私は時々チャリンコ登山をやっている。
山の取り付き(登り始め)までチャリンコで行きデポした後山頂に登るというスタイル。
登山に関する専門知識を必要としない比較的低い山を対象にしている。
登山ルートは、登り始めの場所に戻ってくるコースを基本としているが、登りと下りで場所が違う場合(縦走など)はチャリンコを担いで山頂に上がることもある。
今年は、四季を通じて”明神ヶ岳”にこだわってみようと考えていて、春夏秋冬の4回はトライするつもり。
今回はその1回目”春編”になります。
梅雨入前で気候的に今(5月中旬)は登山に良い時期、週末天気が晴れ確定の予報を信じて決行しました。
今回のレポートは4回で行います。
似たような画像が繰り返し出て来ますが私の感動が伝わって欲しいという想いと受け取ってください。
1回目:登山口まで
2回目:明神ヶ岳に登る。
3回目:明神ヶ岳を下る。
4回目:未知の林道(石畑林道)を下る。
■チャリで登る明神ヶ岳
箱根の山は総じて標高が低く登山初心者でも安心して登れる山が多い。登山と言うよりハイキングの方が実体に合っている。
一番人気の山が金時山(1212m)です。山頂部からの360度パノラマや、アクセスルートの良さがその理由。
山頂から3方向(北、南東、南西)に尾根が伸びていて、北尾根以外は箱根外輪山の尾根筋とつながっている。
南東側の尾根が明星・明神尾根道に続いている。
私の場合は、金時山は眺める山であり、登るなら明神ヶ岳を選ぶ。
明神ヶ岳頂上部から金時山と富士山を重ねて眺めるのが好きなのだ。
明神ヶ岳(1169m)は箱根カルデラの外輪山の一つで、明星ヶ岳(923m)と尾根道でつながっている。
山頂部の稜線が細長く続き山の見た目が柔らかい山である。
◆昔の名前、別名もあるよ
金時山、明神ヶ岳、明星ヶ岳は、現在定着している名前で、それぞれ昔は違う名前だった。
★金時山←猪鼻嶽(いのはなだけ)
山の頂上部が溶岩の盛り上がりで出来ており、突き出た猪の鼻のように見えたことから付いた名前。
金時山は金太郎伝説と関係づけるため江戸時代に考えられた。
江戸時代に産まれた「金太郎伝説」、坂田金時(公時とも言う)の故郷が足柄山とされたので、特定峰のない足柄山で一番高い山を金時山と呼ぶようになった。現代で言う観光目的の命名です。
明神ヶ岳は箱根側からの呼び方で、古道で箱根越えをする旅人の安全を願って山頂に「明神」が祠られた事に由来する。
小田原市側からは、南足柄市狩野の西にそびえるので狩野山と呼ばれていた。
ちなみに南足柄の”苅野”も昔は”かの”と読んだ。塚原の住人は塚原の西方なので塚原山と呼んだと言う。
※なお、現在明神様は北側にあり箱根側にはないんだよね。
山頂に御岳大神を祭った祠があり、昔は御岳と呼ばれた。
小田原方面から宵の明星が山の上に輝くことから明星ヶ岳と呼ばれるようになった。
箱根側では、1921(大正10)年から、南西斜面で先祖供養の送り火として毎年8月16日の夜「大文字焼」が行われるようになり、大文字山という通称を持つ。
■チャレンジコース
隣り合う山も含めて明神ヶ岳へのアクセスルートを考えると7つのコースが考えられる。
(A)宮城野コース
箱根町宮城野地区の別荘地近くの登山口から明星・明神尾根道の鞍部に上がり明神ヶ岳を目指す。
(B)和留沢コース
明星ヶ岳の登山道である奥和留沢コースの途中(足柄久野林道と交差するポイント)から山に入り、尾根道で明神ヶ岳を目指す。
(C)最乗寺コース
最乗寺登山道の途中(足柄林道と交差するポイント)から山に入り、明神ヶ岳を目指す。
(D)矢佐芝コース
矢佐芝登山道の途中(足柄久野林道と交差するポイント)から山に入り、明神ヶ岳を目指す。
(E)桧山林道コース
