23-12-7(木)

 2か月ほど前、友人(というか母の友人の娘さん)が陶芸展をやるというので、青山一丁目の近くのギャラリーに行ってきた。ギャラリーは思ったよりも小さく、丁寧に見ても30分ほどで作品を見てまわれた。陶芸のことなど本当のところは何もわかっていないので、さぞ見当はずれなことを質問してしまったのだろう。ただ、こういう粘土(?)をこねて、ある陶器を尊いことに、そしてある陶器をいやしいことに使う自由が作者には許されているというのが何だか興味深かった。

こうして人のこころを喜ばす美しい芸術品はどうなっていくのであろうか?それは気に入った人に買われて、大切に愛用されるが、それでも人間が作った良きものはいずれは滅びてしまうことになるはずです。

 しかし、陶芸家がこの美術品を創るときにこめた思い、そして縁あって手にして買った人の愛用した時の喜びは永遠に残るはずです。人間のこころははじめはあるが、終わりはない。そういう意味ではこうした陶芸もまた、永遠性にあずかることになります。

(『こころだけは永遠』―ヘルマン・ホイヴェルズー)