25-11-4(月)
昨日は東京で木枯らし1号が吹いた。ここ鎌倉でも朝晩は相当に冷え込んできている。私も先週1週間は炬燵を出したり、実家から持ってきた麻雀卓(父の遺品で、カード・テーブルと言って厳密にはアメリカ人がコントラクト・ブリッジと言うトランプの遊びをする時に使うためのテーブル。主に心理検査を使う時に使用する予定)を第二相談室に備えつけたり大いそぎで冬に備えている。今朝は半年ぶりくらいに足先にお灸をすえて、冷え性対策をした。
こういうプライベートなことを書いても読者諸兄は面白くはないであろうから、久々に株式投資(金儲け)の話しをする。私がイエスの生涯やキリスト教について書いても誰も関心がないのに対し、株式投資について書くと膨大なアクセスがある。世間の人は皆キリスト(神)には関心がなく、マンモン(お金)に関心があるのだ!しかし最終的にはマンモン崇拝は知性の劣化をもたらすだろう。我が上智大学もマンモンにおもねって以来、偏差値の下降が著しい。私の知ったことではないが。(私のブログを毎回読んでくださって、いいねをつけてくださる方はこの限りではない、笑)
私は生涯において株式(一応日経平均を目安とする)の急速な上昇を3度体験している。一回目は20年前、小泉純一郎総理が郵政民営化断行を唱えたのが自民党の内紛をもたらし、小泉氏は衆議院を解散、総選挙の博打を打った。あの時は国民が皆小泉を支持して、郵政民営化反対の議員に「刺客」を送り込んで自民党は大勝。その後株価が異常に上昇して、あの頃はどんな株でも持っていれば上がった。賤民どもは「小泉劇場」とやらに酔いしれた。そして20年後、かつては土曜日にも配達していた郵便物を配達しないとか、賀状の値段が1枚85円に値上がりするとか、本局まで言って聞いたことが場所によって違うとか、サービスの低下は目を覆いたくなる。私の考えが正しければ、日本の健全な中産階級を破壊し、国民を上級と下級に分けて格差を拡大させた主犯は小泉純一郎総理と竹中大臣だろう。あの頃は『格差社会』とか言う本が売れて、ベスト・セラーになって私も読んだが、恣意的な統計の多い本だという印象しか残らなかった。(が結果としてあの時代に格差社会が出来上がった(らしい)ので、もう少し真面目に読んでおくべきであった。)
2回目は民主党政権が断末魔の悲鳴を上げて、野田総理(今でもまだ立憲民主党の党首をやっているらしい。さっさと消えろ!)が自暴自棄になって解散―総選挙、自民党が政権に返り咲き、安倍晋三総理と黒田日銀総裁によるいわゆる“アベノミクス”なる経済政策(これは安倍氏の独創ではなく、『さっさと不況を脱却しろ』とか言う本を書いた何とか言う経済学者の書いた経済政策をそのまま借用したらしい。私は読んでいない)を実行し、それがあたって低迷していた日経平均は上昇に転じた。この時期に就職した今の若い人たちは、実際に雇用が良くなったことを実感として知っているので、安倍晋三に感謝している人も多い。
そして3度目が今回の株価の急上昇である。3連休があったので、その間株(マンモン)ではなく神(キリスト)のことを考えて、バザーでは『慈しみ深き』をフルートで吹きました。我ながら恥ずかしい演奏でありました。今日からまたマンモンとつきあわなければならないのは憂鬱である。昨日はNYダウは下げたが、ナスダックが上がっているので、今日の日経平均も多分いくらか上がるかと思っている。(最近NYダウはあまり日経平均の予測には役に立たず、ナスダックとの相関の方が高いようである。)1月前(10月3日)の金曜日に日経平均は45,769円で引けて、次の日に高市さんが自民党の総理になり、それ以来“高市トレード”と呼ばれる株価上昇が続き、先週の金曜日(10月31日)には52,441円で引けている。確かに株価の短期の上昇と言う意味では今回の上昇は小泉総理、安倍総理の選挙での勝利の時と非常に似ている。
しかし、この上昇、実は極めて不自然な上昇の仕方をしているのをご存じだろうか?私の持っている株はほとんど上がっていない。私の銘柄選択が悪いと言ってしまえばそれまでであるが、日経平均を構成するプライム市場(昔の一部上場企業)の9割は同じような状態にある(らしい)。上昇しているのは東京エレクトロン、アドバンテスト、ソフトバンクグループなど一部のハイテク企業(もっとはっきり書くと半導体関係の会社)数10社くらいで、これらの企業が日経平均をここまでけん引している。さらに出来高が非常に大きいということは外国のプロの機関投資家が持続的な買いを入れていると見てほぼ間違いはない。要はバブルの状態にあるのだ。(従って、いつ暴落してもおかしくはない。)
試しに証券会社に行ってみるがいい。「今が買い時、流れに乗ってください」とか言われるに相違ない。彼らは年中そんなことを言っているのだから無視すればいいのだが、世間の人は余程株式投資を簡単なものと思っているらしく、ついつい買ってしまう。欲にまみれて破滅するのは勿論本人が悪いので同情の余地はないが、私がもし今株を持っていれば売り注文を粛々と出していくだろう。読者諸兄だけにはこっそり(?)言っておくが、今は絶対に買ってはいけない相場だろう。
もし高市さんの経済政策が素晴らしいものであって、それが日本経済を健全に発展させるものであったとしたら、その影響が株価に反映されるのは来春の春の総選挙以後だろう。現在自民党は少数与党であり、維新の会にもいつ裏切られるか解らない。(維新の会が敢て閣僚の椅子を要求していないのは、自民党を信じておらず、何か不都合なことがあればいつでも連立を離脱出来るよう準備をしているのだろう)。国民もまだ半年くらいはあるだろうから、今のうちに経済の勉強をしっかりしておいて、来春の総選挙には正しい投票行動が出来るよう準備すべきである。
(来年度の予算編成が終われば、高市内閣にも一定程度の余裕が出来る。その時を見計らって彼女は何か野党が呑めないような要求(例えば憲法改正など)を通そうとする。野党は内閣不信任案を提出し、それが国会で承認される。彼女はこの時に解散―総選挙に打って出る。国民的人気のある高市自民党は圧勝し、長期安定政権の基盤を築く。そのあたりが彼女の考えそうなシナリオである。)