桧山林道の足柄工区側から林道に入り、林道終盤から出ている登山道で火打石岳と明神ヶ岳の尾根道の中間付近に出る。
(F)矢倉沢コース
矢倉沢峠(明神林道金時隊道近く)から尾根道に入り火打石岳(986m)を迂回して明神ヶ岳を目指す。
(G)冷水河原コース
冷水河原林道(久野林道の支線)の途中から明星ヶ岳手前の尾根道に上がる。尾根道で明神ヶ岳を目指す。
(F)、(G)はチャリを担いで縦走する以外採用できない、尾根道区間が長過ぎる(実施済みの感想)
(E)は桧山林道の区間が長く登山口までの時間が掛かり過ぎる。
日帰りでトライするなら(A)~(D)の4コースからの選択となる。
■見所
★矢佐芝コース(正規:南足柄市推奨)
二宮金次郎が柴刈りに通ったと言われている道を辿り明神ヶ岳まで歩いて登るコース。
塚原駅から明神ヶ岳まで徒歩で上り4時間、下り3時間10分のコース。
標高差1143m、水平距離9km。
途中にある見所は2箇所。
・二宮金次郎がこしかけたと言われている”こしかけ石”。
・相模湾を眺望する”見晴台”。
※南足柄市公式HP > 観光 > ハイキングコース > 矢佐芝コース
http://www.city.minamiashigara.kanagawa.jp/kankou/hiking/yasashiba.html
↑矢佐芝コース.pdf
http://www.city.minamiashigara.kanagawa.jp/global-image/units/64688/1-20150818104814.pdf
★矢佐芝っぽいコース(独自)
ギリギリまでチャリンコで行き、山歩きは最小限で済ます。
塚原駅前スタートは同じだが、目指すのは長泉院横の道。
林道十字路からさざんか(塚原)林道を全線走り足柄久野林道ゲート前に向かう。
足柄久野林道の足柄側ゲートから1.4km走ると登山道と交差するので、ここにチャリをデポ。
残りは登山道を歩いて明神ヶ岳に登る。
チャリンコ区間は、往路が全部上り坂で平坦区間は一切ない。
復路は往路を戻るなら下り続けるのでほとんど漕がずに塚原駅に行ける。
今回の復路ではアドベンチャーな林道のダウンヒルを選択した。
■テーマソング
今回のテーマソングは、先週の続きでカヴァー演奏の動画紹介。
Fingerstyle Guitarのマスダ・ヒロシ(peacejoytown)さんはBeatlesとS&Gの曲を演奏動画としてたくさん公開している。
今回は”Let It Be”(なるようになる)
★Let It Be-live(Fingerstyle Guitar)
https://www.youtube.com/watch?v=RFCFub5RJe4
■マップ
(1)全体
(2)塚原周辺
■実走報告
(01)出発
06:40に目が覚めた。
「あっ!真田丸が見れない!」
日曜日の朝目覚めに思い浮かんだことである。もっと早く起きたかった。
お湯を沸かしてコーヒーを淹れ、着替えて朝ご飯を食べる。
07:15、家を出た。
↑いつもの公園
↑いつもの和泉川
↑いつもの境川遊水池公園、何と言う鳥でしょうか
◆土曜日
金曜朝のジテツウ途中でリアのシフトワイヤがシフタ内で切れました。
土曜日は、シフトワイヤ交換で走れず、ツーリングは日曜日にスライドした。
老体は土曜日走って、日曜は休養したいのだが、今回は山登りするので天気予報を優先。
週末の天気予報は、高気圧に覆われて関東地方は100%晴れそうだ。
来週晴れる保証はない、翌日決行することにした。
ワイヤ交換の後は行程の予想時間を計算する。今回のコースには12:45掛かると出た。
・自宅から塚原駅まで02:30、登山口まで04:30、明神ヶ岳まで往路06:00。
・今回帰り道はチャレンジするつもりなので往路と同じ時間。
