06月21日、表尾根を跨ぐ5尾根はヒルとの闘い(3/3) | Cycling Wonder

Cycling Wonder

プレスポで行く神奈川の道

ヒルが活発になる梅雨に、普通だったらやらない表尾根の尾根跨ぎを夢中で歩いたもの好きな山歩きをレポート中。
3回目(最終回)は、表尾根を縦走し、政次郎尾根で戸川林道に下り、帰るまでをお届けする。
 
■マップ
(1)全体
赤線が往路、青線が復路、三ノ塔で折り返し。


(2)表尾根縦走後、政次郎尾根で戸川林道終点へ


(3)烏尾山仲尾根上り


■本日のデータ
◆経過詳細
↓以下の通り

 
■実走報告
三ノ塔からの続き。

(⌒_⌒)v いぇ~い!
 
(24)三ノ塔を後にする。
ベンチから大山を眺めると霧が凄すぎて何も見えない。こうなると、せっかく休んでも楽しみがない。

サンドイッチを食べ終えたら、歩き出す準備を始める。
気になっていたので靴に貼ったガムテープをはがしてみたら、裏側に小さいヒルが丸まってくっ付いていた。
雨上がりの草地を長く歩いたせいか、剥がれてはいないもののパタパタしてヒル防止の効果は疑わしい。
一応スパッツも捲って、内側を確認すると、やはりヒルがいた。
両足の確認で4匹小さいヒルをエタノールで退治しました。
11:30、準備が整ったので三ノ塔を出発する。

(25)表尾根再び
北側の地蔵様に向かいます。
↓これはヒルではありませんよ、ミミズです。(^O^)ウホホ

大きさが分かるように手を添えてみました。

三ノ塔から西側は、相変わらず霧の中です。

西側の斜面を下りきった底に渡された木橋、ここがヤゲン沢乗越しです。
これを過ぎると烏尾山の上りに変わる。

11:57、烏尾山荘脇に立つ烏尾尾根分岐の道標。

お昼の時間なのでテーブルには若者のグループが休憩していた。
再び方位盤にタッチ、休まないで先に行く。

12:00、仲尾根分岐前を通過する。

↓朝撮り忘れた、行者ヶ岳直前に設けられた鎖。

どっかの爺さんか婆さんが転んで怪我でもしたんですかね。

12:25、行者ヶ岳山頂に到着。ここも休まずに通過します。

朝下った東尾根の入り口


(26)鎖場
行者ヶ岳を過ぎると表尾根名物の鎖場通過が待っている。

行者ヶ岳を過ぎてすぐに比較的簡単な鎖場を通過。

こんもりとした小山が見えたらその反対側に垂直な10mほどの鎖場通過がある。

休日の昼間ならハイカーが途切れることなく通過しているのだが今日は少ない。
到着したら塔ノ岳方面から来た3人組の男女が上っている最中だった
3人が上り終わるのを待ってゆっくり下ります。

ここは、鎖より鎖場の下に渡された木橋から横のキレットを眺めるのが私のお気に入りです。
南側は断崖の雰囲気でいい感じ。


北側は緩やかな乗り越しのイメージです。
ここは木橋があるかないかで全然感じが変わると思いますね。


(27)崩落地
鎖場を過ぎると、大規模な崩落跡の縁を鎖で仕切られた登山道を進む。
途中一か所だけ注意が要ります。崩落が収まらなくて道が半分削り落ちている。

ここに注意

階段を上がった先の頂が政次郎ノ頭(まさじろうのあたま)です。
何も頂上を示す物がありませんけどね。


(28)政次郎尾根分岐
12:49、頂を超えた直下に立つ道標に到着。
ここから先には進みません。今日はここから政次郎尾根(まさじろうおね)を下ります。

 
※塔ノ岳より初めての尾根を選ぶ
見積ったところ、この尾根を下らずに新大日、塔ノ岳と回り、大倉尾根の戸沢分岐から天神尾根を下ると、+3:45掛かる。政次郎尾根の下りなら1:00くらいの見積もり。
天気が良くて、私の体調が万全なら塔ノ岳もありだが、雲で何も見えない中塔ノ岳に行っても楽しさが想像できない。それより存在は随分前から知っていたのにこれまで一度も歩いたことのない尾根の方に興味が沸いた。


