22-1―24(月)東京都新規感染者961人

 NHKなど国民から受信料を搾取するだけで、何の役にもたっていない。災害情報などもラジオがあれば十分で、わざわざテレビを設置して受信料を支払う必要などない。私はテレビが痴デジ化されて以来、自宅ではテレビを一切見ないが、介護の関係で横浜に来ている間は割合見ている。(母は真面目に受信料を支払っているので、不法行為ではない。)NHKはどうしようもない放送局ではあるが、朝の連続テレビ小説だけは例外的に役にたっているようである。

 特に現在放映中の『カムカムエブリバデイ』はどうやら名作のようである。(名作というほどではないのかもしれないが、少なくとも老人や病人の生活リズムを維持するのに役に立っている。母はもう先が長くないようで、寝てばかりいるなど生活リズムが著しく不規則であり、朝のゴミ出し、洗濯物干し、朝食の準備、昼食の準備など全て私がやっているが、朝8時になると母は起きてきて、『カムカムエブリバデイ』を楽しみに見ている。母だけではなく母の親友で絵描きの女性の方(母とほぼ同い年)も8時には起きて、この番組を視聴していて、2人で電話でその感想で盛り上がっている。私もまた10年くらい前に身体を壊して生活のリズムが滅茶苦茶になったが、その時には『ゲゲゲの女房』という漫画家の水木しげる氏(向井理が好演)を妻の目から見た作品を見るのを習慣にして生活を立て直した。率直に言って、NHKなど「連続テレビ小説」と「選挙速報」と「災害情報」さえ放送してくれれば後は不要の長物である。(社員の平均年収が1,500万円もあるらしい。これの原資も皆さんが支払っている受信料なる不当な収奪金である)。仮に名作ではなく迷作であったとしたら、正午ごろまでにヤフーの「みんなの感想」に悪口雑言が視聴者から殺到し、NHKの側も覆面で作品を擁護するしらじらしいコメントもつく論争をネットで楽しむことが出来る。これこそまさに「視聴者参加型」の番組である。)

 さて、前段が長くなったが、連続テレビ小説は若い人は見ていないようで、これを見ているのは、私の読みが正しければ40代後半主婦層~後期高齢者世代のようである。『カムカムエブリバデイ』は現在第二部(「るい編」と呼ばれている。)で1960年代前半の大阪を舞台にオダギリジョーと深津絵里の恋愛をメイン描かれている。60年代前半というのは母(や前述の親友の画家)にとっての青春時代とだぶるので人気があるようだ。(「安子編」の内容は非常に良かったにもかかわらず視聴率で苦戦したのは、その時代(戦前・戦中)に青春を送った世代の多くが帰天したので、支持者が少なかったのも一因であろう)。

 話しは少し変わるが、心理学で「回想法」という治療法がある。認知症の防止として行われるのであるが、当該老人が若かった頃の写真を見せて、「この頃あなたはどんな生活をしていましたか?」「奥さんとのなれそめを話していただけますか?」「『青い山脈』(原節子主演)はご覧になりましたか?」など質問したり、昔話しを聞いたりすることによって認知症を防止するという心理療法の一種だ。(私も鎌倉市に依頼されてやったことがあるが、かなりの効果があるようである。)確か慶応大学医学部の研究グループで、「特に恋愛に関する昔話しは効果がある」という結果が出たと聞いている。

 この『カムカムエブリバデイ』は認知症防止の効果を狙っているのではないであろうか?そういえば松村北斗と上白石萌音や、錠一郎(オダギリジョー)とるい(深津絵里)の恋愛に関しては克明に描かれているのに対し、るいの小学校入学~高校卒業までの生活歴に関してはすっとばしている。「安子編」が終わった後「るい編」が始まるまでにかなり時間がワープしており、別の番組が始まったかと錯覚したほどである。(ちなみに「るい編」は現在佳境を迎えており、もうすぐ「ひなた編」が始まるらしい。)

 私はある老人ホームで昔の恋愛映画(主にハリウッドの映画。昔のハリウッド映画は名作が多かったようである)のDVDを上映して、その感想を話しあうという「映画回想法」とでもいうべき活動を5年ほど前にやったことがあったが、十分な効果があげられないまま中断してしまった。誰か私の続きをやってくれる公認心理師がいるといいのであるが。

 いくつになっても愛、それも性愛に関する情念というものを刺激することはその人の知的年齢を若く保つ秘訣のようである。