・山頂滞在時間を45分。
(02)湘南海岸ルート
通過時刻とアベレージ。
07:57、藤沢橋でK30に移る。距離11.3km、AV20km/hr。
08:08、松波でR134に合流。15.25km、AV22.1km/hr。
08:40、大磯でR1に移る。28.59km、AV24.3km/hr。
09:24、親木橋でR1を離脱。ここで40.24km、AV24.7km/hr。
◆抜けないローディ
日曜日のR134はローディが案外少なくて、大磯でR1に出るとローディが目立った。
青信号で我先に走り出すローディ、山歩きに足を温存する私は瞬く間に取り残される。
そんな中、同じようなスピードで前を走るローディが1台。
もう見ればすぐ分かる黄緑と白色のフレーム、CAAD10ですね。
乗り手は私より若そうな中年ライダー(体型で分かる)、他のローディの動きに全く動じることなくマイペースで走っている。
巡航速度が30km/hr前後で、今回の私の目標に非常に近い。
こういうチャリは抜くべきか後ろに付いて行くべきか非常に悩む。
私はスタンドありの安クロスを自覚しているので、基本的にローディは抜きません。
変に相手のプライドを刺激して抜き返しを繰り返したりしたくないし、プレスポでは高速を維持するのが大変疲れるのだ。
出来れば、勝手に見えなくなってほしい(先に行ってほしい)
一定の間隔を保って走りましたが、気を使うので好きではない。
やはり私はグループ走行が向いていない、気ままな”ぼっち走行”が一番いい!
CAAD10とは親木橋の交差点まで走りました。
(03)富士道橋 (6/1訂正:富士見橋→富士道橋)
親木橋交差点を右折してK717に移る。
K717で酒匂川まで走ったら、鈴廣のかまぼこ工場手前で進路の選択となる。
↑かまぼこ工場が見えてきた
↑途中に見える、これが気になる
K717で 富士見大橋 を渡りK720で堀之内を左折して沼田でK74に合流するのが一般的なルートである。
私は 富士見大橋 を渡らずに新しいK711を走って桑原住宅前の交差点を左折して以降沼田へ一直線のルートを好む。
酒匂川を越える橋が富士道橋で、正面に明神ヶ岳がずっと見えるのでこのルートが好きなのだ。
(お昼まで2時間半だけど、ホントに登れるだろうか?)山を見ながら半信半疑だったよ。
09:53、塚原駅前に到着。自宅から48.76km、AV23.9km/hr
(04)林道十字路
塚原駅前から路地道を進み広域農道をちょっとだけ走り、長泉院の参道横を通って進む。
↑太刀洗川の右岸を走ると広域農道と交差するので農道に移る。日影入口が目印。
↑広域農道をちょっと走る
↑ここは右には行かずに左へ抜ける
↑長泉院には入らずに右に進む
↑道端の花がきれいだったのでパチリ
↑陽射しは暑いが、木陰に入ると涼しい
10:19、林道十字路へ到着。
右から左に横断する道が明星林道である。
ここと同じような林道の十字路が左に進むともう一度現れる。
林道が明星林道から和留沢林道に変わるポイントなのだが、正規の矢佐芝ルートで通るのはそちらの道である。
私が走っている道は正規矢佐芝ルートではありません。言わば並行輸入ルートです。
正規の矢佐芝コースのすぐ近くではあるので”矢佐芝っぽいコース”と呼んだのです。
(05)さざんか林道
十字路は直進する。これから先は足柄林道へ連絡する林道になるが、林道の名前を示す標識はない。
先人のレポートから”さざんか林道”又は”塚原林道”と言いうらしいのでそのまま使わせてもらう。
道が直線的なため、視線はどうしても路面を捉えることが多い。たまに周りを見ても景色は期待できない。
1.3kmほど走ると地滑り跡を横切る。現在は草に覆われてしまって、荒々しさが見られないが、初めて現場を見た時は自然の力に圧倒されたっけ。
