24-8-14(水)

 今回の件に関しては、ついに「出るべき膿が出てしまった」と言う印象を強く持っている。

 一応事件のあらましについて、私の知っている範囲のことを書くと(ラジオでは放送していないので、ネットで検索した情報しか知らない。テレビは勿論ない。)、川口ゆり(フリーのアナウンサーであるらしい)が、1週間ほど前のX(ツイッター)に以下のようなこと(現在では削除されている)をつぶやいたのが「男性蔑視がはなはだしく、人権侵害である」と叩かれ、その後謝罪をしたものの、雇用契約を解雇され(事実上の懲戒免職)た。

女性に対してはほんの些細な悪口でも“セクシャル・ハラスメントである!”と叩かれ、男性(特に中年の男性)に対しては言いたい放題である社会の風潮は、いずれとんでもない事件を巻き起こすことになるだとうとは思っていたが、とうとう行くところまで行ってしまったか。(私も“セクハラをしている”とある姉妹から誹謗・中傷されている状態が続いているが、この件に関してもいずれきっちりとした法的手段を取って、痛い授業料を支払わせることになるだろう。ただ私は「一番相手にとってダメージが大きくなる時にこの切り札を使う」ことを考えており、今のところタイミングがあまり良くないと思って控えている。やはり「社会正義」(こんな言葉は私はあまり信じていないが)は実現されなくては神様とご先祖様に申し訳ない。)

 少しこの種のフェミニズム(?)運動の歴史をたどってみると、「男女平等」とか「ブルー・ストッキング」とか言う運動そのものは戦前からあった。(現在NHKの連続テレビ小説も日本で最初の弁護士(検事?)の話しで人気があるので見たいのであるが見ていない。やはり近々家にテレビを入れた方がいいだろう。)しかし、マイノリテイー(女性や有色人種)に対する忖度が異常なまでに意識されるようになったのは、1990前後に始まった「ポリテイカル・コレクトネス運動」以来だろう。これはアメリカで始まった「あらゆる性差別、人種差別、宗教差別をなくそう」と言う運動で、それ自体はさほど悪い運動とまでは言えない。しかし実際には伝統的に使用されてきた言葉をどんどん破壊するなど最初から人間の純度を落とす目的で(共産主義者によって?)始められたようである。アメリカでは現在公式の場では「メリー・クリスマス!」とは言えない。クリスマスがキリストの生誕を祝う祭りであって(本当はキリストの生誕とは何の関係もないのだが、それを話すとまた長くなるので、今日はしない)イスラム教徒やユダヤ教徒、それに仏教を信じる(?)日本人などに不快感を与えることになるので使ってはいけないそうである。日本でも「精神分裂病」が「統合失調症」、「看護婦・看護士」が「看護師」、「スチュワーデス・スチュワード」が「キャビン・アテンダント」に置き換えらるなどこの運動が悪霊のように忍び込んできたのに気がついた人も少なくないと思う。(私が知っている範囲では、最初にこの運動の危険性に気がついたのはカトリックの土居健郎先生である。)

 それと同時に、前も書いたが「女子高校生的思考」(自分たちは「清く正しく愛深い」人権派で、年取ったおじさんどもは「セクハラをする性差別主義者だ」と言うような歪んだ異性観)が社会を闊歩し、女子高校生(的思考を持った人)がおじさんどもをいくら叩いてもいいという風潮が出来上がった。いずれこういう社会運動はいずれ何かとんでもない事件を巻き起こすことになっただろう。

 事件に戻るが、川口ゆりは何を書いたのか、それをもう一度検討してみよう。(Xから削除されたのに、ネットで検索したら簡単に見つかった。このように一度ネット空間に配信すると、それを完全に削除することが不可能であるというのがネット空間の恐ろしいところである。)

 

「ご事情あるなら本当にごめんなさいなんだけど」「夏場の男性の匂いや不摂生してる方特有の体臭が苦手すぎる」「(川口ゆり自身は)1日数回シャワー、汗拭きシート、制汗剤においては一年中使うのだけど、多くの男性がそれくらいであってほしい…」

 

これだけ見ると、実際にはたいしたことは言っていない。男性でも女性でも、(特に若い人の場合)一時的に体臭がきつくなるというのは良くあることで、別に恥じる必要はなく、適切な医学的治療を受ければほとんどの場合治る。川口ゆりがそうした医学的知識を持っているのかどうか知らないが、一応前置きを書いてはいる。夏場の男性の体臭は臭いかもしれないが、女性(特に若い女性、女子高校生、笑)の体臭も結構酷いらしい。女子高の脱衣室(私は入ったことはないが)は結構臭いと聞いている。まあお互い様である。むしろ問題なのは「自分は一日数回シャワーを浴びるのだから、男性もそうして欲しい」と変な規則を強要しているところだろう。川口ゆりは男性の肉体労働者の現状を知らないらしい。昨日も暑い中、証券会社に用事があったので行く途中、何かの工事で働いている警備員(?)の男性の方に会った。こういう時には私はほとんどの場合、ねぎらいの言葉をかけることにしている。昨日は「暑いですね。どうぞ熱中症には気をつけてください」と言うような趣旨のことを言った。そういった人たちに「一日数回シャワーに入れ」とはとても正気で言っているとは思えない。

川口ゆりのことをウイキペデイアで調べたら、北海道の何とか言う女子短大を出て、そこでは「ミスなんとか」でグランプリに輝いたこともあるそうである。まあ思った通り「女子高校的な思考」をする方で、こんなバカげたつぶやきなど無視すればいいのであるが、批判が殺到した。今まで「蝶よ花よ」と周囲からおだてられていたやつの、甘ったれた投稿と言うべきだろう。

最期に、この事件の幕引きについて思うところを書いておこう。川口ゆりはその後、反省して(?、単に事態を収めようとしてかもしれないが、それは本人に聞かないと解らない)「この度は私の不用意な発言で不快にさせ、傷つけてしまった方が多くいたこと、大変反省しております。言葉を扱う仕事をしている者として未熟でした。」とコメントしている。(本音はどうかは私は怪しいと思っているが)一応謝罪しているのだから許してやってもいいような気もする。今後、この炎天下、肉体労働をしている男性のおじさんたちの支持を喪うことは間違いない(不倫女優のように人気は確実に落ちる)が、懲戒解雇と言うのは罰として重すぎるような気がする。そんなことをしなくても、すでに社会的制裁は受けていると考えるのは私だけであろうか?

 

(むしろ恐ろしいと思ったのは、ウイキペデイアでは「川口ゆり」の項目の削除を検討しているらしい。川口ゆりは過去・現在・未来を通して世の中に存在しなかった(ジョージ・オーウェルの言うところの「アンパーソンズ」)になってしまうとしたら、この言論統制社会も共産主義以上の人権弾圧をおこなっていることになる。「かつて川口ゆりと言う女子アナがいて、調子に乗って男性蔑視の発言をしたため、その社会的生命を抹殺された」と言う歴史は誰かが書き残すべきであると思う。)