのだけれど、
暖かくて優しい雰囲気なのだけれど、
(そしてそんなにお話上手でもないのだけれど)
子供大好き、サッカー大好き、
がものすごく伝わってくる、
とても良い講演でした。
多くの子供たちに信頼されているのだろうなと思いました。
本気で世界を目指す子供たちをサポートしている、
ということは、
本気で頑張ったけど夢が叶わなかった子供たち、
の現実も沢山ご存知だということ。
もうこれ以上頑張れない!
と悟ったとき、子供たちはどうしたのか?ということ。
それでも続けている子、
別の道を選んだ子。
それぞれの思い。
実は、
成り行きで参加することになった講演会だったのですが・・・。
夢が叶った人の話を聞くことはあっても、
叶わなかった人、
しかもジュニアの現実をお聞きする機会はなかなかない。
貴重なお話を伺うことができました。
素晴らしい成り行きに感謝しています。
一番印象的だったのは、
もうこれ以上頑張れないと思っているときには、
「がんばってね」
という言葉がとても辛かったということでした。
「がんばったね」
と言ってもらえたらまだ良かったかもしれない、って。
夢叶わず別の道を選んだ子は、
それでもサッカーをやっていて良かった、
と言っていたそうです。
頑張って、頑張って、頑張った経験が、
これからの自分の役に立つと思うと。
サッカーやるのは楽しかったって。
これは私の想像ですが。
この子はきっと、
尾形さんをはじめ、
とても良いサポートをしてくれる人達に恵まれていたのだろうなと。
夢は叶わない
と言う現実を知ったとき、
それまでの経験が宝物になるのか、
ゴミになるのかは、
どんな環境で頑張ってきたのか次第なのかも。
後半の、
「子供が夢を持つために必要なこと」
と言うお話を伺って、
尚更そう思いました。
尾形さん曰く、
「一番大切なのは、安全・安心であること」
監督やコーチに、
ずっと怒鳴られて叱られてきた子達は、
恐怖でコントロールされているので、
試合の時だけは頑張れても、
その頑張りが続かないのだそうです。
例えばドイツでは、
10歳までは試合で点数をつけないんですって。
厳しさやテクニックではなく、
まず最初に、
楽しい、という感情を育てる指導というのは、
世界的な主流であり、
日本では最も遅れている部分とのこと。
確かに。
幼い頃からサッカーを始めて、
夢が叶うか、叶わないか、が分かるのは、
十代半ばから後半。
それまでの十数年間、
ずっと恐怖でコントロールされ続けていたとしたら、
それでもし夢が叶わなかったら、
その十数年返せ!!!と思うでしょうし、
ずっと安心・安全で楽しい気持ちで夢中だったとしたら、
もし夢が叶わなかったとしても、
色々な葛藤はあったにせよ、
最終的には、
楽しかった!やってて良かった!
思うことができそうです。
ワールドカップの前にこのお話を伺っていたら、
私はもっと寝不足だったかもしれません・・・(笑)
心を解放する占い師 稲葉千津でした。