(29)政次郎尾根を下る
12:56、政次郎尾根の下降を開始する。

政次郎尾根は南西に伸びる尾根で道標は北西にある。道は水平に山を横切り南西側で下りだした。
道は地図通りでほぼ直線的に尾根を下る。

序盤の道の様子は石が多くて、植林帯に入ると土道が目立った。

直線的な道なので、結構下った感を感じ易くて、ちょくちょく高度計を確認するのだが、なかなか標高が下がらない。石ころゴロゴロの道をダンダンと下っているので膝にも負担がかかる。

(30)意外な人気
歩きながら、思った。
(こんな尾根を歩く奴は変わっている、すれ違う者なんていないだろう) (゚゚)(。。)ウンウン
と思った矢先、前方からご婦人(30代かな)がしっかりした装備でストックを突きながら上がってくるのが見えた。
(ええ~、まじですごい)(◎o◎)
すれ違う時、「すごいですね、この尾根を上るなんて」
と声を掛けたら、ニコッと笑顔で返されてそのまま通り過ぎて行った。

(まじかよ)( ̄□ ̄;)
びっくりしたまま先を見たら、別の女性ハイカーが上がって来るのが見えた。
2番目の女性は、ベテランの女性でシニアの方でした。
顔から汗が噴き出してるのが分かった。
「すごいですね、ちょっと前を女性が上ってますよ」(俺)
「仲間です」
(^ー^)ニコリ
「まだ後からもう一人来ますよ」(シニア婆)
(なるほど、グループだったのか) (・・ )( ・・)キョロ
なぜ、こんなきつい尾根を、こんな遅い時間に上がるのか気になったので聞いてみた。
「トレーニングですか?」(俺)
「トレーニングと言えば、そうかな」(シ婆)
(^。^;)ポリポリ
「きつくないですか、この尾根」(俺)
「いや、丹沢では道が良い方ですよ」(シ婆) 
(^-^)
「えっ!、これでですか?」(俺) (◎o◎)
「そう、フフッ。それじゃ」(シ婆) (^。^)y
3人目は中年の男性で見た目だけなら私より貫禄があった。汗がすごい。
(汗)。・゚゚・(>_<)・゚゚・。(汗)
下りながら考えた。
どうしてこの尾根が「道はいい方よ」なんだろうか?(・_・?)ハテ?
 
丹沢で人気No.1と言えば「大倉尾根」である。距離も長いし標高差も丹沢で一二を争う高さである。
でも2/3は階段歩きである。
自然の山の登山道だと階段道は少ないのではなかろうか。膝や腰にかかる負担も違う気がする。
より自然な道を歩いてトレーニングするなら、「大倉尾根」は好ましくないのかもしれない。
そういえば、政次郎尾根には階段が少ないな。

尾根の中盤には登山道のえぐれが凄くて、ほぼ障害物競走用の道のような状態のところがある。
ハイカーは登山道の外を歩いている。
階段にもなれないほど雨が降るのかもしれない。歩く者は周囲を見ながら注意して歩かなければならない。
ただ体力勝負の名前通りのバカ尾根とは歩き方が違う気がした。
 
時間は14時近い。もしもバスで大倉まで来て林道を歩いたなら、3人とも50Lくらいのザックを背負っていたのだ、相当時間が掛かるだろう。
上りだしが遅くても十分トレーニングにはなりますね。


(なるほどね、いい勉強になったな、政次郎尾根を選択して正解だった)

沢音がはっきり聞こえるようになり、もう尾根も終盤というところで振り返ってみたら、
今度はトレランナーが猛スピードで迫ってきた。

(うわっ!早や!)(◎o◎)

中年だが体が締まって、見るからに”競技者”みたいな男性に道を譲った。
そのすぐあと、今度は中年夫婦でトレランナーみたいなカップルが追い越していった。
(案外、この尾根は需要があるのかもしれないな)


