妊婦のビタミンD | ナチュロパス びんせい

妊婦のビタミンD

日本で情報がすくない妊娠期のビタミンDの処方基準をビタミンDカウンシルのWilliam B. Grant博士がレポートを出してくれています。オーソモルキュラ医学会が和訳してくれているので是非参考にしてください。

国際オーソモレキュラー医学会ニュース」とURL(http://www.iv-therapy.jp/omns/)から抜粋しました。 
ですがややこしいので先ず大雑把に
1.妊婦および授乳婦のビタミンD(25(OH)D濃度)を40 ng/mL以上に高めるためには4000 IU/日という量が必要。
2.
40 ng/mLという濃度になると、ビタミンD濃度が平衡状態になるため、それより用量を多くしても、ビタミンD濃度は大幅には増えない。
3.この程度の摂取量では、副作用と思われている高カルシウム血症の兆候も、高カルシウム尿症の兆候もない。


アメリカ小児科学会では新生児に対しビタミンDを400IU摂るよう勧告しています。 〔2〕

では原文の訳(こちらも必読)から抜粋
妊娠期間中の効果

その一方で、ビタミンDの有益な効果を示すエビデンスは増え続けている。IOMの委員会が無視したRCTの一つに、妊婦および授乳婦に4000 IU/日のビタミンD3を補給するという試験研究があった[4]。この研究は、IOMのレポートが完成される前に完了したもので、同委員会の目に留まったが、まだ公表されていなかった。この研究から得られた重要な結果には、25(OH)D濃度を40 ng/mL以上に高めるためには4000 IU/日という量が必要であったことが含まれている。
この研究の説明によると、40 ng/mLという濃度になると、1,25-ジヒドロキシビタミンD濃度が25(OH)Dと平衡状態になるため、それより用量を多くしても、1,25-ジヒドロキシビタミンD濃度は大幅には増えない。これは、過量摂取に対する多くの懸念を解消するものである。上記の研究では、これほど多い量を用いても、高カルシウム血症の兆候も、高カルシウム尿症の兆候も見られなかった。また、こうした高量摂取により、乳児が自分で25(OH)Dを生成できるようになる十分な濃度の無変換ビタミンD3が母乳中に生じた。胎生期におけるビタミンDの効果は、ビタミンD受容体に結合している1,25-ジヒドロキシビタミン(活性型のビタミンD)を介してもたらされるものが多く、それによって、200を超える遺伝子の発現が調節され、約3分の2が上方調節、3分の1が下方調節される。

今まで骨代謝しかしないと思われてきたビタミンDはDNAに受容体があり様々な遺伝子が出来てくる調整役として働いていると言います。という事は胎児にとってはとってもだいじと言う事になります。  胎児は自分ではビタミンDを増やせないのでお母さんが摂ることになりますが、現在日本やアメリカの厚生労働省にあたるFDAや上限は600IUです。(多くの科学者はおおむね4000IUを支持しています。欠乏の場合は10000IU) 多くの臨床・疫学研究が現行のビタミンDレベルの危険性を示しているにもかかわらず、いまだにこのレベルを推奨した米国医学研究所(IOM)の研究〔1〕は多くの医学団体が主要な医学誌を通し大変非難しています。


ビタミンDの研究者で構成されている米国内分泌学会の委員会が、ビタミンD推奨量を公表しました。ここでは、骨格系への影響と、骨格系以外への影響の両方が考慮されており推奨量は、
1~18歳の場合600-1000 IU/日、
19歳以上では1500-2000 IU/日

これだけ摂れば、血清25(OH)D濃度が30 ng/mL(75 nmol/L)を上回る可能性がかなり高くなるため、用量として好ましい。
[3]としています。

厚生労働省は食事と太陽から充分摂れていると言いながら、今日本人女性の半分はビタミンDの血中濃度は20ng/mlと言う研究を発表しています。多くの学者が確認している30ng/mlを上回っている人はほとんどいないようです。(調査では20~30ng/mlを最高のビタミンD濃度のグループにしているのでおおむね90%以上の日本人は30ng/mlを越えていないでしょう。)

子どもは国の宝。1日も早くビタミンDの検査が保険適用になる事を望んでいます。(現在保健適用外ですが7000円程度で受けられます)

1. Ross AC, Manson JE, Abrams SA, Aloia JF, Brannon PM, Clinton SK, Durazo-Arvizu RA, Gallagher JC, Gallo RL, Jones G, Kovacs CS, Mayne ST, Rosen CJ, Shapses SA. The 2011 report on dietary reference intakes for calcium and vitamin D from the Institute of Medicine: what clinicians need to know.(医学研究所によるカルシウムとビタミンDの食事摂取基準値に関する2011年度レポート:臨床医が知っていなければならないこと) J Clin Endocrinol Metab. 2011;96(1):53-8.
2.http://pediatrics.aappublications.org/content/122/5/1142.
FROM THE AMERICAN ACADEMY OF PEDIATRICS Carol L. Wagner, MD,Prevention of Rickets and Vitamin D Deficiency in Infants, Children, and Adolescents

3. Holick MF, Binkley NC, Bischoff-Ferrari HA, Gordon CM, Hanley DA, Heaney RP, Murad MH, Weaver CM. Evaluation, treatment, and prevention of vitamin D deficiency: an Endocrine Society Clinical Practice Guideline.(ビタミンD欠乏症の評価、治療および予防:内分泌学会による臨床実践ガイドライン) J Clin Endocrinol Metab, 2011;96(7):1911-30.

4. Hollis BW, Johnson D, Hulsey TC, Ebeling M, Wagner CL. Vitamin D supplementation during pregnancy: double-blind, randomized clinical trial of safety and effectiveness.(妊娠期間中のビタミンD補給:安全性と効果に関する二重盲検無作為臨床試験) J Bone Miner Res. 2011;26(10):2341-57.