私は、何か出来ることはないだろうかって
カウンセラーの元へ行ったり、児童相談所に電話したり、
図書館で虐待や、リストカットのことを調べたりしていた。
私は遼みたいに、冷静な判断とか出来ないし
行動しよう、って。
遼は、ずっと私のフォローをしてくれた。
図書館に行く時に遼は私に
「あたしが、人のためにこうやって走り回るなんて有り得ない。
お前が、頑張ってるから、協力しようと思った。」
と言った。
私が頑張ってるから?
遼は…
中学1年生のとき、初めて出会ったとき。
本当にクールで、一匹狼、といった感じだった。
絶対人と一緒に帰ったりはしない。
誰のことも信じない。
ハサミひとつ貸してくれない。
それでも、私はいつもつきまとっていた。
「遼、一緒に帰ろうって!」
「やだっつってんだろ」
そんな毎日。
ある日、ようやく一緒に帰ってくれるようになった。
それからも
遼は自分から動くことはほとんどないけど、
私が何かを行動しようとしたら
いつも後ろでフォローしてくれた。
そして
児童相談所には「そこまで酷い状態で、大人が何もしないわけないでしょう」
と嘲笑された。
遼がキレて、「じゃあ、そちらは何もできないってことですね?」
って言って電話を切った。
遼は、「だから大人はクソばっか。」と言った。
遼はいつも「人が嫌い」「大人や先生が嫌い」と言っていて
私はそのたびに「そんなことないって」と言っていたけど
今回ばかりは、
何も言えなかった。
カウンセラーや先生もダメだった。
虐待にならないんだって。
なぜなら、美歌のお母さんの行動は
憎しみではなく愛情だから。
図書館で遼は、「夏!見て見て!クジラ!」と
クジラの写真を見せてきて
「すげえ~かっこいい~」と感激していた。
その遼の姿を見て
私、こいつのこと一生好き、と思った。
その日、遼は誰にも言ったことないっていう夢を
私に語ってくれた。
私と一緒にいて、何が良いんだろう?という劣等感は
このときなくなった。