(31)林道への出方が分からない。
小屋の屋根が大きくなっても林道は近いだろうと思ったのに、なかなか登山道の出方が分からない。
堰堤のある沢のそばまで来たものの、そこからどこに行くのかがよく分からなかった。

注目したのは河原の石の汚れ具合。
土のついた石を辿っていくと、沢を越えていた。

(なるほど、沢を渡るのね)

金網がかかる石の堰堤の端に隙間があり、そこを通り抜けたら道が現れた。
傍らには「沢を越える」と書かれた小さい標識。

(そうか、林道から入れば迷わないのね)d(-_^)

14:26、戸川林道の終点にある登山口に到着。


(32)戻り道
沢で水を汲み一息入れる。
林道終点の先、沢を越えた先に駐車場がある。
天神尾根はその先に登山口があるのだろう。

回りの様子を見ながら林道を歩き出す。

戸沢山荘の駐車場に入る入口の椅子にこんなメモを置かれていた。

記入の仕方が良く分からないが、利用者は”正”で書いて、山小屋の人が数字を書くのかな?
駐車場に入った時と出たとき書くのでしょうかね?
難しいので、私は新茅荘Pにしておこう。

14:36、作治小屋前を通過する。

通過してすぐのところに烏尾山仲尾根の登山口がありましたよ。標識ありです。

でも、どこを歩くんでしょうね?直登だったら、こちらも超きつそうだな。


14:43、朝入った古い仲尾根の登山口前を通過する。

新茅荘に到着する直前で水無川の河原に大勢の人影を見つけた。
キャンプ?植林帯の先なのでよく分からない。
 
15:03、新茅荘Pに無事到着。(山歩きゴール)
 
(33)新茅荘Pでヒルチェック
車の横に7、8人のグループがシートを敷いて装備チェックをしていた。
歩き終わって片付けの最中と思われる。

私も靴を脱ぎ、入念に確認した。靴紐の間に小さいのが3匹潜んでました。
エタノール噴射して振り落とす。
スパッツを外して、靴下を脱ぎ、ヒルの有無をチェック。どちらもOKでした。
上着も着替えたいがちょっとやりにくい。私の車のすぐ横に女性がいたので
ライザップ後のような体ならお構いなしだが、ライザップ前の体形なので、ちょっとね...
 
話の内容から沢歩きのグループであることが分かった。
車の横にいた女性は最近グループ入りしたばかりのようだ。
今日の反省会と次回の予定を話し合った後、三々五々解散していった。
最後に残ったバイクできた男性に話しかけた。
 
私が見た河原のグループは岩登りの練習をしていたらしい。
新茅荘の駐車場には車が一杯あったけど、沢屋の方が多いようですね。
納得しました。
 
ついでに、普段疑問に思っていたことを聞いてみた
「ヤマビルは川にもいますか?」(俺)
「水の中にはいませんけど、上がったら水際にはうじゃうじゃいますよ」(沢屋)
「それはもう、すぐ集られますよ」(沢屋)
「なるほど、水の中にはいないんだ」(俺)

 
沢屋さんも言われたましたが、沢歩きは単独でやってはいけないとのこと。
やはり、事故が起きた時の存命リスクを考えるとやってはいけませんね。
ありがとうございます、沢屋さん。
 
(34)帰り道
15:40、新茅荘Pを出発する。
帰りは朝の道を逆にたどります。
慎重に走ったつもりですが、戸川林道では何回か底を擦りました。
R246は分かってはいますけど、やっぱり名古木の手前のホームセンター前から上北ノ根(長後街道分岐)まで渋滞でした。
17:48、無事に帰宅する。
 
■感想
本日の感想は?
満足( ̄ー ̄)、満足( ̄ー~;)
満足2つですが、十分です。晴れていてヒルがいなければ文句なしで満足4つ。
 
15時に山歩き終了は普段の私なら早い時間ですが、これ以上歩き続けると足が耐えられないだろうとの判断です。もっと若かったなら、塔ノ岳を回り大倉尾根の戸沢分岐から天神尾根を下っただろうと思う。
もう、そんな無理をしようとは思わなくなった。
 
