恋はいつも未知なもの
村上龍



「知らんよ、そいつにもわからなかったんだ、オレにわかるわけがない、でも、早い話が嫌われたんだよ、女が男を嫌いになる理由なんてそれこそ何千何万とあるわけだからな、好きになるのは一つの理由だけど」
それは何だい? 最近流行の優しさか?
「バカ言うな、『この男と寝たい』っていうことだ、親友はショックを受けてさ、だってまだ手も握ってなかったんだぜ」





ジャズとジャズバーをめぐるお話。ジャズに関して何もしらないからよくわからない部分が多いけど、引用される歌詞は本当に心に響くものがある。そしてバーに関してもあまり知らないからなぁ。
それにしても村上龍を読んでるとバーに行きたくなる。





最悪
奥田英朗

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兄貴にオススメされたから俺的今春の真打ち!って思って読み始めた!
ひゃーーーー面白い!!面白い!けっこう分厚いんだけど(648p)どんどんいけちゃった!三人の日常から物語は紡ぎ出される。良くしよう良くしようとそれぞれ前へ進もうとするけれど、どんどん悪い悪い方へ。悪いことをしているわけじゃない、俺なりにやってるのにどうして俺ばっかり。最悪まで落ちたときに三人が交わる!そこからの展開は加速度的に面白くなる。
落ちていく描写がリアルで息が詰まりそうになった。胸が重くなった。まったく関係のなかった三人が徐々に近づいていくのは面白かったな。終わってみるとなかなかありえない所までいってしまうけど違和感なく楽しみながら進んでいった。これが作者の力か。
後書きにこの小説は初めに人ありき、と書いてあった。多くの物語は初めに事件あり、だ。事件が起こりそこから人物が描かれていく。しかし最悪は人の日常から始まる。その人が進んで行った先に事件があるのだ。なるほどなと思った。

長いけど読みやすいしオススメ。御殿場でのなにが正しいのか良いのか悪いのか分からなくなる感じは非常に考えさせられる。


次もこの人の作品よむ