地滑り跡から300mほど走ると足柄林道の起点標識が現れる。
実際の足柄林道ゲートは、ここからさらに2.6km先に設けられている。
上り坂に耐える時間が続く。
↑林道ゲートまでは随分離れている
↑林道標識を過ぎて直の左側に清水が流れ出ている
↑我慢の上り
◆地滑り跡
2013/5/6に通った時の同じ場所。地すべりが起きて間がない頃です。
↑道路わきの岩は現在も同じ場所にある
(06)足柄久野林道
11:05、足柄林道と足柄久野林道のゲートが隣り合う三叉路に到着する。(自宅から56.06km、AV19.9km/hr)
足柄久野林道の全線は長いのだが、ちょっと変わっていて所々舗装されている、舗装の意図が良く分からないのだ。
↑足柄ゲート側は勾配がきつかったので舗装は大変ありがたい。でも短い。
足柄林道側ゲートから 1km だけ完全舗装されているが、その後はガレ道に早変わり、400mほど歩くと登山口に到着する。
どうせやるなら登山口まで舗装して欲しかった。カーブを含んだ勾配あるガレ道は歩きにくいぞ。
(07)登山口
11:24、矢佐芝コースの登山口に到着。(自宅から57.40km、AV19.2km/hr)
山登り時間は90分を見込んでいた。
標識には70分と書かれているが、事前調査でおじさんは表記時間の2割増しと思うのが良さそうと判断。
予想では山頂到着が12:54となり、ギリギリと思われた。
途中で疲れるとどんどん遅くなる。
(厳しいな)(>_<)
と考えて山に入って行った。
第1回はここまで、明神ヶ岳の上りから次回に続く。
(⌒_⌒)v いぇ~い!
■本日のデータ
・出発時刻-到着時刻(実時間)=07:15-19:05(11:50)
・乗車時間=06:00:33
・距離=115.15[km]
・AVE=19.1[km/hr]
・Max=44.3[km/hr]
・累積走行距離=1382.8[km]
■参考URL
※神奈川県 明神ヶ岳を歩く(1): お山でウォーキング
http://blog.goo.ne.jp/zokumwalking/e/ab70e0f043f2f64dae1ae94d7fea2734
■参考文献
※西さがみの地名-風に聞き大地に読む郷土の歴史- 田代道彌(たしろ みちや)
小田原から南足柄周辺の地名事典です。
おもしろかったのは、明治の前は狩野も刈野も”かの”と読んだそうだ。
明治になって、行政上紛らわしいので刈野が”かりの”に変わったと言う。
”かの”は焼畑からきていて、開墾された土地を表していた。
そう言われると、明神ヶ岳=狩野山で納得するし、塚原山は嘘っぽいね。
現在では”狩野”とくれば、あとは”英孝”と続く。
■感想
本日の感想は?
満足( ̄ー ̄)、満足( ̄ー ̄)、満足( ̄ー ̄)
満足3つです。
◆矢佐芝コース
コース全部を歩いていないのに言うのも何ですが、塚原駅からコース図通りに歩き始めると、ずっと上り続けるコースです。
平らな道は皆無で、常に勾配を感じる道が続きます。
登山道に入ると終始森の中を歩き続け、視界が開けるのは林道(足柄久野線)と交差する付近だけです。
森の中では明神ヶ岳がどの方向なのかすら分かりません。
厳しい岩登りなどはなく歩くのは容易ですが、森林浴より開放感を好む方には向かないコース。
◆矢佐芝っぽいコース
足柄久野線と登山道の交差地点から登り始めるアイデアは、チャリで登る明神ヶ岳シリーズの初回として良かった。
山の取り付き方法として、一番失敗がないルートだと思う。
足柄林道ゲート側1kmが舗装されたことで非常にアクセスが良くなった。登山口まで舗装してくれれば完ぺきだった。
ではでは(⌒O⌒)