歩いた尾根の感想を述べる。
◆烏尾山仲尾根上り  距離:1660m、標高差:596m=1136m-540m(林道)(01:50)
 烏尾山烏尾尾根上り 距離:2675m、標高差:626m=1136m-510m(新茅荘P)(01:27)
烏尾尾根との比較では、烏尾尾根の方が距離が長いわりに歩行時間は短い。
これは烏尾尾根の中間部(標高800m付近)が長い緩斜面だからかなと思う。
仲尾根は終始急な斜面が続き、一息つける場所がない。(一瞬緩むところはある)
それでもヒルさえ出なければ、眺めが良いのは断然仲尾根です。
 
◆行者ヶ岳東尾根下り 距離:1400m、標高差488m=1188m-700m(境沢)(01:11)
霧のせいなのか、足元を気にする余裕がなくヒルの有無は確認できなかった。
でも、気にならなかった。集中して歩いたから。
私は爺なので下りで通過したいが、一般的には上る尾根と思ってルートを考えた方が良い。
山行の開始が表尾根の北or東側なら尾根を上る↑、西or南なら尾根を下る↓向きになるでしょう。
 
◆ヤゲン沢右岸尾根登り 距離:900m、標高差360m=1060m(モ終点)(01:18)
この尾根はヒルが出ない季節なら上りでも下りでもどちらでも良いです。
境沢登山道か行者ヶ岳東尾根とセットで利用することになるでしょう。
注意するポイントはヤゲン沢出合に作られた堰堤の通過方法です。
下る時は堰堤の左側、上る時は堰堤の右側を選びましょう。
仕事道が残る間は思ったより通過するのは容易です。
 
私の個人的な意見ですが、境沢登山道はアスレチック感覚で歩く大変ユニークな登山道なので廃道はとても残念です。人が行かない理由は札掛け側の境沢登山口の超絶不便さだと思っている。
ヤゲン沢右岸尾根を整備して三ノ塔から登山道を開設すると、アプローチし易い道になります。
ぜひ整備してほしい。
あまり多くのハイカーが歩くと、それはそれで問題が起きると思いますけどね。
かなわぬ夢ですね。

◆ヨモギ尾根登り 距離:675m、標高差140m=1200m(地蔵)-1060m(00:26)
ヨモギ尾根は登山道ではないのですが、私は好きでよく歩く尾根です。
ヨモギ平を示す道標も今では朽ち果ててしまって、消滅寸前です。代わりが用意されることもないでしょう。長い尾根の先が札掛なので次にどこを歩くか工夫が必要です。
大山北尾根登山口や長尾尾根へのアプローチには良いと思います。
ヨモギ平からBOSCOキャンプ場へのルートは林業従事者によって登山道がズタズタにされてしまったので迷うかもしれませんので注意してください。
 
◆政次郎尾根
この尾根が一番の収穫だったかもしれない。
登山道にも拘らず、この日歩いた尾根で一番辛かった。
下りで辛く感じるので、上りは相当しんどいと思います。
階段が少なく自然で歩きにくい道が続くので、重い荷物でハイキングする練習ルートには最適ではないかと思いました。
 
◆本山行全体
歩く時期を選べばどの尾根も面白くお勧めです。
個人的には3月末から4月中旬くらいに歩くことを勧める(ヒルが出始める直前頃)
冬は日照時間が短いので(特に12月)注意が必要です。登山道ではない尾根はなるべく午前中に歩くようにルートを考えましょう。(暦を見るくせをつけましょう)
表尾根も歩き方を変えると全然感じが違いますね、尾根の距離が短いので表尾根の稜線を利用して複数の尾根を歩くのが楽しいかと思います。
大倉尾根や大山と絡めると色んなコースが考えられて考えるだけでも楽しいと思います。
表尾根の縦走なんてお子ちゃまのハイキングに思えますよ。
 
 
ではでは(⌒O⌒)