23-2-16(木)

 昨日、以前通っていたプロテスタントの教会の牧師婦人から突然電話があった。何か用事があるのかと思ったら、これと言った用事はなく、ただ近況が知りたかっただけらしい。一応ラジオのニュースは時々聞いているが、相変わらず家で蟄居生活を続けているので、世の中がどうなっているのか知らない。ただ、どうやらこの宇宙戦争も終盤に来ている(ように見える)ことは間違いがないようだ。これから学校は入学式・卒業式があって、そこで校歌を歌うのにマスクをつける必要があるのかどうか議論されていて、さらにゴールデン・ウイーク明けにはマスクをつけるか否か個人の裁量に任されることになる。まだ油断は出来ないが、こうして宇宙戦争は終わっていくといいのだが。ただ、それによってもたらされた傷跡はあまりに大きく、昨日私が3年前まで通っていた雀荘の扉が閉まっていた。鎌倉飯店、観音食堂に次いでつぶれたのではと一抹の不安がある。私だって麻雀はやりたいし、この店の応援はしたい。しかしこれだけの寒波に見舞われると、ただでさえ3密になりやすい雀荘はクラスター化しやすい。来年度になって暖かくなったら顔を出そうと思っていたが、それまでもってくれるだろうか。

前述のプロテスタント教会の牧師婦人も私と同じような気持ちなのだろう。外に出てみたい、しかし外が本当に安全であるかどうか解らない。そこであちこちに探りの電話を入れてみる。私もここのところ北鎌倉の街を散歩するとき、外国人観光客が戻ってきているか気にしているが、いかにも外国人というような人(白人、黒人)などはまださほど戻ってきていないようであるが、日本人と区別のつきにくい人(シナ人、韓国人など)は一定程度戻ってきているという印象を受けている。彼らは大声で北京語を話すので、一定程度北京語の解る私には区別できる。

 宇宙戦争が終焉に向かっているのだとしたら、恐らくそれは度重なるワクチンの接種によってある程度集団免疫が出来たことが主な原因であろう。私の周囲の感染者も4人に増えたが、その後感染が拡大してはいない。また感染した人も比較的短期間で軽症のまま社会復帰している。本当のところはどうなっているか知らないが、医療崩壊という現象も起きなくなってきているらしい。今年中に宇宙戦争が終われば、ちょうど4年弱、太平洋戦争の時と同じくらい自粛をしていたことになる。人間は一生の間、どんなに運が良くても1回は戦争を体験しなければならないらしい。ただ、マスゴミが宣伝する「新規感染者数」というのはほぼあてにならない。

 戦争と言えば、ロシアーウクライナ戦争が思ったより長期化している。これもウクライナ側(や西側諸国)からの情報は信ぴょう性があって、ロシアからのからの情報は「ロシアは一方的にこう主張している」とマスゴミが勝手に決めつけるのはやめて欲しい。本当のところは何が行われているのか、そもそもどういう理由で戦争が長引いているのか知らないのにいい加減な情報を流すな!ただ、戦場がだんだんロシア国境に近づいているので、ウクライナ側の反撃はそれなりの効果を挙げていると見当はつく。そしてどうもロシアが民間人を対象としたミサイル攻撃をしたり、捕虜を虐待したりしている(いずれも戦時国際法違反)のは本当らしい。あの国は第二次世界大戦の時も多くの日本人やドイツ人を戦後も強制労働させて、シベリアの極寒の中で、日本に帰れなかった兵隊さんも多く(これも戦時国際法違反)その実態がどれほど酷いものであったのか、帰還兵の人たちも口を閉ざしている程酷いものであったようだ。ロシア(ソビエト連邦)が国際法への遵守意識が乏しいというのは事実である。そしてプーチンは何かと言うと「大祖国戦争」(独ソ戦)の話しをする。私は別にロシアを擁護する気はないが、最近プーチンの言っている(とされている)ことにも何か一貫性のようなものがあるような気がしてきた。

ロシアと言うのは2度ほろびかかった国である。一回はナポレオン戦争の時、もう一回はその「大祖国戦争」の時である。これは彼等にとって相当な(民族的無意識的な)トラウマになっており、今度ドイツの最新鋭戦車がウクライナに提供されるということを聞いただけで「ナチス・ドイツと同じだ!」とか言い始める。プーチンは度々「ウクライナはナチズムというイデオロギーのもとにある」という趣旨のことを言っているが、彼の言う「ナチズム」とは西ヨーロッパ文明のことなのではないか?ドストエフスキーやトルストイの小説を読んでみると解るが、ロシア人は西ヨーロッパ文明を自分達ロシアの文化とは異質のものと恐れつつ、同時に西ヨーロッパ文明に非常に強いあこがれを持っている。ラスコリニコフがニーチェ哲学の影響を受けて金持ちの老婆を殺すというのも、彼等に言わせれば「ナチズムにかぶれて、ロシア正教に反する大罪を犯した」ということになるのである。

国際法にさほど詳しくないのであるが、最初の国際法(のごときもの)はウエストファリア条約(1648年)らしい。これはルターの宗教改革(1517)以後の宗教戦争の総決算であり、その後何度かの葛藤を経て、西ヨーロッパ社会は国民国家や国際法秩序を形成してきた。しかしロシア人(やシナ人)はそんなものは体験していない。彼等にとって現実は「ナポレオン戦争」であり「大祖国戦争」なのである。だから彼等に「法と秩序の支配下による自由で開かれた社会」とか言っても後から勝手に西側社会が押し付けてきたもの(すなわちナチズム)と同様、恐怖の対象でしかない。そんな国際法など守る必要はないのである。ロシア人にとって正義とは、大学生ラスコリニコフがソーニャ(=ソフィア=聖霊)によって殺人罪を悔い改めて四方八方山一つない地平線の見える大ロシアの大地に接吻するという、私たち日本人には良く解らないものなのである。(実は私もよくは解らない)。

今の日本はG7の中の一国であることに見られるように西側に属しており、その「法による国際秩序」に従ってやっていくしかないが、それが「正義」として通るのはせいぜいが西ヨーロッパ社会の中だけであることも頭のどこかに入れておく必要がある。