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被害者さんにとってみれば、「詐欺師」から「返してもらうお金」は自分の返ってきたお金です。それはわかります。

 

しかしですね、それが「誰が送ってきたか」を考えてほしい。送ってくるのは「詐欺師」ではなく、「別の被害者さん」です。

 

といっても、「別の被害者がどうのこうのって、そんなの関係ない、私のお金が戻ってくるのだから」と仰せになる被害者様も時々おられます。

 

まぁ勝手になさってくださいませ…かな。その後どうなっても私は知りませんから。

 

この種の犯罪が、なかなか犯人逮捕されないというのに、お金受け取った被害者が逮捕される。理屈に合わない話です。しかし、リブログした記事にもあるように、主犯は逮捕されず、マネーミュールが捕まる。

 

なぜなら、「ミュールになった被害者」はリアルの人間。詐欺師はグループであり、ミュールである(元)被害者とコンタクト取っていた人物すら存在しない架空の人物で複数の人間が演じている。

 

存在しない架空の人物を操っている詐欺団より、生身のマネーミュールのほうが見つけやすい。当然でしょう。

 

送金してきた「もう一人の被害者」が警察に訴えたときに、最初に晒されるのが「お金の受け子」となった被害者さん。

 

この時点で「共犯者の疑い」がかけられる。

 

もしかすると、最初の一回目は一部を他に送金ではなくて、受け取ったお金全額自分宛だったりするかもしれません。それは詐欺師がマネーミュールとの確固たる信頼関係を約束するための投資。おそらく10万円前後、数十万とか数百万といった大きなお金にはならない。

 

その後、今度はこの四コマにあるように一部を何らかの理由をつけてウェスタンユニオン通して送金するように指示してくるかもしれない。これはマネーロンダリング。つまり、犯罪性の強いお金(他の被害者が詐欺師に騙されて送金したもの。

 

但しミュールには彼の秘書が送ってくるものとか何か説明されている。そして、その一部をミュールとなり果てた被害者が指定された送金先に「受け取り手の足がつかない」ウェスタンユニオンを通して送金する。この時点で「資金洗浄」され、最終的な受け取り側は「犯罪性の強いお金(被害者が騙されて送金したもの)」ではないものとして受け取れる。こうして、汚れはマネーミュールに。

 

そう、この種の犯罪の主犯はなかなか逮捕されないんです。だけど、最前線に立たされているミュールは違う。詐欺団にとって組織の中の捨て駒です。送金し尽くしてお金がないけど、それでも詐欺師とまだつながろうとしている被害者。これほど都合の良い捨て駒はいない。

 

マネーミュールは犯罪です。

 

リブログした記事の女性とその母親は、更に共犯者としての犯罪に手を染め最終的には逮捕に至ったのです。